「懸垂10回」を毎日続けた結果、1ヶ月でどんな変化が期待できる? (4/4)
懸垂の正しいやり方
効果を最大化し、ケガを防ぐためには、正しいフォームが欠かせません。基本の流れを押さえておきましょう。
やり方
1.バーを肩幅か、やや広めの手幅で握る(手の甲を自分側に向ける「順手」が基本)

2.腕を伸ばして、まっすぐぶら下がった状態からスタートする
3.肩甲骨を寄せるイメージで、背中の力を使って体を引き上げる

4.あごがバーの高さを越えるまで引き上げる
5.反動を使わず、ゆっくりコントロールしながら元の位置まで下ろす
意識したいポイント
- 腕の力だけで引かず、「背中で引く」意識を持つ
- 体を反動で振り上げない(勢いを使うと効果が下がります)
- 腰を反らしすぎない
- 下ろすときこそゆっくり。下ろす動作にも筋肉を使う効果があります
- 引き上げるときに息を吐き、下ろすときに吸う
最初はうまく背中を使えなくても問題ありません。回数を重ねるうちに、少しずつ感覚をつかめるようになります。
懸垂10回、できない人はどうする?
「そもそも10回もできない」「1回もできない」という人も、心配いりません。段階を踏めば、少しずつできるようになっていきます。
ネガティブ動作(下ろす動きだけ)を練習する
台や椅子を使ってバーの上まで体を上げ、そこからゆっくり時間をかけて下ろします。「下ろす力」が先に鍛えられ、引き上げる力の土台になります。
チューブやマシンで補助する
トレーニング用のゴムチューブを足にかけたり、アシスト機能つきのマシンを使ったりすると、負荷を軽くして練習できます。
斜め懸垂(インバーテッドロウ)から始める
低い鉄棒やテーブルなどを使い、足を地面につけたまま体を斜めにして引き上げる種目です。負荷が軽く、初心者でも取り組みやすい方法です。
ぶら下がるだけ(デッドハング)から慣らす
まずはバーにぶら下がるだけでも、握力と背中の準備運動になります。
焦らず、これらのステップを組み合わせながら、少しずつ目標に近づいていきましょう。
懸垂10回から回数が増えないとき、何をすればいい?
「10回まではいけるのに、そこから増えない」これは多くの人がぶつかる壁です。回数を伸ばすには、体に「これまで以上の刺激」を与える工夫が必要です。
少しずつ負荷を上げる
筋肉は、同じ刺激に慣れると成長が止まります。少しずつ負荷を増やすことで、再び伸び始めます。具体的には、次のような方法があります。
- 重りをつけて回数を落として行う(加重懸垂)
- セット数を増やす
- 下ろす動作をよりゆっくり行う
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握り方を変えてみる
順手・逆手・手幅の広さを変えると、使う筋肉のバランスが変わり、新たな刺激になります。
十分な休息とたんぱく質を意識する
回数が伸びない原因が、栄養や休息の不足にあることも少なくありません。睡眠をしっかりとり、たんぱく質を意識的に摂ることも大切です。
毎回限界まで追い込みすぎない
毎回ギリギリまで追い込むと、回復が間に合わず、かえって伸び悩むことがあります。余力を残すセットも織り交ぜましょう。
回数が増えない時期は、成長の前の「停滞期」であることがほとんどです。焦らずに工夫を続ければ、また伸び始めます。
懸垂は、続けるほど確実に体が応えてくれるトレーニングです。1ヶ月、そしてその先へと、自分のペースでコツコツ積み重ねていきましょう。
監修者プロフィール
まえだ整形外科リウマチクリニック 院長
前田 俊恒(まえだ としひさ)
医学博士/整形外科専門医/リウマチ専門医/リハビリテーション科専門医
肩こり・腰痛・関節痛などの慢性疼痛から、関節リウマチ、骨粗鬆症、スポーツ障害まで幅広く診療。
日常生活に根ざした運動指導・セルフケアの啓発活動にも力を入れている。肩や膝、腰の痛みなど日常の体の不調や股関節痛など運動器疾患についても、医学的根拠に基づいた分かりやすい解説を行っている。
<Text:外薗 拓 Edit:編集部>
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