フィットネス
2020年12月27日

胸と背中の筋肉を鍛えるダンベルエクササイズ

 「プルオーバー」は有名な筋トレ種目ですが、トレーニング初心者にはあまり馴染みのないメニューかもしれません。

 プルオーバーは「大胸筋」と「広背筋」という、拮抗した筋肉を鍛えることができます。「同じエクササイズで胸と背中が鍛えられるの?」と、不思議に思う人もいるかもしれませんが、大胸筋を刺激するやり方と、広背筋を刺激するやり方は少し異なります。

 鍛えたい部位別に、プルオーバーの正しいフォームとやり方、効果を高めるポイント、バーベルを使ったバリエーションなども解説します。

大胸筋を鍛えるプルオーバーのやり方

ベントアームプルオーバー

1.ベンチに背中を乗せ、両膝を曲げる。両手で1つのダンベルを持ち、胸に置く。
2.肘を伸ばし、ダンベルを顔の前に持っていく。
3.肘の角度を変えないように軽く肘を曲げ、ダンベルを頭の後ろに下ろしていく。胸がストレッチされているか確認する。
4.限界まで下ろしたら、ゆっくりと姿勢を戻す。

広背筋を鍛えるプルオーバーのやり方

ストレートアームプルオーバー

1.ベンチに背中を乗せ、両膝を曲げる。両手で1つのダンベルを持ち、胸に置く。
2.肘を伸ばし、ダンベルを顔の前に持っていく。
3.肘をまっすぐにしたまま、ダンベルを頭の後ろに下ろしていく。胸ではなく、脇(広背筋)が収縮しているのを意識する。
4.限界まで下ろしたら、ゆっくりと姿勢を戻す。

 大胸筋と広背筋のどちらに効くかは、腕を軽く曲げておくか伸ばしておくかというフォームの違いです。そのことを理解し、目的に応じてフォームを変える必要があります。

プルオーバーを効果的に行う共通ポイント

腰を反らせすぎない

 動作中、最大限にダンベルを下ろそうとすると、どうしても腰を反らせてしまいがちです。しかし、過度に反らせると腰を傷める原因となります。

肩甲骨をうまく動かす

 腰を反らせないとダンベルが下がらないという人は、肩甲骨を意識してみましょう。ダンベルを下ろす動作中に肩甲骨を内側に寄せる(内転)させると、腰を反らさなくてもダンベルを下ろせるようになります。

 また、ベンチなどに当たって肩甲骨が動きにくい場合は、肘を外側に開いて行うとやりやすくなるはずです。ただし、肘を外に開くと肘が曲がり、大胸筋への刺激が増えます。背中を鍛えたい場合は注意してください。

ダンベルを使わないプルオーバーのやり方

 ダンベルを使用する以外にも、プルオーバーにはさまざまなバリエーションがあります。

バーベルプルオーバー

1.ベンチに背中を乗せ、両膝を曲げる。両手でバーベルを持ち、胸の前で保持する。
2.肘を伸ばし、バーベルを顔の前に持っていく。
3.バーベルを頭の後ろに下ろしてく。
4.限界まで下ろしたら、ゆっくりと姿勢を戻す。

 ダンベルよりも高重量を扱うため負荷も高まり、バーの長さによって不安定性も増します。初めは軽めの負荷から行ってみましょう。動作がしにくい場合、ショートバーベルやEZバーを活用してみてください。

スタンディングケーブルプルオーバー

1.ケーブルマシンの前に立つ。頭より高い位置にストレートバーまたはロープをつける。
2.肘を伸ばしてバーを握り、膝と股関節を軽く曲げ、胸を張る。背中付近がストレッチされていると感じるくらいの距離に立つと効果的。
3.背中を丸めないように胸を張ったまま、バーを太ももの前まで下ろしていく。
4.限界までバーを下ろしたら、ゆっくりと元の位置に戻る。

 ケーブルマシンを活用したプルオーバーです。大胸筋よりも広背筋を鍛える種目といえます。あまり重い重量を扱うことはできませんが、軽い負荷でも最後まで引ききるようにすると、かなり広背筋に刺激を感じることができるはずです。

縦方向の動きでいつもと異なる刺激を与えることができる

 プルオーバーは、重い重量は扱えないかもしれません。しかし、縦方向の動きにより、他のエクササイズでは得られない刺激を胸や背中に与えることができます。ぜひトレーニングメニューに取り入れてみてください。

[筆者プロフィール] 
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
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<Text:和田拓巳/ Photo:三河賢文>