インタビュー
2017年8月23日

「勝ち負けに関しては何も言わない」。天才少女を生み出した両親の“子どもの伸ばし方”。スピードスケート髙木美帆(後編)│子どもの頃こんな習い事してました #1 (3/3)

我が子にすすめるならダンス。スケートは口出ししてしまいそうだから

――将来、自分が母親になったら、子どもにどんな習い事をさせたいですか。

なんだろう、難しいですね。スケートは絶対にすすめません! 本人が「どうしてもやりたい」と言わない限り……。たぶん私の子どもだとスケートしたいと言いそうですが(笑)、そうでない限り絶対にさせないです。本人にその気がないのに親のエゴでさせられるほど楽なスポーツじゃない。それはどのスポーツも同じだと思いますが。

それに、きっとあれこれ口を出しちゃうと思うんです。自分が本気でやってきたものだから中途半端だったら許せない。だから、私がまったく経験のないスポーツか、もしくはダンスだったら一緒にがんばれそう。ダンスはすすめるんじゃないかな。

――最後に、2018年の平昌(ピョンチャン)五輪に向けての意気込みを教えてください。

まず、代表選手に選ばれることが最重要条件。年末に決まるのですが、直前までなにがあるのかわかりませんから。選ばれることができたら、この3年間で力を入れてきた団体パシュートで金メダルをとりたい。個人種目でも昨シーズンは上位に食い込むことができたので、平昌の本舞台で上位の人と互角に戦って楽しめるレベルまで行きたいと思っています。

オリンピックはあの場にいるだけでとても楽しい。他種目を観戦して、勝った選手が喜ぶ姿を見るだけでも気持ちが高ぶります。それがオリンピックの怖いところでもあるんです。バンクーバー五輪(2010年)のときにいかに平常心を保つかが大事だと感じました。今はただひたすらに、目標に向かって行うべきことを行うしかないと思っています。

[プロフィール]
髙木美帆(たかぎ・みほ)
1994年生まれ、北海道幕別町出身。日本体育大学氷上スポーツ研究室助手。2010年、中学3年のときにバンクーバー五輪に出場。2012年、W杯ソルトレークシティ大会1000mで世界ジュニア新記録を樹立。同年、冬季ユニバーシアード1000mで金メダルを獲得。2015年の世界距離別スピードスケート選手権団体パシュートで日本初の金メダルをもたらす。2017年、オールラウンダーの世界一決定戦である世界選手権で総合3位、W杯の団体パシュートで優勝。18年平昌五輪女子団体追い抜きで金メダル、女子1500メートルでは銀メダルを獲得。

<Text:安楽由紀子+アート・サプライ/Photo:小島マサヒロ、Getty Images>

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