
筋肉痛のとき筋トレはNG?スポーツ整形外科医の見解と成長を妨げない回復ルーティン (1/4)
筋トレをするうえで切り離せない「筋肉痛」。痛みによってトレーニングを続けるかどうか、迷う方も少なくないかと思います。
筋力アップを効果的にするには、筋肉痛のときはどうしたらいいのか? スポーツ整形外科医・樋口直彦先生に聞きました。
筋トレしてOKの判断基準から、筋力アップを効率化するために知っておきたい「筋肉痛のメカニズム」や「筋肉の成長」について、また、筋肉痛からの回復・予防のポイント、筋肉部位ごとの対応方法まで、筋肉痛について徹底的に解説します。
筋肉痛への理解を深めて、効率的に筋肉を育てていきましょう!
筋肉痛のとき筋トレしても大丈夫?続けるべきかの判断基準
樋口先生の見解:「筋肉痛のときは休んだほうがいい」
「結論から言えば、筋肉痛があるときはトレーニングを休むのが基本です。痛みがあるということは、筋肉がダメージを受けている証拠です。修復の過程で筋肉は成長するため、しっかり休息を取ることが筋力アップにつながります」と、スポーツ整形外科医の樋口直彦先生は語ります。
軽度の筋肉痛なら筋トレはOK?注意すべきサインとは
軽度の筋肉痛であれば、血流を促す軽めのトレーニングが回復を助けることもあります。ただし、鋭い痛みや動作に支障がある場合は、筋繊維が損傷している可能性が高いため休息を優先しましょう。
筋肉痛が強いときに筋トレを続けるリスクとは
筋肉が十分に回復していない状態でトレーニングを行うと、筋繊維の修復が間に合わず、パフォーマンス低下や怪我のリスクが高まります。痛みが強いときは無理をせず、完全休養や軽い運動に切り替えるのが賢明です。
初心者が気をつけるべきポイント
初心者は筋肉痛を「効果が出ている証拠」と捉えがちですが、筋肉痛がある=良いトレーニングとは限りません。痛みの度合いや体調を観察して、自分に合った強度と休養を見極めましょう。
筋肉が成長するメカニズムとは?
筋肉の成長は、トレーニングでダメージを受けた筋繊維が回復・再構築されることによって起こります。筋肉は負荷によって刺激を受けて、微細な損傷が生じ、その後の修復過程で強く太くなることで、筋力や筋量が向上していきます。
これまでは「超回復」という概念が筋トレと深く関係していると考えられてきましたが、最新の知見では、超回復は厳密には筋トレの効果を説明する理論ではなく、筋疲労からの機能回復を示す言葉として使われることが多くなっています。したがって、筋肥大においては単なる休養ではなく、適切なタイミングでの再刺激と栄養補給が重要です。
成長を最大化するためには、「刺激 → 回復 → 再刺激」のサイクルをうまく組み立て、オーバートレーニングを避けつつ計画的にトレーニングを継続していくことが鍵になります。
筋肉は負荷によって刺激を受け、微細な損傷が生じます。その後、栄養と休養によって修復され、元の状態よりも強くなろうとする反応(超回復)が起こります。これが繰り返されることで、筋肥大(筋肉のサイズアップ)や筋力向上につながります。
休息を軽視してしまうと、成長のチャンスを逃すだけでなく、慢性的な疲労や怪我を引き起こすリスクも高まります。成長を最大化するためには、トレーニング・栄養・休息の三本柱を意識することが欠かせません。
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