フィットネス
2024年6月17日

デッドリフトで腰を鍛える!効果とやり方、正しいフォーム、重量回数[トレーナー解説]

腰回りを鍛える代表的な筋トレのひとつ「デッドリフト」。しかし、初心者にとっては、あまりなじみのないエクササイズかもしれませんね。

今回はデッドリフトについて、正しいフォームとやり方、鍛えられる部位、効果を高めるポイントを解説していきます。

解説は、プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当する、日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)認定トレーナー・和田拓巳さんです。

デッドリフトとは

デッドリフトは、ベンチプレス・スクワットと並んで「筋トレBIG3」と呼ばれるエクササイズの一つ。高重量を扱えるうえ、複数の筋肉を同時に刺激できるため、体幹や下半身強化に効果の高い種目です。

筋トレBIG3(ビッグスリー)とは【ベンチプレス・スクワット・デッドリフト】

デッドリフトで鍛えられる筋肉

まずは、デッドリフトでどんな筋肉を鍛えることができるのか、確認してみましょう。

脊柱起立筋

背中筋トレ 背筋筋トレ脊柱起立筋は、背骨の両脇に付着している筋肉です。腰背部を伸ばす(体幹部を反らせる)、横に曲げる動作で力を発揮します。デッドリフトでは、動作中に体勢を保持するために大きな力を発揮しています。

大臀筋

大臀筋は、お尻の表面に付着している筋肉です。股関節を伸ばす時や、外側に捻るときに力を発揮します。

中臀筋

中臀筋は、大臀筋より深層に付着しているお尻の筋肉です。股関節を外側に開くときに力を発揮します。

大腿四頭筋

大腿四頭筋の構造大腿四頭筋は、太ももの前側に付着している筋肉です。股関節を曲げるときや、膝関節を伸ばす時に力を発揮します。

ハムストリングス

ハムストリングスは、太ももの裏側に付着している筋肉です。股関節を伸ばしたり、膝関節を曲げたりするときに力を発揮します。

僧帽筋

僧帽筋は、首~背中の中央に付着している筋肉です。肩をすくめる、肩甲骨を動かす・固定する働きがあります。デッドリフトでは、重い重量を保持するために力を発揮します。

広背筋

広背筋の筋肉図広背筋は、背中に付着している筋肉です。腕を後ろに引く動作で力を発揮し、デッドリフトでは、重量を保持するために力を発揮します。

デッドリフトにはどんな効果がある? デッドリフトを行うメリット

デッドリフトを行うことで、どのような効果があるのでしょうか。ここではデッドリフトを行うメリットを紹介します。

一度に複数の筋肉を刺激できる

先述の通りデッドリフトは複数の背中や下半身の筋肉を同時に刺激することができます。高負荷を扱えるため、短時間で多くの筋肉を効率よく鍛えることができます。

また、背中や下半身の筋肉は大きく、筋肉量を増やすことでエネルギー消費量も高まり、基礎代謝量も大きく向上します。

姿勢が良くなる

デッドリフトで刺激できる筋肉は、重力に対抗して姿勢を保持するために働く “抗重力筋”が多いのも特徴です。

猫背などの姿勢の悪さは、脊柱起立筋や僧帽筋の筋力低下などで起こる場合があります。その場合、抗重力筋を鍛えることで、良い姿勢を保つことができます。

腰痛を改善する

デッドリフトで腰部や下半身を刺激することは、腰痛の改善に効果があります。

日頃から力を発揮している抗重力筋は、緊張が強くなりがちです。座りっぱなしや立ちっぱなしなど、長時間同じ姿勢を続けることで筋肉が緊張し、痛みが出てくるのです。

デッドリフトで筋力を高めると、疲労が溜まりにくくなります。そして筋肉を動かすことによって血行が良くなり、筋緊張を引き起こしにくくなるなど、腰痛にも効果的です。 

デッドリフトはダンベルとバーベルどちらを使うべき?

デッドリフトは、バーベルを使う場合と、ダンベルを使う場合があります。それぞれの使い方を確認してみましょう。

バーベルデッドリフトのメリット・デメリット

バーベルを使うことで、安定して高重量を扱うことができます。

ただし、バーベルが常に体の前面にあるため動作できる範囲が狭くなり、柔軟性が低い場合、動作が行いにくい場合があります。

筋トレ「デッドリフト」の効果とやり方|重量設定、グリップの握り方、初心者向けフォーム

ダンベルデッドリフトのメリット・デメリット

ダンベルは両手それぞれが独立しているため、動作がしやすく、柔軟性が低くても関節可動域をフルに使いやすくなります。

ただ、扱える重量は、バーベルに比べ少なくなりやすく、高重量を扱う際にバランスがとりにくいなどのデメリットもあります。

【動画で学ぶダンベルデッドリフトの正しいやり方】自宅で背中を鍛えられる最強種目!

デッドリフトの基本フォームとやり方

では、デッドリフトの基本フォームを確認してみましょう。ここではバーベルを使用したやり方です。

1.つま先は正面に向け、腰幅程度に足を開いて立ちます

2.股関節と膝を曲げ、しゃがんだ姿勢になります。肩幅程度に手を開き、両手にバーベルを持ちます

バーベル デッドリフトの基本フォーム

3.バーベルをスネや太ももなど、体の前面に沿わせながら立ち上がります

バーベルをスネや太ももなど、体の前面に沿わせながら持ち上げる

4.立ちあがったら、股関節と膝を曲げながらゆっくりとバーベルを下していき、2の姿勢に戻ります

5.この動作を繰り返し行います

バーベルデッドリフトの効果をきちんと出すには?

動作中は、以下がポイントです。

  • 上体は起こし、胸を張って背筋を伸ばした姿勢を保っておくこと
  • 膝を曲げていく際、膝が前に出ないように、お尻を後ろに下ろすよう意識する

デッドリフトのトレーニングアレンジ

デッドリフトには、さまざまなバリエーションがあります。ここでは、デッドリフトのバリエーションを紹介します。

ルーマニアンデッドリフト

1.つま先は正面に向け、腰幅程度に足を開いて立ちます

2.軽く膝を曲げ(10度程度)、肩幅程度に手を開き、両手にバーベル・ダンベルを持ちます

3.膝の角度を保ちながら、お尻を後ろに突き出すようにして重りを下ろしていきます

4.膝の角度を変えずに、限界まで下ろしたら、2の姿勢に戻ります

5.この動作を繰り返し行います

デッドリフトとの違いとして、ルーマニアンデッドリフトのほうが膝の角度が浅く、膝がやや伸びぎみという点が挙げられます。

スモウデッドリフト

  • つま先を30度ほど外向きに向け、肩幅よりも拳1~2個分外側に足を開いて立ちます

2.股関節と膝を曲げ、しゃがんだ姿勢になります。肩幅程度に手を開き、両手にバーベルを持ちます

3.バーベルをスネや太ももなど、体の前面に沿わせながら立ち上がります

4.立ちあがったら、股関節と膝を曲げながらゆっくりとバーベルを下していき、2の姿勢に戻ります

5.この動作を繰り返し行います

「スモウデッドリフト」の効果とやり方。通常のデッドリフトとの違いは?

シングルレッグ(片足)デッドリフト

1.両手でダンベルを持ち、片足で立ちます。軸足は軽く膝を曲げます(10度程度)

2.上半身~浮かせた足が一直線になるように意識したまま、上体を前に倒していきます

3.限界まで下げたら、元の姿勢に戻ります

4.この動作を繰り返し行います。反対側も同様に行います

デッドリフトの平均重量と回数

デッドリフトの使用重量はどのくらいに設定すればいいのでしょうか。基本的には、他のトレーニング同様です。

筋肥大の場合

8~12回程度で限界になる重量を目安に行いましょう。

ダイエットの場合

8~12回程度で限界になる重量を目安に行いましょう。

筋持久力の場合

12~20回程度で限界になる重量を目安に行いましょう。

デッドリフトの効果を上げるポイントと注意点

デッドリフトの効果を高めるポイントと、気をつけたい注意点を紹介します。

デッドリフトを行うならトレーニング前半に

高重量を扱えるデッドリフトを行う場合、デッドリフトはトレーニングの前半で行うとよいでしょう。疲れがないうちに高重量を扱うことで、多くの筋肉を効率よく鍛えることができます。

バーベルを使うなら、保持力の強い握り方をしよう

デッドリフトをバーベルで行うと、先に握力がなくなってしまい、バーベルを保持できなくなることがあります。

その際は、バーベルの握り方をオルタネイトグリップにするとよいでしょう。

オルタネイトグリップは、左右で手の向きが異なる握り方です。片手は順手(バーを上から持つ)、片手は逆手(バーを下から持つ)というように、バーベルの握る向きを変えます。

この持ち方で、バーベルが滑るリスクを減らすことができます。

高重量を扱うならギアの活用がおすすめ

効果的にデッドリフトを行うなら、トレーニングギアを活用するのもおすすめです。

パワーグリップやストラップ

まずは、握力のサポート。

握力がなくなりやすいデッドリフトは、パワーグリップやストラップを活用すると最後まで筋肉を刺激することができるうえ、ケガのリスクも抑えることができます。

リフティングベルト

腰の痛みが気になる方は、リフティングベルトの活用もいいでしょう。腹圧を高めてくれるベルトは、腰部への負担を減らすだけでなく、体幹部が安定し大きな力を発揮できるようになります。

意外と見落としがちなのが、シューズです。

ソールのクッション性が高いランニングシューズなどは、バランスを崩しがちに。安全性の面からみてもトレーニング時は、底が平らでグリップ力の強い靴がおすすめです。

動作中、背中は丸めない

デッドリフトは、動作中に背中を丸めないことが大事です。背中を丸めてしまうと、腰部にかかる負担が一気に高まり、腰を痛めてしまう原因になります。

バーベルは体の近くを通る軌道で

バーベルで行う場合、バーベルを体に近づけて持ち上げるようにしましょう。

バーベルが体から離れると、重心が前にかかりバランスを崩したり、バランスをとろうとして腰を痛めたり、目的の部位とは異なるところに刺激が入るなど、良いことがありません。

スネや太ももを添わせるような軌道を心がけましょう。

毎日やったほうがいい? どのくらいやればいいのか、頻度と継続期間を探る

デッドリフトのような高重量を扱うトレーニングは、筋肉の回復にも時間がかかります。そのため、週に1~2回程度が適切です。

高重量を扱うトレー二ングは、初めに急激に筋力が向上したのを実感できます。2か月目あたりから徐々に見た目の変化を感じることができるでしょう。

デッドリフトと組み合わせたい、筋肥大させる食事・サプリメント

体を変えるには、トレーニングだけでなく、食事にも目を向けましょう。

筋肉を大きくするなら、「たんぱく質」の摂取が欠かせません。たんぱく質が不足していると、どんなにトレーンングを行っても、効率よく筋肉が作られません。

筋力向上を目指すなら、クレアチンがおすすめ。クレアチンはアミノ酸の一種で、筋力向上や筋肉回復のサポートとなるサプリメントです。

著者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴22年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。

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<Text:和田拓巳/Edit:編集部>