
ヒップリフトの効果と正しいやり方。どこに効く?回数と負荷設定、アレンジメニュー
お尻と腰を鍛える筋トレ「ヒップリフト」。
腰を水平方向に動かすことで、腰まわりの筋肉や大臀筋へアプローチできるトレー二ングです。また、体幹を鍛える効果もあります。
やり方はとても簡単。仰向けに寝て、膝から肩までが一直線になるまで腰を上げるだけ。
フィットネスランニングトレーナーとして活躍する鳥光健仁さん監修・出演のもと、ヒップリフトの正しいやり方・フォームを動画で解説します。
<このページの内容>
ヒップリフトの正しいフォームとやり方
1.仰向けに寝て、膝を90度に立てる
2.肩・腰・膝が一直線になるように、床から腰を持ち上げる
3.お尻を締めるように意識し、姿勢をキープ
足が地面から浮かないように注意
20回×3セット行います。腰が痛くなる人はお尻にクッションを入れましょう。
ヒップリフトはどこに効く? 鍛えられる部位
ヒップリフトは、以下の筋肉を鍛えることができます。
- お尻の筋肉「大臀筋(だいでんきん)」
大臀筋はもっとも表面にある大きい筋肉です。
ヒップリフトの効果とは。大殿筋を鍛えるメリット
姿勢をよくし、脚を長く見せる
お尻は「抗重力筋」のひとつ。
抗重力筋とは、立っている時に重力に負けないよう対抗して働く筋肉です。その抗重力筋が弱ると、姿勢が重力に負けて崩れることになります。
たとえば、猫背で姿勢の悪い人は、頭が前に出てしまいます。そのままだと前に倒れてしまうので、バランスを取るために背中は後ろへ倒れ、腹部とお尻を前に出して前後のバランスを取ろうとします。
そのような姿勢ではお尻の筋肉が垂れてしまい、脚が短く見えてしまうのです。脚の長い人は姿勢がいい理由は、ここにあります。
腰痛、坐骨神経痛の症状を抑える
お尻の奥にある梨状筋(りじょうきん)という筋肉が固まると、そのすぐ下を通っている坐骨神経を圧迫します。
すると、お尻・太もも・ふくらはぎ・足先のいずれか、もしくは複数や脚全体に、痺れや痛み、張り、冷え、灼熱感といったようなつらい症状が出ることになるのです。
とくに、長時間座っている人や運動不足の人は注意が必要です。
このように、お尻の筋肉は見た目のプロポーションに関わるだけでなく、健康にも関係する筋肉です。
ヒップリフトは毎日やるべきか
毎日やったほうが効果が早く出そうに思えますが、そうとも言えません。
低負荷で行う場合は毎日行って構いませんが、筋肉痛が出るような高強度で行う場合は、筋肉痛が収まる週2~3回がよいでしょう。
ヒップリフトをやり過ぎると、こんなデメリットも
毎日高負荷のヒップリフトを行うなど、やり過ぎると以下のようなデメリットが考えられます。
- 筋肉が十分に回復せず、筋トレ効果が出にくくなる
- 腰や膝に過度な負担がかかり、関節痛や腰痛を引き起こす
腰痛や反り腰を改善したいからとやり過ぎても、むしろ逆効果となります。
ヒップリフトの効果が出ないとき、見直したいポイント
ヒップリフトを続けていても、いまいち効果が出ないと感じている人は、一度以下を見直してみましょう。
正しいフォームで行っているか
どの筋トレにも言えることですが、正しいフォームで動作を行わないと、効果は実感できないでしょう。
- 足の位置:足は肩幅程度に広げ、膝と足が一直線になるようにする
- 体の位置:肩甲骨から膝までが一直線になるようにし、腰を反らせない
- 腹筋とお尻の締め具合:動作中に腹筋を引き締め、お尻を意識して締める
しっかりお尻を上げているか(可動域を最大にして動作しているか)
お尻はしっかりと持ち上がっているでしょうか? 腰だけでなく、お尻の筋肉をしっかりと使って持ち上げることが大切です。
慣れてきたら負荷を高めているか
ヒップリフトに慣れて楽に感じているにもかかわらず、そのまま続けていても効果は頭打ちになります。
次のような方法でキツさをアップさせましょう。
- 片足を伸ばす
- ダンベルなどのウエイトを使う
- 動作をゆっくり行う
ここからは、ヒップリフトの負荷を高めたアレンジメニューも紹介します。
ワンレッグ(片足)ヒップリフト
- 片膝を曲げ、片脚を伸ばす
- お尻を上げるのと同時に伸ばした脚も上げる
- お尻を下げても床につけず、ギリギリの高さでキープする
左右10回ずつ×3セット行います。
ダンベルヒップリフト
お腹の上にダンベルかプレートを乗せて、ヒップリフトと同じ動作を行います。
バーベルヒップリフト
- ベンチに肩甲骨を乗せる
- 膝を90度に曲げた状態で足を床に固定し、バーベルを腰に置く
- お尻の筋肉を使って体を持ち上げ、肩から膝まで一直線になるようにする
- トップで1〜2秒停止し、ゆっくりと元の位置に戻す
6~10回を3~5セット程度が目安です。
肩が上がっていることで、腰を水平方向に動かす可動範囲が広くなります。
バーベルに触れる部分が痛くなることもありますので、バーベルの中央にパッドをつけてもよいでしょう。
監修者プロフィール
鳥光健仁(とりみつ・たけのり)
フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO 5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、(株)BOOSTマネジメント契約、HOKA ONE ONE サポート。
(株)BOOST(https://boost-inc.jp/)マネジメント契約、故障せずに年間7000kmを走破する男を合言葉に、積極的にランニングを行っている。
<Text:MELOS編集部>