インタビュー
ウェルネスフード
2017年8月31日

家庭が平穏ということがすごく幸せ。バスケットボール五十嵐圭の妻・本田朋子<後編>【アスリートの妻が教えるとっておきレシピ #3】

 スポーツ選手を夫に持つアスリートの妻(アス妻)。ご自身も著名人として活躍されている注目のアス妻たちにご登場いただき、食事作りや勝負メシ、さらには日々の暮らしのことなどをお訊きします。

《前編はこちら》
・コンディションに合わせた食事作りがモットー。バスケットボール五十嵐圭の妻・本田朋子<前編>

 新潟でのアスリートの妻としての暮らしと、フリーアナウンサーとしてキャリアを重ねる2つの顔を自然体でこなす本田朋子さん。インタビュー後編では、結婚当初の決意や結婚後に取得した資格のこと、家庭とお仕事のバランス、この先の夢などについて伺いました。

人生賭けた競技に自分も一緒に挑む覚悟で

--旦那さまと結婚されるとき、アスリートの妻になるっていう覚悟や決意、逆に不安とかはありましたか?

 私は長年アスリートを取材する側だったので、アスリートの方々がいかに人生を賭けてその競技に挑んでるかっていうのを見てきました。なので、妻になるっていうことはその人と人生をともにするっていうことですし、人生を賭けた競技に自分も一緒に挑むぐらいの覚悟がないといけないんだろうなっていう気持ちはありましたね。不安はまったくなかったですけど、結婚して名古屋に移る時点で私は必然的に会社を辞めなければいけなかったので、家庭ファーストでいこうというふうには決めました。

--ご結婚を機に会社(フジテレビ)を辞めてフリーのアナウンサーになられたわけですが、仕事を続けるということは本田さんの中で自然な流れだった? 

 そうですね。まったくやらないっていう選択肢はないし、主人も自分の好きなことをやってて欲しいっていうタイプだったので。とは言っても、そんなに忙しくなってしまうと私も不器用なのでやっぱり仕事と家庭の両立は難しいなと思いますので、家庭に支障がない程度でお仕事を続けさせてもらえればなとは思っています。

▲夫の五十嵐圭選手と(写真:本人提供)

--ご結婚後にアスリートフードマイスターの資格をとられていますね。

 アスリートの主人と結婚するにあたって、自分も知識がないまま先入観を持った状態で口だしをしてしまうと間違った方向に行きかねないし、説得力もないのでちゃんと根拠を知りたいと思ったんですね。根拠を知った上でどんな食生活がいいのか勉強してみたいという自分の勉強欲も湧いてきて、アスリートフードマイスターに挑戦しようと思いました。そしたら意外と理系の勉強で、最初はちょっと挫折しそうになりました(笑)。

--勉強したことは役立っていますか?

 料理を作って主人に、「この栄養素はこういうことにいいんだよ」ってきちんと説明できるようになって、主人も素直に聞いてくれるようになりましたね。また、メニュー構成もシンプルに考えられるようになったので、自分にとっても主人にとってもとてもよかったなと思います。

自分が作る栄養バランスのいい食事で自分自身も健康に

--仕事を持つ主婦として、仕事に出るときにしていることや工夫などありますか?

 今いちばん大変だなって思うのが、私が2、3日家を空けるってなったときに、主人に作り置きのごはんを作っておくんですが、3日分って意外と大変なんですよね。作りおきの副菜もありますけど、飽きないように主菜はガラッと変えたりとか、時間が経っても美味しく食べられるものっていうのを考えるのがけっこうツライというか。でもやっぱり主人の体調のことを考えたり、外食する煩わしさを取り除いてあげられると思うと、まあ、仕事の前日はくいしばってがんばらなきゃって思って。

 すっごく時間がかかって大変ですけど、好きな仕事をさせてもらってるし、私もそれを作らずに出て行ってしまったら心もとなくて、申し訳ない気持ちで仕事にも集中できないと思います。外食したって聞くと「何食べたの?」って心配になるし、野菜が足りなかったりすると罪悪感が生まれたりするので、結果的に自分が何時間かがんばって作り置きをたくさん作っていった方が精神衛生上もいい。大変だけど、やりがいがあることではありますね。

--アスリートの妻として旦那さまのサポートをし、仕事もしてお家のこともする。自分の健康管理などは後回しになってしまったりすることはないですか? 自身の健康法は?

 逆に私は、主人に食事を作るようになってから自分の体調が良くなりました。やっぱり栄養バランスを考えた料理を作って、同じものを主人と一緒に食べてるので、バランスのいい食事になって。

 局アナ時代は社員食堂でカツ丼だけ、カレーライスだけとか、炭水化物とたんぱく質しか摂ってなかったような生活だったんです。でも今は副菜も何品か作っているし、肉も魚も食べている毎日なのでなんかすごく肌の調子も良くなったし、体調も良くなって。自分の身をもって改めて食べることって大切なんだなって思いました。自分1人のときは大豆とかもそんなに食べてなかったし、きのことかも意識してなかったし。やっぱり食は大事で、自分の細胞を作っていくんだなって思いました。

--アスリートの妻としての経験から、スポーツをする家族を持つご家庭に常備したほうがいい食材や食へのアドバイスはありますか?

 私が欠かさず使ってるのが、サプリ米です。カルシウムとビタミンを補えるものとか、葉酸とビタミンを補えるものとか何種類かあるんですけど、私は葉酸とビタミン・鉄分が補えるものを使っています。お米に混ぜて炊くだけの手軽さで簡単にビタミン補給ができるので、成長期のお子さんだったらカルシウムが補給できるサプリ米、女性やビタミンが必要なアスリートならビタミン・鉄分のサプリ米とかがいいと思いますよ。スーパーのお米売り場で売ってます(笑)。

▲ご夫妻の愛犬・ナナさん(写真:本人提供)

幸福感をジワジワ感じる新潟での平穏な家庭生活

--新潟にいるときは朝昼晩と作ってお家で食べられて、夜も早く寝るような規則正しい生活ですか?

 基本的にはそうですね。でも新潟のチームはお昼からの練習なので、ギリギリまで主人は寝てるんですよ。10時過ぎまで寝ているので、ブランチみたいな感じでお昼は必ず麺類を食べて行きます。

--お昼は必ず麺なんですか?

 はい、消化がいいからとリクエストされまして。うどん、そば、パスタにしたりとか、その日によって違うんですけど、アレンジレシピを考えるのがちょっと大変で。夏だったらサラダうどんにしてみたりとか、タンタン麺風にしてみたりとか。

--新潟に来て家庭もお仕事もよりバランス良くなったそうですが、最後に、これから先、こうしたい、こうありたいというような目標や夢はありますか?

 そうですね、そんなに大きな目標っていうのはなくて、逆に今の生活が自分が独身時代に夢見ていた、ほんっとに穏やかな生活なんですね。物欲とかもなくなってきたし、ほんとに家庭が平穏っていうことがすごく幸せで。主人にもこれからも長くアスリートとしてやってもらいたいですし、アスリートの現役が終わった後もこういう平穏な変わらない関係でいたいなっていうのが夢ですね。

 移籍とかも大変でしたけど、名古屋に行って、新潟に来てって。東京を離れるのもすごく寂しくはありましたし。慣れない土地で、買い物する場所も少ないしとか最初はいろいろありましたが、でも、本当にこの穏やかな環境で穏やかな心持ちでいられるっていう、その幸福感みたいなのをすごく今ジワジワ感じてきています。

 いろんな土地の美味しいものにもいっぱい出会えるし、いろんな人にもたくさん出会えて、名古屋で知り合った友だちもちょくちょく新潟まで遊びにきてくれたりとかしてくれるんですよ。主人との生活は、自分のココロも養ってくれてるなって思います。

 大変なこともありますけど、アスリートの妻として普通ではできない経験もさせてもらってるなって思います。

《前編はこちら》
・コンディションに合わせた食事作りがモットー。バスケットボール五十嵐圭の妻・本田朋子<前編>

[プロフィール]
本田朋子(ほんだ・ともこ)
フリーアナウンサー。1983年生まれ。愛媛県出身。立教大学卒業、2006年フジテレビ入社。「すぽると!」(土曜日)、「ペケ×ポン」などの人気番組を担当し、2013年9月フジテレビ退社。趣味はスポーツ観戦で、アスリートフードマイスターの資格を持つ。夫はバスケットボール選手の五十嵐圭(B.LEAGUE 新潟アルビレックスBB所属)

<Text:京澤洋子(アート・サプライ)/Photo:斉藤美春>