ウェルネスフード
2022年1月13日

医師監修:糖質制限ダイエット、基本の「き」。現代人は糖質を摂りすぎ? (2/3)

糖質過多は万病のもと

私たちの食事はご飯やパン、麺類などの炭水化物が欠かせません。しかし、今の時代は飽食。

「体をさほど動かさずに3食炭水化物を摂り、さらに間食を摂るようでは明らかに糖質過多です。糖質を摂りすぎると肥満につながり、糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まることは知られていますが、そのほかにも多くの病気と関連しています。がんは糖質と深い関係があり、また、認知症も糖質過多によるものだと考えられています」(清水さん)

ご飯やパン、麺類といった炭水化物から糖質をとると血糖値が上昇します。

体は血糖値を下げようと膵臓からインスリンを分泌しますが、血中のインスリン濃度が高くなると脳内のインスリン濃度も高くなり、それの分解に忙しくなり、アルツハイマー病に大きな関連のあるアミロイドβの分解が滞り、脳に蓄積されて、認知症を引き起こすと考えられています。

「日本人高齢者の食事パターンと認知症のリスク:久山研究」という日本の研究からも明らかにされているように、糖質の摂りすぎでアルツハイマー型認知症の発症リスクが高まってしまう可能性があるのです。

健康になりたいならまず糖質の摂取量を見直すべき

糖質を摂ると急激に血中の血糖値が上がってしまい、それを下げようと常にインスリンが分泌されます。

インスリンが常に分泌されていると、糖分をエネルギーとして体内に蓄えようとするため、太りやすくなってしまうのです。

ダイエット目的で糖質制限を行う人もいるかと思いますが、清水さんは、多くの現代人に糖質制限は必要だと言います。

「何百万年ある人類の進化の歴史のほとんどは飢餓との戦いでした。糖質を摂るようになったのはここ一万年のことで、米を食べるようになったのも、人類の長い歴史の中では最近のことです。そのため、糖質をたくさんとっても平気なようなメカニズムになっていないので、3食炭水化物を食べ、さらに間食で甘いものを摂ると、体に異変が起こってしまうのです」(清水さん)

つまり、健康な人でも糖質制限をした方が、健康維持ができるというのです。

既出の通り、糖質過多な生活は万病の元になりますが、だるい、突然のめまい、発汗、動悸、疲労感が起きる場合は機能性低血糖を引き起こしている可能性があります。

機能性低血糖は、糖質を摂りすぎでインスリンが過剰に分泌され、血糖値が下がりすぎて低血糖になり、さまざまな不調が起きてしまうというものです。

機能性低血糖はかかっていても健康診断で異常が見つからない場合もあるので、まずは糖質を摂りすぎていないか、自らの食生活を見直してみましょう。

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