インタビュー
2018年6月21日

空手家・清水希容「勝利数よりも、自分がどれだけ成長したかを大切にしたい」(後編)│サキドリ!ROAD TO 2020 (2/2)

——表現するという部分では共通していますもんね。

少し前に能楽師の野村萬斎さんとご一緒する機会があったんですけど、別格だなって思ったんです。話す内容が素晴らしいのはもちろんなんですけど、空気感だったり、演技に言葉で語る以上のものがあって。そういうところでも勉強になることがありますね。

——“人に魅せる”という意識は年々高まっていたりするんですか?

東京五輪で空手の形が競技に選ばれたことで空手を始める人口も増えていて、私の試合を見にきてくださる方々も増えていて。だからこそ、自分も形を見て欲しいという思いは強くなっています。ただ、注目度が増している分、期待度も想像以上に上がっているので、それに応えないといけないなと思いながら日々の練習に取り組んでいます。

——それはものすごいプレッシャーになりそうですね。

今はそういったプレッシャーがありつつも、新しいことにチャレンジしているので、楽しく空手ができている時期なのかなって思っています。2020年までこの気持ちをキープしていきたいという想いがありますね。

世界選手権3連覇、そして東京五輪へ

——これからの数年は長いようで短そうです。

競技者にとってはすごく過酷な数年になると思います。出場する選手は世界ランキングのポイントで決まるので、2020年までずっと大会に出場を続けないといけないので。

——それはなかなか過酷ですね。

特にコンディションを維持するのがとても大変だなって。特に試合が連戦になるときもあるので、体力勝負になる気がします。大体2週間に1度のペースで試合に出場しているので。だから、調子が悪いときでも勝てるくらいの実力をつけなきゃいけないなって思っています。

——当面の目標はどこに定めているんですか?

まずは今年の世界選手権に向けて新しい自分に出会えるようにしたいですね。そこで3連覇ができれば、自ずと東京五輪への道が拓けてくるのかなって。あと、私の形を見たいと思ってくれる人を1人でも多く増やしていきたいので、より魅せる試合というものも追求していきたいなと思っています。

[プロフィール]
清水希容(しみず・きよう)
1993年12月7日生まれ、大阪府出身。ミキハウス所属。小学3年生で空手を始め、高校3年生のインターハイで優勝したのを皮切りに、日本選手権5連覇、世界選手権2連覇、ワールドゲームズ2017優勝などの戦績を上げる。

<Text:村上広大/Photo:奥村元洋>

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