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2024年6月6日

超回復とは。筋トレ後、なぜ休息日が必要なのか?筋肉の回復にかかる時間は (2/2)

超回復とは

筋トレ後に起こる超回復とは、適切な休息をとることで筋肉が回復し、筋力の向上などの成果が現れる現象のことを指します。

この理論のことを、「超回復理論」と呼びます。

トレーニングを行うことで、おもに以下の負担がかかります。

  • エネルギーの枯渇
  • 筋線維の損傷
  • 疲労蓄積

カラダにさまざまなストレスがかかることで、一時的に体力が低下します。筋肉を成長させるには、体を休め、疲労を回復させることが大切です。

超回復を繰り返すことで筋肉は成長していく

超回復で筋肉が以前より向上したタイミングで、次のトレーニングを行うこと。これによって、徐々にカラダが成長していくというのが超回復理論の考え方です。

超回復を無視した方法では、効果が現れないだけでなくオーバーワークになってしまう可能性もあるでしょう。

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超回復は何日くらいかかるのか。筋肉の回復にかかる時間の目安

48~72時間(2~3日)が目安

超回復は一般的に、トレーニング後48~72時間(2~3日)の休息が効果的とされています。

トレーニングの内容によっては、きっちり2~3日休んでも筋肉が完全に回復しない場合もあります。そのため、超回復理論はあくまでも一般的なものとして頭に入れておくとよいでしょう。

休息を取らないのも、休息が長すぎるのもNG!

休息をとらず、48時間よりも短い間隔でトレーニングを行ってしまうと、どうなるでしょうか。

筋肉が十分に回復する前に再び筋肉が破壊されてしまうため、筋肉が成長しないうえ、疲労が蓄積してパフォーマンスが向上しません。

逆に休息が長過ぎてしまうと、筋力が元の状態に戻ってしまいます。休息が長くなればなるほど、筋肉はどんどん衰えていくのです。

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筋肉の超回復から考えると、筋トレは何日に1回がいいのか

筋トレは週2~3回が最適

超回復の効果を最大限に高めるためには、トレーニングスケジュール(トレーニングの頻度)をうまく作る必要があります。

「超回復が起こる48~72時間は休息をとりたい」と考えると、トレーニング後に2日間はカラダを休める必要があるということになるでしょう。

超回復理論を元に“筋トレは週2~3回が最適”という情報も納得です。

毎日筋トレしてるマッチョもいるけれど……

しかし、本当に筋トレは週2~3回が効果的なのでしょうか。

カラダ作りを本格的に行っている人たちは、ほぼ毎日トレーニングを行っています。それは、超回復を無視した間違った方法なのでしょうか。

筋トレメニューの組み方・作り方【1週間実例つき】

トレーニング部分を分ければ毎日筋トレしてもいい

超回復は、トレーニングによって負荷がかかった部分だけに起こります。そのため、トレーニングする部分を細かく分けることで、超回復の効果を得ながら毎日トレーニングをすることが可能です。

もう少し、具体的に説明していきましょう。

1週間の筋トレメニューの作り方

毎日トレーニングを行っている人は、たとえば「胸→背中→肩・腕→足」といったようにトレーニングの部位を細かく分け、鍛える部位を変えながらトレーニングしています。

仮に4つの部位に分けると、次に同じ部位を鍛えるのは最短でも4日後となります。超回復が起こるための休息を、しっかりとっていることになるでしょう。

部位別に分けたトレーニングスケジュール

  • 月曜日:胸
  • 火曜日:背中
  • 水曜日:肩・腕
  • 木曜日:足
  • 金曜日:OFF(休み)
  • 土曜日:胸
  • 日曜日:背中

部位を分けて行うことで、超回復を得ながら毎日トレーニングを行うことができます。1回のトレーニング時間を短縮することにも繋がるなど、さまざまなメリットもあります。

筋トレは毎日やるべき?週に何回が効果的?トレーニングの頻度と回数

一気に全身を鍛える場合は、週2回くらいでもいいかもしれません。しかし、それでは1回あたりの時間がかなり長くなりますし、集中力も切れやすく効率的ではないでしょう。

初心者は一度のトレーニングで全身を鍛えがちですが、できるだけ部位を分け、実施日を多く作ることをオススメします。

【1週間実例】筋トレメニューの組み方|初心者でもわかりやすい作り方をプロが解説

ゴールドジムトレーナーの場合

ちなみに筋トレ民の聖地・ゴールドジムトレーナーも、週5回、部位別に鍛えています。

胸:
ベンチプレス/インクラインプレス(※)/チェストプレス(※)/ディップス(※)/ペックフライ(※)

背:
チンニング/ベントオーバーロウイング/ラットプルダウン(※)/シーテッドロウイング(※)/プルオーバー(※)

肩:
ショルダープレス(※)/ダンベルショルダープレス/フロントレイズ(※)/リアデルトフライ(※)/シーテッドロウイング(※)/サイドレイズ(※)/ラテラルレイズ(※)/シュラッグ(※)

腕:
バーベルカール/インクラインカール/アームカール(※)/ナローベンチプレス/アームエクステンション(※)/ケーブルプレスダウン(※)/加圧サイクル®トレーニング(アームカール(※)またはケーブルプレスダウン(※))

脚:
スクワット/レッグプレス(※)/レッグエクステンション(※)/プローンレッグカール(※)/スティッフレッグドデッドリフト/スタンディングカーフレイズ(※)

ゴールドジムトレーナーの筋トレメニューが知りたい。どんなトレーニングメニューをこなしてる? より

筋肉痛にならなかったら筋トレの意味ない?

気になるのが、筋肉痛にならないと超回復が起きず、筋肉は成長しないのかという点です。

エキセントリック(伸張性)収縮などの強いトレーニング刺激により、筋肉痛が引き起こされた場合、先述の通り超回復が起きます。

アイソメトリック(等尺性筋収縮)とは?トレーニング例や効果【イラストで解説】

とはいえ、筋肉痛が起きないからといって、トレーニングの効果がないわけではありません。

アイソメトリック(等尺性)やコンセントリック(短縮性)の刺激では筋肉痛が起きにくいため、筋肉痛を避けたい人はこれらの種目を行うという選択肢もあります。

筋トレは常に負荷を高めることで超回復が起きやすくなる

超回復は、カラダにしっかり負荷がかかっていなければ効果が現れません。常に同じ負荷で行っていては、超回復が起こらず効果が停滞してしまうのです。

カラダ作りを効果的に進めるためには、超回復効果による筋力向上に合わせて、重量を徐々に増やしていき、負荷を高めていく(漸進性の原則)ことがポイントです。

前よりも回数を多くできるようになってきたと感じたら、負荷を高めるようにしましょう。

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著者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
公式HP公式Facebook

<Text:和田拓巳>

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