2024年1月23日

マラソン大会の前日の過ごし方。食事や練習、飲酒していい?【ランナー直伝】 (4/4)

7.当日の朝食は食べ過ぎず、3時間前を目安に食べ終える

 消化時間などを考えると、当日の朝食はスタート3時間前までには食べ終えておきたいところです。食べ過ぎると消化が追いつかず身体が重く感じたり、胃腸にトラブルが起きる可能性があるので、“腹八分目”を意識してください。

 エネルギー補給用のゼリー飲料などは移動時などに摂取しても構いません。

水分は移動中もこまめに飲んでOK

 水分は直前まで、こまめに取りながら移動するとよいでしょう。スタート準備に入ったらトイレに行き、以後の水分補給はレース中の給水所に任せます。直前まで飲み続けると、トイレに行きたくなってしまいます。

 なお、コーヒーなど利尿作用のあるものは、控えておいてください。

8.移動は時間に余裕を持って

 会場到着はギリギリにならないよう、時間に余裕を持って移動しましょう。電車が遅延したり、会場が大混雑で送迎バスに乗れない可能性もあります。時間に余裕がなくなると焦りが生まれ、どんどん不安になってきます。

 私も過去に遠征レースで、朝起きたら電車が止まっていた……という経験がありました。また、時間がないからと荷物を持ったまま会場を駆け回れば、不要な疲れに繋がりかねません。

 早めに会場へ到着しておけば、心を落ち着けてレースモードに切り替える時間を持てます。来場者の状況を見て、混まないうちにトイレに行くといった行動もできるでしょう。

9.ウォーミングアップのやり過ぎに注意!

 大会会場に到着すると、入念なウォーミングアップに取り組むランナーの姿を見ます。結論から言うと、私はウォーミングアップで走りません。

 “ドリル”と呼ばれる基礎運動や、股関節や肩甲骨まわりを中心とした可動域を広げる運動を行っています。

スタート直後をウォーミングアップにするのもアリ

 ウォーミングアップの目的は身体を温めること。ですから、必ずしも走る必要はありません。あまり直前に走り過ぎると、そのままスタート後にも疲労が残ってしまうでしょう。せっかくウォーミングアップで走り込んでも、多くの大会ではスタートまでの待ち時間で身体は冷えてきます。

 また、スタート直後の1~2kmは道が大勢のランナーで混雑し、想定しているより遅いペースでしか走れません。それなら、その1~2kmをウォーミングアップと位置づけるのもよいのではないでしょうか。

 ただし、先頭集団でいきなりハイペースの走りを展開するランナーに関しては、話が別です。速いペースで走るためには、あらかじめジョギングや流しなどで“走れる準備”を整えておく必要があります。

 ご自身の想定されるレース展開に合わせ、ウォーミングアップの内容を検討してください。

10.万全の状態で完走を目指す

 準備がしっかりできていると安心感に繋がり、大会にも落ち着いた精神状態で臨むことができます。いくら十分なトレーニングを行っていても、気持ちに焦りや不安があればパフォーマンスは低下するものです。身体だけでなく精神面も含め、万全の状態で大会を走れるよう準備してください。

関連記事:疲れて走れない、坂道がきつい…。経験者が指南する、マラソン大会でよくある挫折ポイントと対処法

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】https://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>

1 2 3 4