フィットネス
ヘルス&メンタル
2018年8月21日

1日中走り続けるとどうなる?「24時間リレーマラソン神戸大会」に参加して分かった、心身の変化とは (1/2)

 マラソンといっても距離はさまざま。ハーフマラソンからフルマラソン、さらには100kmに代表されるウルトラマラソンまであります。では、“24時間マラソン”をご存知でしょうか? よくチーム制のリレーマラソンが開催されているので、耳にしたことのある方は多いかもしれません。しかし、これを1人で走るとしたら……どんな世界が待っているのでしょう。

 今回私は「24時間を走り続けるとどうなるか」を体験すべく、兵庫県神戸市で開催された「24時間リレーマラソン神戸大会」に参加してきました。これまで数多くのマラソン大会に出場してきましたが、24時間マラソンは初めてです。まさに人柱的な企画ですが、読者の皆さまにも新たな世界が拓けるかもしれません。ぜひご覧ください。

「24時間マラソン」とは?

 24時間マラソンとは、その名の通り24時間を走り続ける耐久レースです。大会によって異なりますが、基本的には1.5km前後の周回コースをぐるぐる回り、「24時間で何周(=何km)走れたか」を競います。今回参加した「24時間リレーマラソン神戸大会」は周回1.7kmのコース。大会名からお分かりの通り、多くは複数名チームでのリレー参加です。しかし個人の部門でも100名を超える参加者が集まり、どれだけ世の中に変態ランナー(笑)が多いのかを痛感しました。

 ゼッケンに計測チップが付いていたので、周回数を自分でカウントする必要はありません。とにかく、ただひたすら24時間後まで走り続けます。

 正直にいえば同じ場所をぐるぐる走るのが苦手なのですが、いい精神修行になりそうな予感です。それでは、さっそく時間経過とともに感じたこと、身体的・精神的変化などをご紹介していきましょう。

テントを拠点にぐるぐる回る

 大会では周回ごとに給水所で補給できますが、24時間となればそれだけでは足りません。そのため、テントを立てて拠点を作りました。補給食や水分だけでなく、着替えやタオルなども用意。特に今回は34度を超える炎天下だったため、コールドスプレーなど暑さ対策も欠かせませんでした。ちょうどスタート&ゴール付近、トイレも近い場所にテントを設営し、必要に応じて休憩やケアなどに駆け込みます。

 周回ごとに休めることもあり、ランナーは走る時間に反して軽装です。私も走っている際はできるだけ身軽でいたいと考え、小さめのポーチに電解質やアミノ酸系のサプリを少しだけ入れておきました。サプリも使い切れば、テントに戻って補充できます。

 走っては折り返し、再びスタート地点に戻ってくる。24時間マラソンでは、この繰り返しです。しかし暑さでそれどころではなかったためか、予想よりコースをぐるぐる回ることに“飽き”は感じませんでした。むしろ何かあっても1.7kmごとに休めることは、精神的に楽な面が大きいかもしれません。

 いつ休憩しても、走らず歩いても自分次第です。中にはずっと走りを止めない人もいましたが、私は2時間ごとに“ご褒美タイム”を設定。2時間経ったらコース近くのコンビニで炭酸水などを購入し、飲みながら1周歩く。いったん身体を休ませてあげるとともに、短期的な目標ができると考えての対応です。おかげで、テントにはどんどんペットボトルが溜まっていきます……。

 ちなみに応援こそありませんが、周回という特性上、常に他ランナーとすれ違ったり追い抜いたり(抜かれたり)することができます。私も何名か知人が参加していたので、声を掛けながら走りました。1人で黙々と走ることが好きな方以外は、ぜひ知り合いを誘って参加するとよいでしょう。

リレー部門の盛り上がりに便乗

 大会中は、リレー部門と個人部門が一緒になって走ります。参加した大会では24時間のほかに6時間の部もあり、かなり大勢で走りました。

 リレー部門は複数名で入れ替わりながらタスキを繋ぐので、当然ながらスピードが違います。同時に、タスキの受け渡しなど応援の声が響き渡り、最後まで非常に元気いっぱいです。この雰囲気は羨ましく感じると同時に、私まで元気をもらえるかのようでした。

テントの中の様子は

 テントの中からは、仲間同士での楽しげな会話や笑い声が聞こえます。中には、その場でそうめんを作って食べたり、他ランナーにも水鉄砲で水を掛けてくれる方まで。ちなみに本大会、カセットコンロのみ火器の使用が認められていました。

 たとえ知り合いでなくとも、孤独に走るのと周囲に人がたくさんいるのとでは、やはり気分が違います。この雰囲気に便乗できたことは、24時間を走り続けるうえでとても大きかったと思います。たまに辛いときは、チームメンバーに送られる声援を「自分への応援だ」と勝手に妄想して走らせてもらいました。

訪れるオーバーナイトラン

 そして訪れる夜……。24時間マラソンで避けられない“オーバーナイトラン”が訪れます。日が沈むと涼しく走りやすいものの、すでに何時間も走って疲労困憊。まして高温の中を走り続けたため、体力消費は想像以上でした。

 暗くなるとスピード感覚が日中と違ってくるようです。同じように走っているはずなのに、実際はペースが落ちているなんていうことも。足元や周囲が見えにくくなるため、同じコースが走りにくく感じました。

1 2