8時間ダイエットって効果あるの?痩せる仕組みとやり方 (1/2)
ダイエット方法が多様化する中、最近注目を集めている「8時間ダイエット」。どのようなメカニズムで痩せるのかが気になるところです。本記事では、8時間ダイエットの基本的な仕組みとやり方を、栄養面やストレッチ・エクササイズにも詳しい柔道整復師・岡野夏樹さんが解説していきます。
8時間ダイエットとは
8時間ダイエットは、食事を特定の時間に制限する食事療法「時間制限食(TRE)」の一形態で、体づくりやダイエットに関心がある人々のあいだで注目を集めています。
このダイエット方法では、一日のうちで食事を摂る時間を8時間に制限し、その他の16時間は断食状態を維持します。
ファスティングとの違いは「制限時間の短さ」
ファスティングとは、食事を摂らない「断食」を意味します。目的は、体内の代謝を促進させて、体重減少や腸内環境の改善、健康効果を得ること。
8時間ダイエットもファスティング(断食)のつですが、ファスティングと比べると食事制限時間が短く、日常生活に取り入れやすい特徴があります。
8時間ダイエットで期待できる効果
それでは、8時間ダイエットによって痩せるメカニズムと具体的な効果について詳しく見ていきましょう。
体重の減量
8時間ダイエットを実践することで、「エモーショナルイーティング」と呼ばれる、ストレスによる無意識下での食べ過ぎを抑え、摂取カロリーを減らすことにつながります。
オートファジーの活性化(代謝改善)
空腹状態を16時間続けると、「オートファジー」と呼ばれる細胞の浄化プロセスが活性化され、脂肪燃焼が促進されます。
オートファジーは、細胞内の老廃物や不要な部分を分解・排出するプロセスのことで、「自食作用」とも言います。(参考:文部科学省_平成29年度科学技術白書)
なお、オートファジーには次のような効果が期待できます。
- 細胞の再生促進
- 炎症の軽減
仕事や家事のパフォーマンス向上
食事制限によって血糖値が安定し、エネルギーの波が抑えられるため、集中力が維持され仕事や家事のパフォーマンスが向上する可能性があります。
昼食の後に、我慢できないほどの眠気に襲われた経験はないでしょうか?
食事を摂取すると、食べ物から得た糖や栄養素が血液中に吸収されます。その際に膵臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げる働きをしますが、この時の血糖値の上がり下がりが激しいときに脳のブドウ糖が不足し、猛烈な眠気が襲ってくるのです。
International Journal of Endocrinology誌(2022年)によると、8時間ダイエットのような一時的な断食を行うことで、インスリン抵抗性(インスリンの効き具合)の低下を改善するのに有効と言われています。
インスリンの分泌が正常に作用するということは、つまり、血糖値の急激な上がり下がりによる眠気の誘発を抑えてくれるということです。
消化機能の回復
頻繁に一定量以上の食事が行われていると、消化器官は常に活動しています。8時間ダイエットのような長時間の断食を行うことで、消化器官に休息する時間が与えられ、腸内環境がクリーンアップされます。
そして、有害な細菌や老廃物が排除されることで、新たに取り入れられる栄養の吸収効率を向上させる働きも期待できます。
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