インタビュー
2018年1月24日

世界唯一のプロフットバッグプレイヤー石田太志が語るマイナースポーツの楽しさと寂しさ (3/3)

 テレビに取り上げていただいたり、すんなりイベント出演ができるようになったり、ギャラの単価がアップしたり、応援してくれる人が増えていったりとうれしいことが多かった反面、それまでスポンサー探しやイベント出演交渉でとても苦労してきたので、「やっぱり肩書きって大事なんだなぁ……」と少し寂しい気持ちにもなりました(笑)。

 ですが、マイナースポーツの認知度を広めていくことって本当に地道な活動でしかないんです。どうすればもっと認知されるのかな、と考えているとメンタルがどんどん削られていく時もやっぱりあります。でも、やっぱりプレイは楽しいし、イベントを見て「感動しました!」なんて声をいただくと素直にうれしい。

 フットバッグを「なんか聞いたことがある」「なんか見たことがある」という、「なんか」を増やしていくことがとても重要だと感じています。だから、世界一になれて、露出が増えていったことは僕にとってとても大事なターニングポイントになりました。

フットバッグのこれからとは?

 今後は他のストリートスポーツとイベントを開催したいですね。日本のストリートスポーツのひとつのジャンルとして確立したいです。もともとはリハビリの一環として始まったスポーツでもあるので、健康を考えるお年寄りや運動不足な子どもたちへのアプローチも考えたいですね。また、フットバッグに興味を持ってくれた人が入りやすいスクールの強化や、フットバッグのボールを容易に手に入る環境を作るために自分で生産から販売まで行っています。

 今、日本には100人から200人程度のフットバッグ人口がいるんですが、アクティブユーザーが少ないのが課題なんです。プレイしながら、さまざまな場所でのフットバッグのコミュニティを増やすことを目標にしています。

 一過性のブームにはならなくていいと思っていますが、将来は子どもたちが近所の公園でフットバッグをしている姿を見れるようになることが一番の目標です!

[プロフィール]
石田太志(いしだ・たいし)
世界で唯一のプロフットバッグプレイヤーとして、2011年から活動を開始。その後2014年にはじめてアジア人初の世界チャンピオンに。その後も世界大会では上位の成績をキープ。2017年には日本大会で全4種目優勝を果たす。現在はテレビを始めとするメディアへの出演、フットバッグのスクールの運営、講演会、フットバッグボールの企画・生産・販売を行うなど、日本のフットバッグの第一人者として、精力的に活動を行う。

<Text & Photo:高橋優璃>

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