• Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube
  • 健康
  • 糖質制限のウソ・ホント。糖質オフすると筋肉が落ちる?玄米や雑穀米なら食べていい?

糖質制限のウソ・ホント。糖質オフすると筋肉が落ちる?玄米や雑穀米なら食べていい? (2/2)

Q.糖質制限をすると、筋肉量が落ちるからやめた方がいい?

A.糖質制限で筋肉量は落ちません。

「糖質制限をすると、糖質以外からエネルギー源となるブドウ糖を生成することになり、筋肉が分解されてアミノ酸が使われると思われている方も多いようですが、それは誤解です。エリートの体操選手に30日間、低炭水化物ケトジェニック食を食べてもらったところ、通常の食事と比べても、筋肉量もパフォーマンスも落ちないことがわかっています」(清水さん)

 糖質の代わりにタンパク質や脂質を多く摂るため、筋肉量が落ちることはないといいます。また、糖質制限することでアミノ酸だけでなく、中性脂肪から分解されたグリセロール、乳酸などからブドウ糖を形成して、血中に供給する糖新生が活発になりますが、このことにより、エネルギー消費量が増加することもわかっています。18歳〜65歳でBMI25以下の成人を対象に同じ条件のもと研究を行ったところ、炭水化物60%・脂質20%の「高炭水化物・低脂質」よりも炭水化物20%・脂質60%の「低炭水化物・高脂肪」の方が1日のエネルギー消費量が278カロリー高い結果になっています。

「同じカロリー数を炭水化物で摂った場合と脂質で摂った場合を比べると、前者のほうが太りやすくなります。それは糖質を摂るとインスリン分泌が増加し、太りやすくなってしまうからです」(清水さん)

Q.糖質制限に向き不向きのスポーツがある?

A.持久力を必要とするスポーツは向いています。

「基本的には、ほぼどのスポーツでも糖質制限をした方がいいと思います。マラソンは、糖質をエネルギー源として持久力を保つと思われがちですが、実はふだんは糖質制限をした方が良いのです。それは体の脂肪をうまくエネルギーに変えるための体質作りをするためです」(清水さん)

 ただし、100㎞のウルトラマラソンや42.195㎞のフルマラソン中は糖質の摂取はある程度、必要になるそう。タイムを狙うために走るスピードをあげると、その分エネルギーとして糖質を必要とするからです。

「レースでタイムを狙う必要がなく、ゆっくりとしたスピードでフルマラソンを走る場合は、糖質は必要ないでしょう。ふだん糖質制限をしていれば、ハーフマラソン程度の距離のレース中は水だけで問題なく、エネルギー切れを起こすこともありません。むしろ、レース前に糖質を摂ってしまうと、エネルギー切れを起こし、低血糖を引き起こす可能性があります」(清水さん)

 世界で活躍するトップアスリートも糖質制限で結果を出していると清水さんはいいます。例えばラグビーではニュージランドのオールブラックス。食事から砂糖を抜き、低炭水化物、ココナッツオイルを1人毎週6〜7缶摂取してエネルギーを得ているそうです。オールブラックスは2015年のW杯で見事優勝しています。

Q.糖質制限では悪いものは?

A.炭水化物全般NG。

 白米は太りやすいから玄米や雑穀米を選ぶ人もいますが、これはどうでしょうか。

「これらは白米に比べて食物繊維が多く含まれるため、血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの分泌が抑えられると考えられます。しかし、これは個人差があり、血糖値がゆるやかに上がる人もいればそうでない人もいる。玄米も雑穀米も基本は炭水化物なので、糖質制限では摂らないのがベストです」(清水さん)

 最近、コンビニなどで穀物の外皮を使った低糖質パンが売られています。これならば、糖質は1個あたり2~3gなので、糖質制限中に食べてもOKです。

Q.糖質制限中、たんぱく質を摂るなら、鶏もも肉よりも鶏むね肉の方がいい?

A.炭水化物さえ摂らなければ、どちらでもOK。

 筋トレをしている人には高タンパク・低脂肪の鶏むね肉やささみがすすめられますが、糖質制限の世界ではいずれも問題ないとのこと。

「鶏肉はたんぱく質が豊富なので、好きな部位を好きなだけ食べてかまいません。牛肉、豚肉も同様。豚バラ肉は太りやすいイメージを持たれますが、炭水化物と一緒に食べなければ太ることはありません。むしろ、たんぱく質と脂質が含まれているので、糖質制限中には摂りたい食材の一つです」(清水さん)

Q.糖質制限でも腹八分目の方がいい?

A.お腹いっぱい食べてもOK.

「炭水化物を食べなければ、お肉、魚などのたんぱく質や野菜をお腹いっぱい食べて構いません。脂質も必要なので、気にせずに摂りましょう。私は毎日、お腹いっぱいたんぱく質、野菜などを食べていますが、太ることは全くなくなりました」(清水さん)

Q.炭水化物を摂らないと腹持ちが気になるのですが。

A.腹持ちを考えるなら、炭水化物よりもオイルを摂りましょう。

「たんぱく質と脂質を摂っていれば、お腹が空くことはほとんどありませんが、空腹が気になるようであればMCTオイルを入れたコーヒーなどをとり入れてもいいでしょう」(清水さん)

 サッカー日本代表の長友佑都選手も日々の食事に取り入れていることで話題のMCTオイルですが、摂取するとケトン体が出ることがわかっています。同様にココナッツややしの実のオイルにもケトン体を増やす働きがあることがわかっています。先のラグビーニュージランド代表もココナッツオイルを毎日の食事に取り入れ、結果を出しています。空腹を感じるなら、MCTオイルやココナッツオイルを飲み物や食事に使用しましょう。

Q.どうしても糖質が欲しい! そんな時は?

A.我慢ができないようなら、血糖値を上げない甘味料を。

「欲しいと思うのはこれまで糖質を摂りすぎていたから。とにかく糖質を摂らずに過ごすと体が慣れて、糖質を欲しくなくなります。ただし、どうしても甘いものが欲しくなったら、羅漢果など自然食材で作られた甘味料を使いましょう。また、カカオ80%などハイカカオのチョコレートは血糖値が上がりにくいので、1〜2かけ程度なら食べても構いません」(清水さん)

Q.糖質制限の効果はどれぐらいで出てくる?

A.健康目的なら比較的すぐ効果を実感できる。

「体重減少なら、始めて1週間もすれば効果が現れてくるかと思います。また、糖質をやめてまもなく偏頭痛が改善するケースもあります。アスリートなら1~数か月ぐらい続けるとパフォーマンスに良い影響が現れますが、まずは健康目的にはじめてみるといいですね」(清水さん)

Q.糖質制限を失敗しないためには?

A.満足いくまで食べること。

「糖質以外は何を食べてもいい。我慢するから挫折して、長続きしないのです。糖質を摂らない分、たんぱく質、脂質をたくさん摂り、満足いくまで食べてみて下さい」(清水さん)

 人間、美味しいものを食べていれば満足度も高まります。炭水化物だけを摂らないというルールを守り、それ以外には縛られずに、自由に食事を楽しみましょう。ただし、だらだらと食べないこと。

「空腹時間が長いほどインスリンの分泌が抑えられ、太りにくい体になります。基本は1日2食。私は朝と夜ですが、理想は昼と夜ですね。朝、空腹のままの方が、脂肪をエネルギーに変える体になりやすいのです」(清水さん)

 今までの食事でパフォーマンスが上がらない場合は、糖質を摂りすぎていないか、見直してみてはいかがでしょうか。

[監修者プロフィール]
清水泰行(しみず・やすゆき)
北海道大学医学部卒業、医師。ペインクリニック(痛み専門の治療)でアスリートの治療にもあたる。糖質制限をはじめ栄養学にも幅広い知識を持ち、食生活の改善指導などを治療に取り入れている。自らも糖質制限によりメタボを脱出。マラソンランナーでもある。著書に『運動するときスポーツドリンクを飲んではいけない――パフォーマンスを上げる「糖質制限」食事法』(廣済堂健康人新書)、『「糖質過剰」症候群』(光文社新書)『糖質オフ×プチ断食のW効果でやせる! 不調が消える!』(主婦の友社)がある。
【公式ブログ】「ドクターシミズのひとりごと」 https://promea2014.com/blog/

※本記事はMELOSで公開された記事「現代人は糖質を摂りすぎ?医師が推奨する糖質制限ダイエットとは」「筋トレ民は糖質制限をしてもOK?トレーニング効果をアップする糖質制限方法を医師が解説」を再編集したものです。

<Text:廉屋友美乃/Edit:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>

特集 - SPECIAL -

連載 - SERIES -

ランキング

  • 最新