2023年11月12日
夜10時に寝る「睡眠のゴールデンタイム説(シンデレラタイム)」は、なぜ生まれたのか
「ダイエットや美容のために夜10時にはベッドへ!」。聞いたことがある人も多いでしょう。夜10時ごろに眠ると成長ホルモンが分泌されやすいという、いわゆるシンデレラタイムです。
現代人には非現実的ともいえる就寝時間ですが、この「睡眠のゴールデンタイム説(シンデレラタイム)」、一体どこから唱えられた説なのでしょうか?
先日配信した効率よく疲労回復できる眠り方「濃縮睡眠」とは。“理想の睡眠時間”に惑わされない!(前編)から、睡眠セラピストの松本美栄さんの回答を抜粋してお届けします。
Q.夜10時に眠ると成長ホルモンが分泌されやすいという「睡眠のゴールデンタイム説(シンデレラタイム)」は、なぜ生まれたのでしょうか? 近年まで信じられてきました。
A.とある研究結果について、当時のメディアが一部を切り取って伝えてしまったから
はっきりと分かっているわけではないのですが、こうじゃないかと言われている説はあります。
1991年ごろに行われた睡眠と成長ホルモンの研究において、睡眠ホルモンの分泌量と就寝時間をチェックしたとき、研究対象者の入眠時間が22時ぐらいで、24時ごろに成長ホルモンが出ているという研究結果があります。
実は他の時間に寝ても成長ホルモンは分泌されていたのですが、当時のメディアが一部を切り取って伝えてしまったため、睡眠のゴールデンタイムとか、シンデレラタイムのような説が広まったのではないかと考えられます。
もちろん、その後の研究でも、何時に寝たとしても成長ホルモンは分泌されるという結果が出ています。
後編: 脳疲労を回復させる方法は「睡眠」にあり!専門家が教える“脳の疲れをとる方法”(後編)
<Edit:編集部>