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2018年8月21日

1日中走り続けるとどうなる?「24時間リレーマラソン神戸大会」に参加して分かった、心身の変化とは (2/2)

 そして、何より強敵だったのが睡魔。これまでも夜寝ずに走った経験はありましたが、2時頃になって眠気に襲われました。走っていてもまぶたが閉じてしまい、フラフラと半睡眠状態に。ハッと気づくと、木にぶつかりそうになるなんていう場面も出てきます。おそらく日中の体力消費から、いつも以上に身体が睡眠を欲していたのでしょう。

 本当は夜通し走る予定でしたが、危険を感じたので睡眠を取ることに。もちろん時間のロスではありますが、カフェインを摂っても回復の見通しがなく諦めました。それ以後は、たまに目を覚ましては「走れるかな」とリスタートし、やはりダメで再び睡眠……の繰り返し。これは、かなり想定外の出来事です。

ゴールへのカウントダウン

 再び走り始められたのは、明るくなってから。それでも眠気がありますが、人は太陽の光を浴びると“起きるモード”になるようです。夜間に寝てしまい距離こそ走れなかったものの、おかげさまで体力や足の疲労はかなり回復。そうなれば、あとは24時間までカウントダウンです。

 不思議なもので、24時間という長丁場も残り少なくなれば「もう終わりか」なんて思えてしまいます。もちろんペースは落ちていますし、再び暑くなって辛い。でも、終わりが見えれば頑張れる。これは24時間に限らず、マラソン全般を通じて同じことのようです。

 そして24時間。結果的には98周走り、距離は166.6kmとなりました。そこまでいい成績ではありませんが、暑さなどの影響から皆さんも苦戦された様子。「夜ちゃんと走れていたら」と悔やまれる部分はありつつ、しかしものすごい達成感です。

24時間を走り終えてみて

 24時間を走ってみて、もちろん驚くほどの疲労感です。ゴール後は座って一休みしましたが、「立ちたくない」と本気で思えるほど。しかし私の場合、足に痛みなどもなく走り終えられました。それ以上に、「24時間を走りきった!」という思いが大きい。この経験は、きっと今後のレースやトレーニングにおいて自信となってくれるでしょう。

 想定外だったのは、やはり睡魔でした。そこまで眠気に強い方ではありませんが、まさか走れなくなるほど眠くなるとは……。他にも、疲労や眠気で夜に寝てしまい、中にはそのままリタイアしたという方もいたようです。

 また、補給食は多めに持参したのですが、1つも使っていません。夜にお弁当が支給されましたが、そちらも知人にあげました。食べたのは給水所で提供されたフルーツのみ。24時間であれば、そこまで食べ物を補給しなくても走れるようです。ただし暑さもあり、水分補給は必須。むしろいつもの何倍も飲み、それでも喉が渇くほどでした。長丁場だからこそ、補給方法・内容は工夫が必要なのだと思います。

 普段なかなか走る機会のない24時間マラソン。調べてみれば、年間を通じて各地で大会が開催されています。「自分の限界を超えたい」「味わったことのない達成感を知りたい」という方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

・24時間リレーマラソン神戸大会
http://www.htj.gr.jp/untitled15.html

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>

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