
「最近トイレが近い…」男性の尿トラブルに効く骨盤底筋スクワットのやり方 (4/4)
骨盤底筋スクワットは、正しい姿勢を維持できる範囲で行うことが大切です。急激に深くしゃがみ込むと、膝や腰を痛めるリスクがあるので、無理のない範囲で始めましょう。
腰を過度に反った状態でスクワットを行うと、骨盤底筋ではなく、背中や太もも前部ばかりに負担がかかってしまいます。その結果、腰痛を引き起こす可能性も高まりますので注意が必要です。
また、骨盤底筋を締めるつもりが、代わりにお尻だけを固めてしまうケースもよく見受けられます。お尻の穴付近に意識を集中しながら動作をするように心がけてください。
さらに、つま先寄りに重心が偏っていると膝が痛くなる原因にもなります。かかとを含む足裏全体で地面を押す感覚を大切にし、正しいフォームで無理なく続けることがポイントです。
骨盤底筋をさらに強化する運動と生活習慣
骨盤底筋スクワット以外にも、骨盤底筋を鍛える効果的なエクササイズは数多く存在します。スクワット以外のエクササイズや普段の生活で取り入れやすいポイントを解説します。
例えば、座ったまま、立ったままできる骨盤底筋トレーニングもあります。デスクワークや立ち仕事が多い方におすすめです。長時間のデスクワークでは、こまめに立ち上がってストレッチや軽い運動を取り入れましょう。
次に、四つん這いの姿勢で片腕と反対側の脚を同時に伸ばす「バードドック」は、体幹を安定させながら骨盤底筋にも刺激を与えられる動きです。
また、食生活や水分補給のバランスを整えることも、尿トラブル予防に欠かせません。便秘が続くと骨盤底筋へ負担がかかる場合があるため、野菜や食物繊維をしっかり摂取し、適度な水分で腸内環境を整える心がけをしましょう。
骨盤底筋スクワットに関するQ&A
多くの方が抱える疑問や不安に対する回答をまとめました。
スクワットは毎日行っても大丈夫?
適度な回数であれば毎日行っても問題ありませんが、過度にやりすぎると筋肉の回復が追いつかない可能性があります。疲労が強いと感じる日は休息を入れながら、週に3~4回を目安に取り組むとよいでしょう。
効果を実感できるのはいつ?
個人差はありますが、早い人で2~3週間、遅いと数ヶ月かかることもあります。継続することが何より大切なので、焦らずコツコツと続けましょう。
骨盤底筋スクワットをする上での注意点は?
腰や膝に不安を感じる場合は、医師やトレーナーに相談してから始めるのがおすすめです。無理をせず、まずは正しいフォームで回数を少なめに行い、段階的に増やしていくようにしましょう。
骨盤底筋スクワットを継続することは、生活の質も高める
骨盤底筋は普段は意識しにくい反面、正しい方法で鍛えると重要な役割を果たしてくれます。加齢による男性ホルモンの低下を補う意味でも、骨盤底筋をしっかり鍛える意義は大きいといえます。
骨盤底筋スクワットは、骨盤底筋をメインに鍛えつつ、大臀筋や内転筋群などのサブの筋肉も同時に強化できる効率的なエクササイズです。さらに、姿勢改善や腰痛予防など、全身的なメリットも期待できる点が魅力的です。
尿漏れや頻尿といった悩みを抱える男性の方は、まずは無理のない範囲でスクワットに挑戦してみましょう。継続することで、今まで気になっていたトイレの回数や尿もれリスクの低減に繋がり、日常生活の質を高める大きなサポートとなるはずです。
監修者プロフィール
沢岻美奈子女性医療クリニック
沢岻 美奈子
神戸市内の婦人科クリニック「沢岻美奈子女性医療クリニック」理事長で産婦人科専門医。
クリニックでは乳がん検診・骨粗鬆症検診など女性特有の検診がワンストップでできる。患者さんとの対話を大切にし、各々に合わせた医療を提供するスタイルで、幅広い年代の女性のかかりつけ医として地域医療に携わる。
更年期世代の患者さんも治療で多く通院しており、婦人科のリアルをお伝えするためにインスタグラムtakumina _clinicや、podcast「女性と更年期の話」など情報発信もしている。
<Text:編集部>