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スケート、ダンス、サッカー。“何かのために”ではなく純粋に楽しむ、だから続く。スピードスケート髙木美帆(前編)【子どもの頃こんな習い事してました #1】

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 スポーツ界の第一線で活躍するアスリートに、幼少期の習い事について訊く新連載。自身の経験を振り返っていただき、当時の習い事がどのように競技に活かされているか、今の自分にどう影響しているかを伺います。

 第1回は、中学3年生でバンクーバー五輪に出場して以来、数々のすばらしい記録を樹立してきたスピードスケートの髙木美帆選手。3人兄妹の末っ子で、兄、姉の影響で幼いころからスケートだけでなくさまざまなスポーツに取り組んできました。

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兄、姉の背中を追っていた幼少時代

――スケートは、幼稚園の頃、5歳のときから始めたそうですね。

はい。はじめは兄が地元、北海道・帯広のクラブチームに入団していて、その影響で姉とほぼ同時期に入団しました(編集部註:4歳年上の兄・大輔さん、2歳上の姉・菜那さん、菜那さんも現役スケート選手)。私が生まれ育った十勝地区はスケートが盛んな地域で、小学生は学校でもスピードスケートを習うんです。だから特に珍しい習い事というわけではありませんでした。

――他にはどんな習い事をしていましたか。

幼稚園から小学校低学年までは水泳を習っていました。小学1年生の終わりごろからはヒップホップダンス。これも兄と姉が先に習っていた影響です。一番長く続けた習い事で、高校3年生まで本格的にスタジオに通っていました。

小学2年生からはサッカー。これも姉が先に少年団に入っていたんですが、私はボールを扱うのは器用ではなかったので、なじむのに時間がかかりましたね。

――中学校では男子に混じってフォワードで活躍、ナショナルトレセンU-15の合宿にも参加し、「なでしこジャパン」候補とも報じられていました。

うーん、たぶんサッカーが上手いというよりは足が速かったんだと思います。小学3年か4年生のときには陸上少年団にも入っていました。ただ、「自分からやりたい」と思って始めたのは、ダンスだけだったと思います。

――スケートはどうでしたか。楽しんではいなかった?

幼い頃は特に楽しいとは思わなかったですね。同級生のなかでは速いほうで、大会に出て記録を更新していく楽しさはあったんですけど、「どうしてもスケートがしたい!」というほどではなかった。「中学生になったらやめる」とも言っていましたし。大会に行って各地から集まってくる同世代の選手たちに会えるのがうれしくて続いていたようなものでした。

スケートを選んだのは「どうすれば強くなれるか」を考えられたから

――スケートにやりがいを見出したのはいつぐらいですか。

小学校高学年くらいかな。自分で考えて滑る、考えて取り組むという方向に変わってきたときに、スケートの楽しさが感じられるようになった記憶があります。

――小学6年生のときに陸上の全道大会800メートルで2分24秒66の好記録を出すなど陸上でもよい成績を出していましたし、ダンスも大好き、サッカーでは将来が期待され、どの道に進もうか迷うことはありませんでしたか。

陸上は正直なところあまり好きではなかったんです。ダンスは私にとって楽しむもの。続けていくにしても趣味としてだろうなということは、高校に上がる前から思っていました。

――サッカーでオリンピックを目指そうとは?

まったく考えられなかったですね。中学からスケートで世界ジュニア選手権に出るようになり(2009年2月の世界ジュニア選手権で総合4位を獲得。同月、ジュニアワールドカップ500m、1000mで優勝)、私はスケートでいくのかな、と。先を見通す能力がサッカーよりもスケートのほうがあったし、どうすればこのスポーツで強くなれるかという思考回路もスケートのほうが発達してたんです。だから迷わず「スケートだろうな」と。悩みはしなかったです。

――中学3年生のときに、日本スピードスケート史上最年少でバンクーバー五輪代表に選ばれました。

選ばれると思っていなかったんです。オリンピックに出ることの意味もそこまでわかってなかったかもしれないですね。「シニアの遠征ってこんな感じなんだあ」という感じ。初めてお会いする先輩選手もたくさんいたけれど、年上の中で臆することなく、かわいがってもらいながら過ごしました。小さいころから大人の話に首をつっこみたがる子どもだったんですよ。幼稚園でも小学校でも先生とよく話していたので、そういう性格に助けられたかもしれないです。

――勉強系の習いごとは?

通信教育の「進研ゼミ」を兄妹でいちばんまじめにしていました。親は「勉強しなさい」とは言わなかったな。成績は割と上位のほうにはいたんです。

――それだけスポーツに励んでいて、勉強する時間はほとんどなかったのではないかと思いますが。

小学生の頃は、夏はサッカーの練習が大会のある時期だと週5。冬はスケートの練習が4年生までは毎日、5年生に上がってチームが変わってからは月・水・土。合間に陸上の大会があったら出るというようなスケジュール。ダンスは小・中学生の頃は週1、高校に入ってからは週2。スケートの練習が終わってから行っていました。

高校が10キロ離れたところにあって自転車で通っていたんです。ダンスの教室はその中間くらいのところにありました。冬は自転車で行けないので親に送り迎えをしてもらっていたんですけど、夏は雨が降った日以外は、親はほとんど送り迎えはしなかったですね。中学の頃から。

やりたいからやってるだけ。だからハードスケジュールも苦にならない

――それだけハードなスケジュールで勉強もできたのは、スポーツで集中力が養われたおかげでしょうか。

どうでしょうか。決してまじめな生徒ではなかったですけど、確かに、集中するところは決めていました。「ここはテストに出るな」というところはしっかり聞く。そういう悪知恵は働いていましたね(笑)。

――集中力以外にも筋肉を総合的に鍛えられるなど、さまざまなスポーツを平行して行うことのメリットは大きいと思います。特にダンスをしていたことで、スピードスケートに大切な股関節周りの筋肉が鍛えられたというお話もあるようですが。

自分ではそんなことを考えて踊っていたわけではないんです! 振り返ってよかったと思うのは、どのスポーツも「何かのためにやっている」という感覚がなかったこと。結果的には、サッカーもダンスもスケートに活きて、パッと見、スケートのためにがんばっていたように思われることがあるんですが、私としては純粋にやりたくてやって、がんばりたくてがんばっていたんです。だから練習や大会のためにあちらこちらに行っても苦にはならなかったんだと思います。

特にダンスは、レッスン日は「やった、ダンスだー!」という気持ち。高校に上がってからはそれまで以上にダンスの楽しさに惹かれていました。友だちもスケートと平行して同じダンス教室に通っていたので、ふたりで一緒に行っていたのもいい思い出です。

――他にダンスで思い出深いできごとはありますか。

やはり発表会ですね。ステージに立つとテンションが上がってきて、スケートのレースとは違う緊張があって楽しかった。どうすれば思いを表現できるかを考えて、できないところは何回も試して、純粋に体を動かすことがおもしろい。今でもたまにダンスのレッスンに行くことがあります。

――本当にダンスがお好きなんですね。

東京に住んでいたときも単発クラスのレッスンを受けたことがあります。今は帯広が拠点なので、ずっと通っていた教室にたまに行っています。スケートの練習があるので月1回も行けていないのですが、先日、無性に踊りたくなって「今週は絶対に行く!」と決めて、そのために予定を組んで。たまたま一番最後に出た発表会と同じ曲のレッスンだったので、うろ覚えながら一緒に踊ってきました。私がやってきたスポーツのなかでダンスは唯一表現するスポーツなので、もっと深く追究すればよかったなと思うことがあります。

⇒後編に続く
「勝ち負けに関しては何も言わない」。天才少女を生み出した両親の“子どもの伸ばし方”。スピードスケート髙木美帆(後編)【子どもの頃こんな習い事してました #1】

[プロフィール]
髙木美帆(たかぎ・みほ)
1994年生まれ、北海道幕別町出身。日本体育大学氷上スポーツ研究室助手。2010年、中学3年のときにバンクーバー五輪に出場。2012年、W杯ソルトレークシティ大会1000mで世界ジュニア新記録を樹立。同年、冬季ユニバーシアード1000mで金メダルを獲得。2015年の世界距離別スピードスケート選手権団体パシュートで日本初の金メダルをもたらす。2017年、オールラウンダーの世界一決定戦である世界選手権で総合3位、W杯の団体パシュートで優勝

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<Text:安楽由紀子+アート・サプライ/Photo:小島マサヒロ、Getty Images>

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