体力をつける方法をトレーナーが指南!「筋トレ」と「有酸素運動」どっちが体力づくりに効果的?おすすめのトレーニングとは
少し動いただけで疲れやすくなった、もっと体力をつけたいけれど、何からやればいいのかわからない。
体力をつけることは、日常動作を快適にするだけでなく、健康維持やストレス対策にも大きなメリットがあります。しかし、「筋トレ」と「有酸素運動」、どちらが体力づくりに適しているのか悩む方も多いのではないでしょうか。
森永製菓〈inトレーニングラボ〉のトレーナー・淺井利彰さんのアドバイスをもとに、体力づくりに最適なトレーニング方法について、一問一答形式でお届けします。
Q1. 体力をつけたいと思い、運動をする場合、筋トレと有酸素運動どちらを選択するとよいでしょうか。併用するとさらに効果的でしょうか。
淺井さん:
筋トレと有酸素運動は、どちらも実施することがおすすめです。併用することでより効率的に体を動かすために必要な機能を高めることができるようになります。
筋トレは筋力をつけることによって、基礎代謝を上げることにつながります。基礎代謝が上がると、摂取した栄養をエネルギーとして効率よく使用することができるほか、体温を上昇させ血のめぐりをよくし、体を健康的な状態に保つことにもつながります。
また、有酸素運動は心肺機能を高め、体を動かす持久力を高めることが期待できます。
Q2. 体力をつけたい人向けのトレーニング方法やおすすめのメニュー、回数と頻度を教えてください。
淺井さん:
バテないで動ける体づくりのためには、運動もかかせない要素です。
健康づくりのためには、成人で1日8000歩(60分)以上、高齢者で1日6000歩(40分)以上の歩行にプラスして、筋肉トレーニング2~3日程度の運動が理想的と言われています。
おすすめの運動方法を、難易度別でご紹介しますね。
初級編
肩~腰に蓄積するデスクワークの疲れには、「肩まわり」「背骨」「股関節」へアプローチがおすすめです。また、「おしり」の大きな筋肉を動かすことで、効率的に運動効果を高めることができます。
1. 肩に手を置いて、肩まわりを時計回りに大きく回す
2. 頭の後ろに手を置いて、「背中を丸めて伸ばす」を繰り返す。その後、左右に曲げる
3. 開脚をする(お尻にクッションを敷くとやりやすいです)
4.手を胸の前に組んで、イスに浅く腰掛け「立ち上がる・座る」を繰り返す
中級編
少し負荷がかかるワークアウトもできそうな方は、より全身の筋肉にアプローチしてみましょう。体型が気になる方にもおすすめです。
1.四つん這いになり片足を後ろに上げる
2.仰向けに寝て、お尻を上げる
3.台に手をついて腕立て伏せをする
4.足を大きく開き、「重心を下げる・上げる」を繰り返す
上級編
日頃から継続的な運動習慣がある方は、より負荷の高いワークアウトで筋肉を鍛えましょう。
1.おもりを持ち、スクワットをしながらおもりを上げる
2.スクワットを行い、伸ばすときにジャンプをする
3.肩と腰のラインをまっすぐにして立つ。そのまま重心を落とし、2歩分くらいの幅をジャンプして片足で止まる
Q3. 運動以外に、体力向上に関係するポイントはありますか?
体力=運動の機能と定義するのであれば、運動以外に体力を向上させる方法はありません。
体になんらかの負荷をかけることによって、運動機能は向上していきます。ハードな運動でなくてもいいので、なにか運動をすることは大切です。
inトレーニングラボでは、ベースの状態からより高い水準に引き上げるのをトレーニング、ベースの状態に戻すのがコンディショニングと考えていて、よりよいパフォーマンスに繋げるために、そのいずれも重要視しています。
疲れを早く取って体をベースの状態に戻すためには、適切な食事や睡眠をとることも大切です。
Q4. 「体力をつける体力がない」人は、何から始めるといいでしょうか。
運動、適切な食事、休息をとること、その中から欠けていると感じることがあれば、できることから始めてみるのがよいと思います。
たとえばですが、ストレッチを日常に取り入れる、1駅歩くといった簡単にできる工夫でもよいと思います。また、暴飲暴食など悪い習慣を少しずつやめてみることも効果的です。
「習慣を継続できるかどうか」が非常に重要なので、無理なことを始めるのではなく、続けられることから始めることが大切です。
Q5. どれくらい運動をしないと体力低下を招くのでしょうか。自分が運動不足か判断する 基準があれば教えてください。
先述の通り、厚生労働省が策定している健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023では、成人で1日8000歩(60分)以上、高齢者で1日6000歩(40分)以上の歩行にプラスして、筋肉トレーニング2~3日程度の運動が推奨されています。
ただし、個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組むこと、今よりも少しでも多くからだを動かすように、とも記載されています。
推奨されている定量的な水準はありますが、まずはできることから始めてみることが大切です。
回答者プロフィール
淺井利彰
関西鍼灸短期大学卒業、関西医療学園専門学校卒業
鍼灸師 / 柔道整復師 / NSCA-CPT / NCA-PCT
世界で戦うトップアスリートを、最先端のトレーニングと栄養指導でサポートする〈inトレーニングラボ〉のトレーナー。 フィギュアスケート世界選手権銀メダリストの鍵山優真選手、 東京オリンピック銀メダリスト清水希容選手など、一流アスリートを数多くサポートしている。
<Edit:編集部>