ヘルス&メンタル
2024年11月27日

仕事中の「異様な眠気」、危険度は?あまりに眠すぎるときに考えられる病気リスク (1/3)

仕事中に眠気が来て耐えられないこと、ありますよね。眠気の強さは人によりますが、仕事中に意識が飛ぶくらい眠たくなることも。

仕事中に突如として襲ってくる眠気は、仕事の生産性を低下させるだけでなく、健康リスクを引き起こす可能性があります。

トレーニング健康事業を営む「株式会社Reblood」代表取締役でパーソナルトレーナーの野田博之さん監修のもと、仕事中の眠気の原因と、その背後にある健康リスクをお届けします。

仕事中に眠くなる「よくある原因」とは

仕事中に眠くなる原因はなんでしょうか。考えられる原因はいくつかあります。

食後の血糖値上昇

食後に眠気を感じる理由は「消化を促すために脳から胃腸に血液が集中するため」や「食事をすることで血糖値が上がるため」です。

消化を促すために脳から胃腸に血液が集中する

食後に消化を促すために脳から胃腸に血液が集中すると、体全体の血流量が変動します。この血流の変化により、脳に送られる血液の量が一時的に減少することがあります。

脳への血液供給が減少すると、脳の活動が低下し、それに伴って眠気が生じます。

食事をすることで血糖値が上がるから

食後に血糖値が上がると、体はインスリンを放出しその糖分を細胞に運びます。この過程でトリプトファンというアミノ酸が脳により多く運ばれるようになります。

脳内でトリプトファンはセロトニンに変換され、このセロトニンがさらにメラトニンに変わることによって、睡眠を促進する効果が生まれます。

このメカニズムが、食後に血糖値が上がるとなぜ眠くなるのかの理由です。糖質制限をすると眠気がきづらいのはそのためです。

純粋に睡眠時間が足りない

寝不足や不規則な生活をすると、身体の内部時計が乱れ、必要な休息を取れていない状態になります。

その状態が続くと体が十分な休息を取れていないと判断し、自然と眠気を感じるようになります。

これは体内の「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの分泌が影響しており、このホルモンのバランスが崩れることで睡眠への欲求が高まります。

中途覚醒、早朝覚醒など睡眠の質が低下している

睡眠の質が低下すると深い眠りにつきにくく、レム睡眠やノンレム睡眠のサイクルが乱れるため、体や脳が十分に休息を取れず、結果として日中に眠気を感じることになります。

睡眠の質が低下する理由として、下記のものが挙げられます。

  • 不規則な睡眠スケジュール(昼寝など)
  • ストレスや不安
  • カフェインやアルコールの摂取
  • 騒音や光などの環境要因
  • 更年期障害

薬の副作用

風邪薬など、薬の副作用で眠気を催すことも考えられます。

とくに神経伝達物質の活動を高める薬剤は眠気を引き起こしやすいです。花粉症やアレルギーに対する薬は「抗ヒスタミン剤」が入っているため、集中力の欠如や眠気がくることがあります。

女性ホルモンの変動・低下

女性ホルモンの変動や低下が眠気の原因となることがあります。これは「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンの影響によるものです。

・エストロゲン=低下すると質の良い睡眠が取りにくくなり、結果として日中の眠気を感じやすくなる
・プロゲステロン=睡眠を促進する効果があるため、低下すると、睡眠の質が下がるとされている

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