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2024年1月31日

運動にはどんな効果がある?「体を動かすと健康にいい」と言われる理由 (3/3)

WHO(世界保健機関)は、死亡に関わる危険因子の第4位に「身体的不活動」をあげています。

身体的不活動とは、平たくいえば運動不足のこと。これが第1位の「血圧」、第2位の「喫煙」、第3位の「高血糖」についで、4番目に死亡のリスクを高めているのです。

生活環境の整備が進んだことで、あまり体を動かさなくても、いろいろなものを簡単に手にすることができる世の中になりました。

しかし、健康のためにも例えば公共交通機関を利用せずに、1日行動してみるなど、あえて不便な状況に身をおいてみる、1日8000歩以上の歩数を維持するなどのミッションを掲げたりすることで、意識的にからだを動かすことが重要となりつつあります。

「自分のペースでゆっくり歩行するだけでは運動効果は期待しづらいため、減量目的であれば、意識して歩行スピードを上げ、かつ歩幅を大きく保つことで、“一日一万歩”歩くことでのカラダの変化が期待できます」

「1日1万歩」は意味ない?普通に歩くのと早足ウォーキング、どちらが痩せる?メガロストレーナーが解答 より

骨粗鬆症予防には、栄養と骨刺激が大切

骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムなど骨の健康に関わる栄養素を摂取すること。さらに、日光浴に加え、骨への物理的な刺激、いわゆる“骨刺激”が重要です。

ウォーキングや筋力トレーニングなど、骨刺激が生じる運動を行なうことが、骨の健康につながります。

がん予防には適度な運動を

さらに、がん予防のためにも運動は効果的です。現代人は紫外線やストレス、喫煙、暴飲暴食など「活性酸素」が発生する環境で生活しています。

活性酸素は細胞を傷つけることで老化や動脈硬化、がんなど、多くの疾患をもたらす原因と言われています。そんな活性酸素は身体的不活動でも高まると報告されています。

こんな話を聞くと、身体的不活動の状態が長いと自覚がある場合、少し心配になってきますね。健康や身体づくりのために、今日からさっそく運動を始めてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

堀越理恵子(ほりこし・りえこ)

株式会社タニタヘルスリンク公認スポーツ栄養士・管理栄養士、健康運動指導士。大学の陸上競技部の栄養アドバイザーや、実業団選手の栄養マネジメントなどを担当。選手が安心して試合に挑めるようなサポートや、引退後の食生活にも活かせるような栄養教育を心がけている。スポーツ栄養マネジメント以外に、健康セミナーの講師や健康に関するカウンセリングに携わる。今年から、競歩の岡田久美子選手へのコンディションサポートを担当【公式サイト

<Text:岸田キチロー/Photo:photo-AC>

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