2019年4月10日

効果も気になるけど、自分なりの達成感を味わえるのが運動の醍醐味│連載「甘糟りり子のカサノバ日記」#27 (1/2)

 アラフォーでランニングを始めてフルマラソン完走の経験を持ち、ゴルフ、テニス、ヨガ、筋トレまで嗜む、大のスポーツ好きにして“雑食系”を自負する作家の甘糟りり子さんによる本連載。

 新元号「令和」が発表され、新年度へ突入。徐々に過ごしやすくなってきたなか、忙しい日々の合間を縫いながらも、定期的にトレーニングに励んでいる甘糟さん。なぜ、運動が楽しいのか、続けられるのか、そんな「醍醐味」について教えてくれました。

ジムでは決まったことをこなすのが好きです

 「流行ったものはとりあえず試す」精神で、あらゆるトレーニングやらメソッドやらを経験してきました。楽しかったものもあれば、退屈してしまうもの合わないなあ〜と痛感したもの、いろいろですが、結局、私はオーソドックスな筋トレに戻ってきます。たいていマシーンとフリーウエイトを組み合わせたメニュー。

 今、まさにその時期です。数年前まで、そろそろ身体の内側を伸ばしていく運動をした方がいいかもと思い、ジャイトロニックやヨガに通っていたのですが、正直なところ物足りなさを感じることもありました。ああ、もっと息切れしたい! そんなことを思ったりして。「ぐわっ」と心拍数が上がって、「どばっ」と汗が湧き出てくるのが快感なんです。私にとってはそれが「運動」の醍醐味。効果も気になりますが、自分なりの達成感を味わえるのが運動好きな理由です。

 昨年から、とある空間に週に1、2度のペースで通っています。プライベート・ジムといったらいいでしょうか。紹介制なんて大げさなものではないのですが、内輪だけで使わせてもらっているスペースです。壁も床も真っ白。そこに使い込まれたノーチラスのマシーンが数台、バーベルと錘、ベンチにダンベルが置かれています。地下にあるので窓はありません。私が映像の仕事をしていたら、きっとここで撮影をしたくなると思います。ファッショナブルとは別の独特の空気感のある空間なんです。キューブリックの映画に出てきそう、といったらいいでしょうか。『2001年宇宙の旅』か『時計じかけのオレンジ』あたりかな。

 そんな風情のある場所で、一人黙々と汗を流しています。内輪しか入れないので、誰かとかぶることはまずありません。変な声出しても、すんごい表情になっても、気にしなくてすみます。

 今風の気の利いたマシーンじゃないのもいいんです。いかにして同じマシーンで違うトレーニングをするか、いかに自重を利用して多彩なメニューをこなすか、そんな工夫も楽しくって。大それたことをしているわけではないんですが、こんな雰囲気の中、タンクトップ1枚でバーベルなんかを持ち上げていると気分はすっかり特殊部隊です(笑)。

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