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アスリートとコーチの理想的な関係とは?寺田明日香選手と高野コーチが明かす、不思議な出会いと確かな手応え[特別対談・前編] (1/2)

 いよいよ、寺田明日香選手(100mハードル)が2021年の東京オリンピックに向け再始動しました。10月1日から新潟で開催される日本選手権での活躍にも大きな期待がかかっています。

 そんな寺田選手を支える「チームあすか」のコーチ・高野大樹さんとは、どのようにトレーニングを積んでいるのか。今回はふだん私たちが知ることができない、アスリートとコーチの関係をお聞きしました。

 前編では、寺田選手の激動ともいえる選手経歴と近況、そして運命的な高野コーチとの出会いをお届けします。

再始動! チームあすかで2021年オリンピックへ挑む

―― オリンピック延期から自粛期間に入り、練習もままならない状態から挑んだシーズン初戦8月23日の「セイコーゴールデングランプリ陸上(以下、GGP)」と、8月29日の「アスリート・ナイト・ゲームズ・イン・フクイ(以下、ANG)」を走って手応えはありましたか。

寺田選手(以下、寺田):手応えというより、走ることってこんなに楽しかったんだ! って改めて実感したっていうのが正直な気持ちです。

高野コーチ(以下、高野):GGPは13秒03で優勝。ANGは、追い風2.1で12秒93。結果は2位でした。

―― ANGでは追い風参考ながら、13秒台を青木益未選手(12秒87)と寺田選手が切ったハイレベルなレース(日本人2人が同時に12秒台で走ったのは史上初)でした。次の課題も見えましたか。

高野:ボクとしては、12秒80台は寺田選手ならば普通に出せるタイムだと思っています。その先の「オリンピックファイナリスト」を見据えた12秒60を出すには、どんな練習をしていけばいいのかを考えています。とにかく寺田選手の良さを伸ばすための走り方改善やトレーニングをしていく予定です。

寺田:ANGは2位で、タイムだけ見ると12秒台ですけど、追い風なんです。去年に同じ会場で出した日本記録の13秒00も、「条件が良かったから出たよね」って言われることもまだあります。会場の空気抵抗や雰囲気がいいだとか。どの会場でも安定して12秒80台を出せるようにしておかなければいけません。しかも目指すは、12秒60なので!

第二次陸上時代は高野コーチとの出会いから始まった

―― では今回は、2人の出会いまで話をさかのぼらせていただきます。寺田選手の選手経歴は、他のアスリートもまねできない経歴になりつつありますが(詳しくはプロフィール参照)、高野コーチと出会ったきっかけを教えてください。

寺田:7人制ラグビーを2018年12月で引退しました。その引退を決意した11月上旬、陸上に復帰するための「チームあすか」結成を進め始めました。最初に相談した人は、友人でもあり、当時NIKE TOKYO TCヘッドコーチでもある横田真人くん(現在はTWOLAPS TC代表兼コーチ。800m元日本記録保持者、2012年ロンドン五輪出場)でした。「ハードルみてもらえますか?」って連絡しましたが、「ハードルを教えるのは自分には難しい」と……。その代わりに「良いコーチを紹介してあげる」って話になったんです。それが、のちの高野さんでした。

高野:ボクにとっても割と突然の出会いだったと記憶しています。11月中旬だったかな、横田さんから突然「女子実業団ハードル選手みる余裕ある?」って聞かれたんです。そもそも横田さんとは、2015年からコーチとしてみている慶應大学女子短距離で結果を残したとき、「女子選手みるとき気をつけていることある?」という話をきっかけに互いのやり取りが始まっていました。

あまりにも突然だったので、「選手にもよりますけど不可能ではないです」とだけ答えましたね。そうしたら「実は代表クラスの寺田明日香選手なんだよねー」って言われて、正直マジかーと思ったこと、今でも覚えています。でもすぐに「寺田選手のニーズと僕ができることが合うなら」と返事しました。

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―― 初めて2人が会ったのは、いつ頃でしたか。初対面のお互いの印象も教えてください。

寺田:高野さんに話がいったすぐ後、横田くんが顔合わせをセッティングしてくれました。でも、そのとき横田くんが少し遅れてきたんですよ。横田さんからは、イチオシだからとだけ聞いていて、どんなコーチが来るか顔も年齢もわからない状態で会うことに(笑)。そこに登場したのが、高野コーチでした。とにかく初対面の印象は、「若い!」でした。これまでのコーチは年配の人が多かったので、若い人が来たぞーって驚いたこと覚えています。

高野:僕は初めて会ったとき、まだ7人制ラグビーと陸上復帰の情報が重なっていたので、内密にしないとという思いが強かったですね。それに第一次陸上時代の活躍は、十分知っていました。そのときはコーチとしてみていなかったので、足速い人だったよなーという印象でしたね。

それに横田さんから「ボクとしては無理をしてでもトップ選手をみられるコーチとしてのし上がってほしい!」って、まさかのオラオラ系の連絡が来て、軽くプレッシャーかけられた状態で会ってます(笑)。

寺田:それはそれで、横田くんの愛を感じますね(笑)。

高野:ここで寺田選手のやりたいことや、チーム体制について聞きました。コーチ、フィジカルトレーナー、栄養士など各スタッフの専門家からアドバイスをもらいながら成長していきたいと。そして、そのうちの1人になってほしいと言われました。

寺田:そっか。私はその場でお願いしているんですね。確かに年齢も現在私が30歳、高野コーチが31歳、横田くんが32歳。「チームあすか」のスタッフも20代後半から30代前半です。重鎮じゃないからこそ、チームとして成り立つのかなと思いましたね。あ、ちなみに横田くんは2歳年上ですけど、昔からの知り合いなので「横田くんは横田くん」です!

陸上復帰のきっかけの1つに地元北海道に戻ったとき、ハイテクACの中村(宏之)先生に復帰できるか聞いているんです。そのときも現役選手には、引けをとらない走りができたので、先生からもお墨付きをいただきました。中村先生にみてもらう選択肢もありましたが、良い意味で私のこと知りすぎているなと。同じ場所に戻ってはいけない気持ちも強かったので、新しいメンバーの必要性を感じていました。

高野:ボクも専門分野にそれぞれコーチがいるチーム体制って、興味を持っていました。役割分担できるのは、わりと理想的なんじゃないかと。

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