社労士に聞いた「五月病になりやすい人」の特徴。4月から予防・対策しておくのが“吉” (2/2)
完璧主義
完璧を求める傾向が強く、その期待に添えないとストレスを感じやすいタイプ
マイナス思考
ネガティブな考え方が前に出ており、マイナスの出来事に過剰に反応するタイプ
ストレス耐性が低い
ストレスに対する耐性が低く、コントロールケアが苦手で、小さな問題やプレッシャーでも大きく感じるタイプ
精神的・肉体的な疲れを感じやすい
働きすぎや負荷の高い生活スタイルを送っており、身体的・精神的な疲労が蓄積しやすいタイプ
とはいえ、こうした性格だけでなく、生活状況やストレスへの対処能力、職場環境なども大きく関係していることを忘れないようにしましょう。
五月病になるかもしれない「前兆」とは。よく眠れない、食欲の変化、イライラ、不定愁訴など
なんとかして五月病を避けたい人は、その「予兆」が出てきた時点でセルフケアをしておきましょう。以下の変化に注目です。
睡眠障害
新しい環境への適応が難しくなる前兆として、睡眠障害が現れることがあります。寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。
食欲の変化
新しい環境に対する不安やストレスから、食欲が低下したり、過食気味になったりすることがあります。
食事に興味がなくなることも前兆のひとつです。
不安やイライラが増えた
春のタイミングで、不安やイライラが増えたと感じる場合、五月病の前兆と言えます。
集中力の低下
新しい環境に適応するためのストレスや不安によって、集中力が低下することがあります。以前はできていた仕事ができなくなってきた、学業に身が入らないなどは要注意です。
身体的な不調が増えた
頭痛やめまい、胃痛、肩こり、咳、喉の詰まりなど、身体的な症状が現れることがあります。また、疲れやすいというのもチェック事項のひとつです。
五月病の抜け出し方。連休前から心掛けておくことで予防にも
五月病対策としてもっとも有効な方法は、ストレスと疲れを蓄積させず、定期的に解消すること。そのための回復方法として、以下のものがあります。
睡眠を十分に取る
睡眠不足は心身のパフォーマンスを低下させます。一般的には成人で7時間前後の睡眠が必要とされていますが(※)、年齢や状態によって異なります。
スッキリ起きることができる自分に適切な睡眠時間を探り、それを確保しましょう。
(※)健康づくりのための睡眠ガイド 2023 - 厚生労働省
栄養バランスのよい食生活を心掛ける
栄養バランスの良い食事は心身の健康に役立ちます。脳の機能に影響し、気分やストレスへの対処能力を向上させます。
また、血糖値の安定化によって気分の波を抑え、精神的な不調を軽減します。
適度な運動を取り入れる
適度な運動はストレス解消やリフレッシュに効果的です。体を動かすと交感神経が活発化し、β-エンドルフィンやドーパミン、セロトニンといったホルモン分泌が盛んになり、心にも良い影響を及ぼします。
運動をした疲れによってよく眠れますし、食欲の正常化にもつながります。
自分に合ったストレス発散法を取り入れる
マインドフルネスや瞑想、ヨガなどは、ストレスを軽減し、心身のリフレッシュを図るツールとして科学的にも有効です
とはいえ、ストレス解消は個人差が大きいもの。自分が「楽しい」と思えることを普段からリストアップしておき、ストレスが溜まったらその中から好きなものを実行するとよいでしょう。
編集部のストレス発散リスト実例
ストレスレベル1
- コンビニで好きなお菓子を買う
- SNSで交流する
- お風呂にゆっくり浸かる
ストレスレベル2
- Amazonで好きなアイテムを買う(3000円以内)
- 怖い話を読む
- 筋トレをする
ストレスレベル3
- 漫画をひたすら読む
- 寝る
- 定時帰宅する
- 髪を切る など
仕事や学業のやり方を調整する
ずっと溜まっているタスクは片づけておきましょう。やる気は行動を起こすことで湧いてくるので、そのタスクのなかでもっとも簡単にできる第一歩に手を付けることが重要です。
仕事量が多いなら、業務量の調整を相談する、役割を割り振るといったことも連休後の心を軽くします。
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休日にメールやチャットを見るか、見ないか
中には、オンオフの切り替えがハッキリしすぎて連休明けのブルーマンデーに陥るパターンもあります。また、GWなど大型連休の場合、メールや仕事が溜まっていき、連休明けの五月病のトリガーになることも。
そうした場合は、休日も1日1回だけメールチェックを行うなど、負荷を分散させるという手もあります。
逆に、休暇中は一切仕事のことを考えないほうがリフレッシュできるという人もいます。どちらが自分に合っているかで対策を変えるとよいでしょう。
病院に行ったほうがいい目安は「症状が2週間以上続き、生活に支障をきたしている」
五月病の症状により、2週間以上、日常生活に支障をきたしている場合は、心理カウンセリングや精神科医の診察を受けることを検討してください。
回答者プロフィール
社会保険労務士法人レクシード 代表 鈴木教大
社会保険労務士法人レクシード代表。沖縄から北海道まで数百社にのぼる顧問企業の支援実績から、労使トラブル対応など、特定社会保険労務士として現実的な解決策提示・予防措置提案を行うエキスパートとして定評があり、企業の労務を“予防”という視点からサポートすることに力を入れている。
公式サイト https://www.rexseed.jp/
<Edit:編集部>