
ジョギングのダイエット効果とやり方。週に何回走ればいい?本当に痩せるの?専門家がお答え! (3/5)
- 健康
- 2023年5月23日
ジョギングの頻度と時間
ここからは、気になるジョギングの疑問について。1回につき何分走れば良いのか、また週に何回走れば効果的なのでしょうか。
1回のジョギング時間はどれくらいがいい?
ある程度の効果を期待するのであれば、30分程度継続すると良いでしょう。
厚生労働省が出している成人を対象にした運動プログラムでは、1回30分程度の有酸素運動を行うことが推奨されており(※6)、その程度で十分に運動効果は出てくると考えられます。
30分間でもつらいという方は、走る速度や時間にこだわらず、楽しく気持ちよく行える程度の速度と時間で行うようにしましょう。
もっとも大切なのは、運動を楽しみ、継続すること。景色や風を感じながら気持ちよさを感じたり、徐々に体力が上がることを実感するなど、楽しみを見つければ継続できます。無理をせず楽しめる範囲で運動を行いましょう。
どれくらいの期間続ければ変化を感じられる?
2週間続けると、少しだけ体の変化を感じると思います。それを6週間や12週間積み重ねると大きな変化を感じるでしょう。
実際、三か月くらい続けると体が変わると言われており、有酸素運動の効果を調査した研究でも一か月以上の調査がほとんどです。
まずは1回だけでもOK
ちなみに、運動を1回行うだけでも、体はほんのちょっとだけ変わります。この変化を2週間ほど積み重ねると、「体力が上がってきた」「ちょっと体が引き締まってきた」と、わずかな変化を感じられるようになると思います。
そしてそれを積み重ねることで「なんか変わってきた」「前よりも走れるようになった」と、違いが出てくるようになるのです。
ですから、まずは1回30分程度のジョギングを週2回、それを2週間ほど続けてみましょう。そしてその変化を積み重ねていきましょう。
スキマ時間に短時間でも効果はある?
効果はやや落ちますが、スキマ時間に短時間の有酸素運動でも効果は期待できます。
心肺機能にしっかりと負荷をかけるためには、ある程度、長時間の有酸素運動を継続したほうが「効率的」です。しかし、短時間でも、日常生活動作より少し強めの運動を毎日行うことで、心肺機能に負荷を入れて強化をすることは可能です。
毎日の運動量が多いほうが体力は向上し、生活習慣病になる可能性なども低くなりますから、毎日の小さな積み重ねは健康的な体を作るために効果的であると考えられます。
※6 成人を対象にした運動プログラム(厚生労働省e-ヘルスネットの詳細リーフレットより)
ジョギングは筋肉を分解するってホント?
よくある誤解ですが、ジョギングなどの有酸素運動は筋トレ効果を減少させることはありますが、筋肉を分解し、減らすことはありません。
とくに体力がない人において筋肉量を減少させることはほとんどないどころか、増やすこともあり得ます。実際に、体力がない人が有酸素運動を継続して行った場合の筋肉量の変化を見てみましょう。
肥満で普段の運動量の少ない45〜62歳の男女52名をカロリー制限のみグループ、有酸素運動のみ行うグループ、両方行うグループの3グループに分け、16週間調査を行いました。
その結果、カロリー制限のみのグループは筋肉量が減少し、両方行ったグループは微減でした。しかし、有酸素運動のみを行ったグループには筋肉量の減少はありませんでした(※7)。
また、25〜40歳女性の肥満女性45名を10週間、軽度の有酸素運動・中度の有酸素運動・なにもしないグループと3グループに分けて体重や筋肉量などを調査した研究では有酸素運動をしたグループの筋肉量は増加し、何もしなかったグループは変わらなかったという結果になりました(※8)。
さきほど紹介した、週5回、45分/回の有酸素運動を行った研究においても筋肉量の減少は観察されませんでした。筋肉量が落ちた調査もありますが、それは体重の減少に伴うものの可能性が高いと考えられます(体重が減少すれば基本的に筋肉量も落ちます)。
有酸素運動と筋トレを並行して進めると筋トレ効果を落とすことはあります。しかし、体力がない人においては、有酸素運動が筋肉量を落とすことはないと考えられています。心配せずに行うと良いでしょう。
※7 Effects of Weight Loss on Lean Mass, Strength, Bone, and Aerobic Capacity
※8 Effects of Intensity of Aerobics on Body Composition and Blood Lipid Profile in Obese/Overweight Females
運動初心者がジョギングを行うときの注意点
ジョギングは下半身に対する負担が大きな運動です。ですから、足や膝などに違和感があるときは行わないようにしましょう。
ジョギングでは、1歩走るごとに体重の3倍以上の衝撃がかかります(※9)。そのため走りすぎたり、関節に痛みがあるときに行うとさらに痛みを増加させてしまう可能性があります。痛みがあるときは無理をせず、整形外科で診察をを受けて、しっかりと治療しましょう。