ウェルネスフード
2024年6月6日

1日6食のダイエット効果やメリット、食べるタイミング。食べる回数を増やすとなぜ痩せる?

ダイエット時の食事の摂り方に「食事回数を増やす」という方法があります。「食べる回数を増やすと、カロリーオーバーで太るのでは」と思われがちですが、小刻みに食べることで食欲を抑制する、ドカ食いを防ぐ、空腹によるストレスを予防するなど、痩せやすいカラダ作りをサポートするメリットがあります。

今回は、食事回数を増やす効果と食べるタイミング、注意点などを紹介します。

解説は、プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当する、日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)認定トレーナー・和田拓巳さんです。

食事の回数を増やすと、どんな効果がある?

食事回数を増やすと、むしろ太ってしまうのではと思う人は多いかもしれません。

たしかに食事回数だけを増やすと、全体の食事量が増えて太るのは当然でしょう。ポイントは「全体の食事量を変えず細かく分割して食べる」です。

なぜ分割するとダイエットに効果的なのでしょうか。

体脂肪蓄積の抑制

食事の回数を増やすことは、ほかの食事法と同様にインスリンというホルモンの分泌に影響を与えます。空腹の状態で食事を一気に摂取すると、血糖値が急上昇します。

そして血糖値が急上昇するとインスリンの分泌が多くなり、体脂肪が蓄積しやすくなります。

そこで、食事の間隔を狭くして空腹の状態を防ぎ、血糖値の上昇を防ぐことで体脂肪の蓄積を抑えるのです。

筋量の維持

食事を分割して摂ることは、筋量の維持にも効果を発揮します。

ダイエット中の摂取カロリーを少なくすると、体脂肪の減少は進みます。しかし同時に、筋肉量の減少も進みます。

リバウンドが起こるのは、この筋量の低下によって代謝が少なくなり、太りやすいカラダになってしまうことが原因のひとつとして挙げられます。そのため、ダイエット中はできるだけ筋量を落とさないことが重要です。

空腹になると、身体は脂肪より先に筋肉を分解してエネルギーを生み出します。食事を分割することでエネルギー切れによる筋肉の分解を防ぐとともに、体内で筋肉のもととなるたんぱく質をこまめに摂取することが可能となります。そのため筋量を維持することができるのです。

食事の回数を増やすときのポイント

では、どのように食事の回数を増やせば効果的なのでしょうか。

まずは摂取カロリーを計算する

食事を分ける前に、自分が1日の摂取すべき総カロリーの目安を計算してみましょう。簡単な方法は「除脂肪体重×40」という式で計算する方法です。

たとえば「体重が60kg・体脂肪率20%」という人の場合、除脂肪体重48kg×40=1920kcalとなります。この摂取カロリーを上限として、食事回数を分割していくとよいでしょう。

また、摂取カロリーが上回らないからといって、炭水化物ばかりの食事ではカラダ作りに適しているといえません。

食事内容については「PFCバランス」(たんぱく質・炭水化物・脂質のバランス)を参考に、偏りのない食事を摂ることも忘れないようにしてください。

PFCバランスとは、摂取カロリーのうち三大栄養素の「P=たんぱく質」「F=脂肪」「C=炭水化物」がどれくらいの割合を占めるかを示した比率のこと。

・たんぱく質:13~20%
・脂質:20~30%(飽和脂肪酸は7%以下とする)
・炭水化物:50~65%

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1日6食を目安に摂る

はじめて挑戦する人は、1日6食を目安にメニューを組んでみてください。6食にすれば、食事を約3時間おきに摂取することになります。

イメージとしては、「朝食・10時・昼食・15時・夕食・就寝前」という感じです。生活スタイルによって調整し、食事間が均等になるように時間配分をするとよいでしょう。

もちろんすべての食事の合計カロリーが、先ほど計算した目安の摂取カロリーより上回らないようにする必要があります。

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3食以外は間食として簡単に摂取できるものを食べる

回数を増やすことによるデメリットが、調理の手間です。もし1日を6食にした場合、全部をしっかりとした食事にするのは難しいでしょう。

そのため、3食以外の食事については、簡単に摂取できる「間食」を選ぶと便利です。間食には、高たんぱく・低糖質・低脂質である食品を選ぶようにしましょう。

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カラダ作りの代表的な間食といえば、やはりプロテインです。溶かして飲めばすぐに摂取できるうえ、たんぱく質を豊富に補給できます。その他、ナッツ類などのお菓子もよいでしょう。

プロテインを飲むときの注意事項
・肝臓や腎臓に負担がかかってしまうため、一度にプロテインを大量に飲むのはNG
・1回あたりの食事やプロテインでのタンパク質摂取は20~30gが目安
・トレーニング目的や方法によって変わるので自分に合った量を知ること

1日に必要なタンパク質量の個別目安
[なにも運動していない人]体重1kgあたり0.8~0.9g(体重60㎏の人なら48~54g)
[フィットネスなど軽い運動をしている人]体重1kgあたり1.2~1.5g(体重60㎏の人なら72~90g)
[筋肉をつけたい人/体重を増やしたい人]体重1kgあたり2gが必要摂取量(体重60㎏の人なら120g)

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食事を摂るタイミングによって食事メニューや量を調整する

食事における摂取カロリーをすべて均等にするのもいいですが、タイミングと摂取内容を考慮するとさらに効率がよくなります。

たとえば筋トレなど運動前のタイミングの食事では、運動中のエネルギー切れを防ぐためにしっかりと食事を摂る。あるいは、就寝前はカラダを動かすことがないので、糖質を摂らずにたんぱく質のみを摂取するなど。

食事のタイミングによって、量や内容を変化させるのです。

まずは3食の食事量を減らし、間食を摂ることから

はじめは3食の食事量を減らし、プロテインなどの間食を摂ることで食事回数を増やす方法でも構いません。慣れてきたらメニューにもこだわると効果が高まります。

ぜひ、チャレンジしてみてください。

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筆者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。?医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。
日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳>