ウェルネスフード
2024年5月1日

筋トレ効果を引き出す食事術。筋肉にいい食べ物は?プロテインを飲めばOK? (4/4)

筋トレ中の人におすすめのサプリメント成分

筋トレの効果を高めるサプリメントとしてはアミノ酸・プロテインが有名ですが、最近は「クレアチン」や「BCAA」も、筋トレ効果をサポートしてくれる人気のサプリメントです。

筋肥大を狙う人には「EAA」「HMB」なども注目の成分です。

クレアチンとは

クレアチンとはアミノ酸の一種です。強度の高いトレーニング時にもすばやくエネルギーを作り出すようにサポートしてくれます。

また、運動中に生じる水素イオンや乳酸などの酸性物質を緩衝したり合成しにくくしたりすることで、疲労の原因ともなる筋肉が酸性に傾くことを防ぎます。さらにヒトのカラダにとって大切な水分を筋肉中に貯留する役割も果たします。

関連記事:クレアチンとは、筋トレ民なら知っておきたい栄養素。筋量増加に効果的な理由を管理栄養士が解説

BCAAとは

BCAAは筋たんぱく質中の16%を占め、筋肉づくりにとくに効果が高いとされている注目のアミノ酸です。その働きには「筋肉を増やす」「回復を促進する」「集中力を高める」などの効果があるとされます。

筋肉や臓器、肌など人体をかたちづくっている「たんぱく質」は「アミノ酸」から構成されています。

このアミノ酸は全部で20種類あり、体内で合成することができないため食事から摂る必要がある「必須アミノ酸(9種類)」と、体内で合成できる「非必須アミノ酸(11種類)」に分けられます。

必須アミノ酸

バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン(リシン)、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)、ヒスチジン

非必須アミノ酸

アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸

必須アミノ酸、非必須アミノ酸の図

必須アミノ酸の中でも、枝分かれした分子構造(分岐鎖)をもつのが「ロイシン」「イソロイシン」「バリン」の3種類で、その構造から「Branched Chain Amino Acids」(分岐鎖アミノ酸)、略してBCAAと呼ばれます。

関連記事:必須アミノ酸「BCAA」とは?効果的に摂るためのおすすめ食事メニュー:管理栄養士監修

EAAとは

EAAとは「必須アミノ酸(Essential Amino Acid)」の総称で、全部で9種類(ロイシン、バリン・フェニルアラニン・トリプトファン・イソロイシン・ヒスチジン・リジン・スレオニン・メチオニン)あります。EAAサプリには、これらの必須アミノ酸が配合されています。

EAAサプリメント摂取の最大のメリットは「吸収のスピードが早いこと」です。プロテインと比較してみましょう。プロテインは摂取してから体内に吸収されるまで、早いものでも1?2時間ほどかかります。

一方、EAAサプリメントは摂取後30分程度で吸収されるので、トレーニング直前やトレーニング中に飲むことでも効果が期待できます。

さらに、トレーニング時のEAA摂取は、プロテインのみを摂取した場合よりトレーニング後の筋合成を促進させるといった研究結果もあります。このように、EAAには「筋肉の合成を助ける」役割も期待できます。

関連記事:必須アミノ酸「EAA」とは。種類と働き、筋トレ民が飲むメリット│管理栄養士の食トレ学

HMBとは

HMBとはベータヒドロキシベータメチル酪酸(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate)の略称で、必須アミノ酸のロイシンが体内で変換された後の物質のことを指します。

一般に、摂取されたロイシンの約5%が体内でHMBに変換されます。そのため、HMBサプリは効率的にHMBが摂取できる方法と言えるでしょう。

関連記事:「HMB」とは。どんな働きをする?筋トレ効果を高めるってホント?│管理栄養士の食トレ学

トレーニング期間は、お酒は控えめに

ところで、やはり体づくり中は飲酒を控えたほうがよいのでしょうか。

アルコールをとると、摂取したたんぱく質を合成させ筋肉を作る「テストステロン」というホルモンの分泌量が減少するといわれています。

また、筋トレやたんぱく質摂取によって筋肉の合成を促す「mTOR(たんぱく質キナーゼ)」と呼ばれるシグナル伝達経路も、飲酒することで活動を低下させるという研究結果があります。体脂肪もつきやすくなるので、トレーニング中はできるだけお酒は我慢するのがよいでしょう。

参考記事:アルコールは筋トレにどんな影響を及ぼすのか?筋トレとお酒の関係をプロが解説

どうしても飲みたい場合は、以下の方法で、体脂肪の増加と筋肥大への悪影響を最小に抑えることができそうです。

  • 飲む前に筋トレを行う
  • 飲み会前の食事は低糖質、低脂質、低カロリーを心がける
  • 飲んでいるときの食事量をセーブする
  • おつまみには揚げ物や糖質の多いものは避ける
  • 飲んだ翌日は食べすぎず、よく動く

運動後に飲む場合、糖質ゼロであるということ、そしてノンアルコールの2点を守りましょう。

<Text & Photo:編集部>

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