フィットネス
2023年10月30日

ジョギングとランニング、どっちがダイエット効果ある?痩せる走り方をトレーナーが解説 (1/5)

運動不足で体重が増えてきたり、ボディラインが崩れてきたからジョギングを始めてみようと考えている方は多くいらっしゃると思います。「ダイエット効果ありすぎ!」という声もあれば、「痩せない!効果ない!」と嘆く声も。

実際、ジョギングにはどんなボディメイク効果があるのでしょうか。また、ランニングとの違いは。

パーソナルトレーナー藤本千晶さんが、ジョギングの効果と、カロリー消費を高める正しいフォームと走り方のポイントを解説していきます。

ジョギングで期待できる効果とは

ジョギングで期待できるのは、体力の向上や内臓脂肪量の低下です。健康的な体を作るためにとても効果的な運動と言えます。くわしく見ていきましょう。

体力の向上

ジョギングをすることで体力が向上し、疲れにくい体を作ることができます。

運動は「有酸素運動」と「無酸素運動」に分けることができます。有酸素運動は体内に取り込んだ酸素を利用しエネルギーを生み出す運動のことで、ジョギングは有酸素運動に分類されます。

酸素を取り込み全身に送り届けるのは、心臓や肺、血管など、いわゆる心肺機能です。有酸素運動をすることで心肺機能が鍛えられ、体力が向上、それにより日常生活で疲れにくくなると考えられます。

メタボリックシンドロームのリスク低下

 ジョギングを習慣にすることでメタボリックシンドロームになるリスクを低下させることができます。

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します(※1)。

内臓肥満がたまることでメタボリックシンドロームを発症しますが、ジョギングなどの運動は内臓脂肪を減少させることができるため、厚生労働省は定期的な運動を推奨しています(※2)。

※1 メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
※2 内臓脂肪減少のための運動(e-ヘルスネット)

ジョギングで引き締め効果が期待できる部位

ジョギングで引き締め効果が期待できる部位は「全身」です。下半身だけの運動と思われがちですが、全身の筋肉を使います。正しい姿勢を保つためには腹筋・背筋を使い続けなければいけませんし、腕をしっかりと振ることで胸や背中の筋肉を使います。

また、ジョギングの主なエネルギー源は「脂肪」。全身の脂肪を分解し、エネルギー源として利用します。運動習慣がない人にとってジョギングはとてもよい運動刺激になるため、スタイルアップにはとてもおすすめです。

ジョギングのダイエット効果とは

率直にいうと、短期的に体重を落とす視点で考えると、ジョギングはそれほどオススメというわけではありません。しかし長期的に体重管理をするためにはとてもオススメです。くわしく見ていきましょう。

ジョギングがダイエット運動として適切ではない理由

ジョギングはダイエット運動としてはあまり適切ではありません。なぜなら体重を落とす効果はあまり期待できないからです。

有酸素運動を行い、体重がどう変化したかを調査した研究があります。平均年齢58歳でBMI30.9と肥満の女性を集め、1年間、週5回、45分/回の有酸素運動を実施しました。その結果、体重は平均83.7kgから81.7kgになり、-2.0kgの減少でした(※3)。

たしかに体重は落ちました。しかし1年間、週5回、45分/回をかけた結果として-2.0kgはさみしい結果だと言わざるを得ません。

その他での調査でも似たような結果が多数出ており、体重は落とすものの、その程度は労力に対して十分ではありません。

ジョギングで消費できるカロリーはどのくらい?

ジョギングで消費できるカロリーは、体重と継続時間で変わります。たとえば、体重60kgの人が30分間、時速7km程度でジョギングした場合に消費するエネルギー量は220kcal程度。ご飯お茶碗一杯よりもやや少ない程度です(※4 7METsで計算)。

体重が重いほど消費するエネルギー量は大きくなりますが、大差はありません。

ジョギングダイエットで効果を出すためには

ジョギングでダイエット効果を狙うのであれば、長期的に継続して行うと効果的です。有酸素運動の消費エネルギー量は少ないとはいえ、継続することで体重をコントロールすることができます。

先ほど紹介した研究調査では、有酸素運動を1年間行った結果、「食習慣は特に変えず」-2.0kgの体重減少でした。逆に言えば、食事をとくに変えずとも、有酸素運動をすることで体重を落とすことは可能なのです。

そのため、長期的に健康作りをしながらダイエットを進める手段として、ジョギングは有効であると考えられます。

ジョギング、ランニング、ウォーキング、どれが一番ダイエット向け?

結論から言うとどれでもOKで、継続することがもっとも大切です。どんな有酸素運動でも短期間で顕著な効果は出ませんし、運動をやめてしまうと元の体の状態に戻ってしまいます。

もちろん、運動強度の高い種目を長時間行ったほうがダイエット効果は高いのですが、継続できなければ意味がありません。ですから、楽しく飽きないやり方で行っていくのであればなんでもOKです。それぞれの種目をミックスしてやってみてもいいでしょう。

※3 Effect of Diet and Exercise, Alone or Combined, on Weight and Body Composition in Overweight-to-Obese Postmenopausal Women

※4 厚生労働省 健康日本21(身体活動・運動)

そんなジョギングですが、ランニングとはどう違うのでしょうか。どちらも同じく「走る」行為ですが……。

ジョギングとランニングの違い

ランニングは走るすべてのことを指し、ジョギングはゆっくりと走る強度の低いランニングを指します。

ちなみに広辞苑第七版ではランニングを「走ること」と掲載しています。走る行為すべてをランニングと考えると、100m全力ダッシュはランニングの一種ですし、42.195km走るマラソンもランニングの一種と考えることができます。

対するジョギングは「ゆっくり走ること。健康増進やスポーツのトレーニングのために行う。緩走」という掲載です。つまり、ランニングの中でもゆっくりと走る強度の低い走りがジョギングであると言えるでしょう。

正しいジョギングのやり方

効果を出すためには、正しい方法でジョギングを行うことが大切。ここでは正しい走り方や適した速度について解説します。

基本の走り方 

まずは基本の走り方について。初心者が意識すべき3つのポイントを、MELOSの記事と動画からまとめていきます。

背中を伸ばす

 基本の姿勢として、前かがみにならず、背中を伸ばすことが重要です。

腕は前後にまっすぐ振る

 腕をしっかり振ることで、肩甲骨まわりも動き、上半身の運動になります。

足は真下に落とす

足は前に蹴り出すのではなく、真下に落とします。マラソン大会向けにタイム短縮、疲れにくく走るなどいろいろな手法がありますが、運動初心者はまず「元にあった場所(地面)に戻す」イメージで走ると良いでしょう。

こちらもおすすめ:【ジョギング・ランニング】プロが教える“走り方のコツ3カ条”

なお、ジョギング前にはウォーミングアップとして動的ストレッチを、ジョギング後には筋肉をほぐす静的ストレッチを行いましょう。ケガや故障の予防になります。

下記動画でも走る前後のストレッチを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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