筋トレBIG3(ビッグスリー)とは|ベンチプレス・スクワット・デッドリフト (2/2)
<このページの内容>
筋トレBIG3「ベンチプレス」の効果とやり方
ベンチプレスで鍛えられる筋肉部位
BIG3のうち、上半身を鍛えるエクササイズが「ベンチプレス」です。胸の筋肉をメインに、以下を同時に鍛えることができます。
- 大胸筋(胸)
- 三角筋(肩)
- 上腕三頭筋(腕の裏)
ベンチプレスのフォームとやり方
- ベンチに仰向けになり、足は腰幅に開き、足裏を床につける
- 肩幅よりやや広めにバーベルを握る
- 肩甲骨を寄せて胸を張り、肘を曲げてバーベルを下ろしていく
- バストトップまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻る
ベンチプレスの効果を引き出すポイント
- 肩甲骨を寄せて行う
- 「後頭部」「肩甲骨」「お尻」「右足」「左足」をしっかり着地させる
- バーをバウンドさせない
- しっかり胸まで下ろす
●ベンチプレスはバーベルとダンベル、どっちでやればいい?
初心者はダンベルがおすすめです。
ダンベルベンチプレスの場合、以下のメリットがあります。
- 動作範囲が広がるため多くの筋肉が動員され、筋肉にかかる負荷を増やすことができる
- また、ダンベルでは左右の腕がそれぞれ独立して動くため、筋力が弱い方も鍛えることができる
筋トレBIG3「スクワット」の効果とやり方
スクワットで鍛えられる筋肉部位
BIG3のうち下半身全体を鍛えるのが「スクワット」です。お尻と太ももをメインに、以下の筋肉を鍛えます。
- 大臀筋(お尻)
- 大腿四頭筋(太もも前)
- ハムストリングス(太もも裏)
- 脊柱起立筋(背中)
BIG3種目のなかでも、唯一の器具なしかつ自宅でできる自重トレーニングです。筋肉をつけたい人だけでなく、ダイエットや痩せる目的の女性にも人気の筋トレの王様です。
負荷レベルを高めたい人はトレーニングチューブやダンベルを活用するとよいでしょう。
スクワットのフォームとやり方
- 足を肩幅よりやや広めに開き、つま先は軽く外側へ向ける
- 胸を張り、軽く腰を反らせながら股関節と膝を曲げていく
- 太ももが床と平行の位置になるまで下ろしたら、元の姿勢に戻る
膝がつま先よりも前に出ないよう、お尻を後ろに突き出すように意識する
スクワットの効果を引き出すポイント
- 膝ではなく股関節から動く(お尻を後ろへ突き出すように行う)
- 膝はつま先より前に出さない
- つま先を上げない
- 背中はまっすぐ、肩甲骨を寄せて行う
筋トレBIG3「デッドリフト」の効果とやり方
デッドリフトで鍛えられる筋肉部位
BIG3の中で腰背部~下半身にかけて鍛えるのが「デッドリフト」です。脊柱起立筋をメインに、以下の筋肉を鍛えます。
- 脊柱起立筋(背中)
- 僧帽筋(背中)
- 広背筋(背中)
- 大臀筋(お尻)
- ハムストリングス(太もも裏)
デッドリフトのフォームとやり方
- 足を肩幅に開いて立ち、つま先は正面に向ける
- 股関節と膝を曲げ、両手でバーベルを持つ
- 胸を張って背筋を伸ばし、バーベルをカラダの前面(スネや太もも)に沿わせるように持ち上げていく
- 再び沿わせながらバーベルをスネの位置まで下ろしていく
デッドリフトの効果を引き出すポイント
- 肘ではなく、カラダを起こす力で持ち上げる
- 背中は丸めない
- バーベルはできるだけカラダに近づけて沿わせるように動かす
どれくらいの重さで、何回やればいい? 重量設定と回数設定
ウエイトの重量(重さ)
バーベルを使う「デッドリフト」と「ベンチプレス」の重量設定は、まず正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大重量(1RM)を把握しましょう。
そのうえで、以下の回数を参考にしてください。
●筋力を高めるなら
5~7回で限界がくる重さにする
●筋肥大させるなら
8~12回で限界がくる重さにする
●筋持久力を高めるなら
13~15回で限界がくる重さにする
BIG3種目は毎日やるべき?
全身を一度に鍛えるなら週2が効果的
毎日全身を鍛えても、筋肉の修復・回復が間に合わないため、筋肥大には逆効果です。
1回のトレーニング時間も長くなるうえ、疲労感や筋肉痛が大きく、蓄積するとオーバーワークになる可能性が高いでしょう。
毎回筋トレで全身をハードに鍛える場合は、疲労や筋肉痛から回復する間隔(超回復理論)を考えると、週2~3回がおすすめです。
モチベーションや目標を高く持つのは良いことですが、やればやるほど効果が出るものでもありません。
部分ごとに鍛えるなら毎日行ってOK
一回ごとに部位を分けて鍛える方法であれば、毎日でも行うことができます。
たとえば上半身・腹筋・下半身といったように、トレーニング部位を3つに分けた場合、同じ部位を次に行うタイミングは最短でも3日後。回復期間をしっかり置き、筋肉を修復しながら無理なくトレーニング頻度を増やすことが可能です。
全身を一度に鍛えるか、部位別に鍛えるか。ライフスタイルと目的によってトレーニングの頻度を変えていきましょう。
筋トレの種類は3つある
筋トレの種類として、大きく分けて3つあります。
- 自重トレーニング
- マシントレーニング
- フリーウエイト
ひとつずつ解説しましょう。
自重トレーニング
自重トレーニングは、スクワットや腕立て伏せなど、筋トレマシンや道具を使わずに行うトレーニングです。
手軽にできますが、正しい姿勢やフォームの獲得が難しい一面もあります。
マシントレーニング
マシントレーニングは筋トレマシンを使ったトレーニングを指します。マシンに体を固定した状態で決まった軌道を動かすため安定性が高く、初心者でも安全にエクササイズを行うことが可能です。
また、疲れてきてもマシンの軌道や重りの重さは変えられないので、刺激を逃がすことなく、最後まで目的の筋肉を刺激することが可能です。
フリーウエイト
フリーウエイトは、バーベルやダンベルといったエクササイズ器具を使い、自分でフォームを調整しながら行うトレーニングを指します。
姿勢を自分で保持する必要があるため、刺激を逃がしてしまったり、怪我のリスクもあります。
フリーウエイトのメリット
フリーウエイトには、マシントレーニングと比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。
多くの筋肉を刺激できる
フリーウエイトは、マシントレーニングのように動作の軌道が固定されていません。そのため、動作中にメインとして力を発揮する筋肉だけでなく、姿勢を維持・安定させるための筋肉も稼働しなければならないのです。
ターゲットとしている筋肉だけでなく、関節まわりの小さな筋肉や腹筋群などもすべて動員させて行います。
バーベルとダンベルで全身のトレーニングができる
マシントレーニングの場合、ひとつの部位を鍛えるのにそれぞれ1台ずつのマシンが必要です。その点、フリーウエイトであればバーベルやダンベルがあるだけで、全身を鍛えることができます。
フォームや動作について知識がないとむずかしいといったデメリットもありますが、正しいやり方さえ知っていれば怖がることはありません。
積極的にフリーウエイトへ挑戦しましょう。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
【HP】https://wada0129.wixsite.com/takumiwada
<Text:和田拓巳>