フィットネス
2025年5月8日

最強の腹筋トレ「プランク」を徹底解説!鍛えられる部位やメリット、正しいフォーム、注意点まで

手軽にできる腹筋トレーニングとして人気の「プランク」。浮き輪肉やポッコリお腹を引き締める腹筋や、体を支える「体幹」までバランスよく鍛えられる、優れたエクササイズです。

プランクは短時間でも取り組みやすいため、忙しい人でも毎日の習慣にしやすいところが魅力。ただし「正しいフォーム」で行わないと効果が半減してしまいます。

日本コアコンディショニング協会副会長で運動指導者への指導を行っている石塚利光さん監修のもと、プランクで鍛えられる部位と効果、プランクの正しいフォームや注意点まで解説します。

プランクで、腹筋を中心に全身をバランスよく鍛えていきましょう!

プランクとは?腹筋を引き締める基本原理

プランクは、腕やつま先を床につけて、身体を一直線に保つ自重トレーニングです。筋肉の長さを変えずに、自重で筋肉に負荷をかける静的な筋トレであり、「アイソメトリック運動」の代表例といえます。

筋肉の伸縮を大きく行わない分、腹筋はもちろんのこと、背筋やお尻、肩周りの筋肉など体幹を総合的に強化できるのが特徴です。特にお腹の周辺を安定させる力が養われるため、ぽっこりお腹の解消にもつながります。

プランクは姿勢を一定にキープし続けることで、筋肉にタイトな刺激を与える仕組みです。動きが少ないからこそ意識を集中しやすく、フォームを崩さずに「コアの筋肉」を効果的に使い続けられます。

初心者でも取り組みやすい反面、正しい姿勢を保つためにはコツが必要となるので、しっかりポイントを押さえておきましょう。

プランクで鍛えられる筋肉と得られるメリット

プランクを実践することで、腹筋だけでなくさまざまな筋肉に効果が出ます。さらに、肩こり・腰痛に良いというメリットも見逃せません。

表面~深層部までの腹筋・体幹を鍛えられる

腹筋群(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)

プランクは特に腹直筋への刺激が強いといわれていますが、同時に腹斜筋や背中の筋肉もサポート的に働きます。身体を一直線に保っている間、肩やお尻、太ももなどもバランスを保つために使われるので、全身運動としての効果が高いといえます。このため、姿勢の改善や基礎代謝の向上が期待できるのも大きなメリットです。

また、プランクを続けることで末端の関節に過度な負担をかけずに、体幹を支える力が養われます。重心が安定することで、日常生活やスポーツ時のパフォーマンスも高まりやすく、身体をしなやかに動かすための土台作りに役立ちます。

姿勢維持のための背筋を鍛える

多裂筋

プランクは腹筋以外にも、背中側の多裂筋脊柱起立筋などもバランスよく鍛えることができます。これらの筋肉が連動して働くことで、より強固な体幹が形成され、姿勢の維持や日常動作の安定性が向上します。

脊柱起立筋

体幹部をまんべんなく鍛えることで、腰や肩への余分な負担も軽減されるため、姿勢が崩れがちなデスクワークなどの人にもおすすめです。さらに、体幹部をしっかり支えられるようになると、運動パフォーマンスの向上にも役立ちます。

プランクで肩こりや腰痛を、予防・改善できるワケ

体幹

体幹を強化すると、肩や腰にかかる負荷が分散しやすくなるため、肩こりや腰痛の症状が緩和しやすいといわれています。特にデスクワークなどの長時間同じ姿勢で作業をする人は、体幹の筋力が弱いと肩や腰へのストレスが蓄積しやすい傾向にあります。

プランクを継続的に取り入れて、腹筋と背筋のバランスを整えることで、重心が安定した美しい姿勢が保ちやすくなり、結果、予防や改善ができるということです。体幹を鍛えることはコリや痛みの緩和だけでなく、カラダ全体の動きがスムーズになるなど、健康面にも大きなメリットが期待できます。

正しいプランクのやり方と効果的なフォームを作るコツ

体幹トレーニング「プランク」の効果とやり方

正しいフォームを身につけることが、プランクの効果を最大化するカギになります。キープ時間の目安や初心者が気をつけるポイントを詳しく説明します。

プランクでは、頭からかかとまでが一直線になるように意識することが重要です。お尻が浮いたり、逆に腰が沈んだりしてしまうと、腹筋への刺激が十分にかからないだけでなく、腰部を痛める原因にもなります。腕は肩の真下に置き、首まわりの緊張を和らげるように、少し目線を前にやると良いでしょう。

キープ時間の目安は初心者なら10~30秒程度からスタートし、慣れてきたら時間を少しずつ延ばすか、より負荷の高いバリエーションに挑戦してみるのも一つの方法です。呼吸を止めずに、自然なリズムをキープしながら行うと、体内に酸素を十分に取り込めるので、効果が高まるだけでなく安全性も向上します。

基本姿勢とキープ時間の目安

基本姿勢は、鏡やスマートフォンのカメラを使ってフォームをチェックすると効果的です。まっすぐな姿勢をキープできているか確認しながら、初めは10秒程度の保持から始めてみると負荷を感じにくく、安全に取り組めます。

また、プランク実施前にストレッチポール®︎などを使って背骨を緩めて整えると、基本姿勢が取りやすくなります。

基本姿勢が取れるようになり、慣れてきたら徐々に時間を延ばして、30秒、1分と目標を上げていきましょう。最後の数秒できついと感じるくらいを目安にすると、より効率的に腹筋や体幹を鍛えることができます。

初心者が陥りやすいフォームのミスを防ぐポイント

初心者に多いミスは、お尻が上がりすぎたり腰が大きく反ったりする症状です。これは腹筋ではなく背中や腕に頼ってしまい、狙った効果が得られません。お腹を引き締めるイメージで、おへそを背骨に近づけるように意識すると腰を反らずに済みます。

もう一つ気をつけたい点は、首を下げすぎないことです。スマホを見るなどで頭を垂れがちですが、適度に前方へ視線を向けて、首と背中をまっすぐ保つようにしましょう。姿勢をうまく保つためには、呼吸を止めずにゆっくり吐き吸いを繰り返しながら行うことが大切です。

プランクの効果とやり方。筋トレ初心者は「まず30秒」から!

プランクのバリエーションでさらに効果アップ

基本のプランクに慣れてきたら、さまざまなバリエーションを取り入れることでより高い効果を期待できます。目的や鍛えたい部位に合わせて選びましょう。

プランクには、姿勢や動きを少し変えるだけで負荷をコントロールできる魅力があります。特定の筋肉を集中的に狙いたい場合や、飽きずにトレーニングを続けたいときに役立つのがバリエーションです。自身のレベルや鍛えたい箇所に応じて種類を選択していくと、効率良く体幹を強化できます。

慣れない動きは最初は難しく感じるかもしれませんが、フォームを正しく保ちながら行えば短期間でも体幹の安定感が高まり、運動効果が飛躍的に向上します。

プランク9種類|基本から応用まで!バリエーションメニュー【動画つき】

プランクを実践!動画付きトレーニングメニュー

サイドプランク:ウエストの引き締め

サイドプランクは身体を横向きにして、片肘や片手と足で支えるプランクです。横腹(腹斜筋)を集中的に鍛えられるため、ウエストラインを引き締める効果が高いエクササイズとして人気があります。

腕と足の距離や体の角度を調整するだけで、初心者から上級者まで負荷を変えられます。腰が落ちないように常に体を一直線にキープしながら、反対側も同様に行うとバランスよく腹筋を強化できます。

膝つきハイプランク:不安定感で体幹を強化

膝つきハイプランクは両手と両膝だけを床につけた姿勢で行うプランクの一形態です。接地面が少なくなることで生まれる不安定感を利用し、体幹の安定性を高めます。

慣れてきたら片腕や片脚を浮かせてキープするなど、さらに負荷を上げる方法もあります。安定させるために大腰筋や腹筋が強化されるので、ベーシックプランクの効果をさらに伸ばしたい人に適したバリエーションです。

ツイストプランク:わき腹を強化

ツイストプランクは、基本プランクの姿勢から、腰を左右にひねる動きが加わるバリエーションです。わき腹を積極的に刺激し、腹斜筋を強化できるので、くびれを作りたい人にもおすすめです。

動作中は腰を高く上げすぎたり、下がりすぎたりしないように注意しましょう。ひねる際に体幹部が安定していると、効率よく筋肉を刺激でき、腹筋周りの持久力アップにもつながります。

プランクレッグレイズ :ヒップアップ効果

プランクレッグレイズは、片脚を膝から持ち上げる、あるいは伸ばしてキックする動作をプランクに取り入れたバリエーションです。お尻や太ももなど下半身にも刺激が入り、ヒップアップや脚力向上を期待できます。

バランスを保つのが難しくなる分、体幹により強い負荷がかかるのが特徴です。最初はゆっくりとした動きで十分なので、フォームを乱さず安全に行うことを意識して取り組みましょう。

プランクどれくらい続ければ、効果が出る?

プランクの効果を実感するには、継続的な取り組みが重要です。では、どのくらいの時間と期間を続けるとよいのでしょうか。

多くの人がプランクを始める際に気になるのは、いつ頃から目に見える変化が出るかという点です。個人差はありますが、およそ2〜3週間ほど継続すると、少しずつお腹まわりの引き締まりや姿勢の変化を実感しやすくなります。

ただし、より大きな成果を望むなら3か月程度は継続することがおすすめです。プランクのフォームに慣れてきたタイミングでバリエーションを変えたり、キープ時間を延ばしたりすることで、さらに効果を高められます。

プランク1日何分くらいやればいい?

忙しい人でも始めやすいのが、1日合計1分程度のプランクからトレーニングをスタートする方法です。1回のプランク時間は上で述べたとおり10秒~でOKで、自分の体力や、その日の体調に合わせて調整しましょう。短時間でも毎日続けることで、腹筋に一定の刺激を与え続けることができます。

慣れてきたら、秒数を増やしたり回数をふやしたりして、朝晩に行うなど自分のライフスタイルに合わせて工夫すると良いでしょう。大切なのは負荷をかけ続けることで、少しずつ腹筋や体幹の持久力を高めることにつなげていくことです。

体幹を強化するためのステップアップ法

初期の段階では、シンプルな基本のプランクだけでも十分に効果がありますが、筋力がついてくると同じ負荷では物足りなくなることがあります。その際は、プランクのバリエーションや時間の延長を取り入れ、段階的に負荷を上げていくと良いでしょう。

特に慣れてくると体勢の安定度が増し、つらさを感じにくくなることがあります。そこで新しい動作を加えて肘や脚を動かす、あるいは重りを足すなど、ステップアップを行えばさらに体幹強化が期待できます。

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ダイエットにも効果的?お腹痩せや基礎代謝アップの仕組み

プランクが腹筋を鍛えるだけでなく、ダイエットにも役立つといわれる理由を解説します。基礎代謝との関係にも注目してみましょう。

図のように年齢とともに下がる基礎代謝ですが、プランクのような体幹トレーニングは筋肉量を増やすことで基礎代謝を高める効果が期待できます。筋肉が増えると消費エネルギー量も自然と増えるため、運動していない時間でもカロリーを消費しやすくなります。

また、プランクでお腹まわりを集中的に引き締めることで、見た目にも変化が現れやすい点がモチベーション維持に役立ちます。食事管理や有酸素運動と併用すれば、より効率的に体脂肪を落とし、ぽっこりお腹を解消しやすくなるでしょう。

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初心者から上級者まで!プランクを続けるコツと注意点

プランクはシンプルな運動でありながら、時間が経つにつれて慣れやマンネリが生じやすい面もあります。飽きずに続けるためには、バリエーションを取り入れたり、回数や時間を調整したりして定期的に新鮮さを加えることが重要です。

また、体調や体力の変化を見ながら無理のない範囲で取り組むのも大切なポイントです。体の声を聴き、関節に痛みが出たり疲労が蓄積したと感じたら、フォームや休養の見直しを行いながら安全に続けましょう。

飽きずに取り組むためのメニュー例

毎日同じプランクだけを行っていると、どうしても飽きがきてしまいます。そこで、サイドプランク・ツイストプランク・など、数種類のプランクをローテーションでこなすメニューを組んでみましょう。

サイドプランク(横向きプランク)の効果とやり方、アレンジトレーニング

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リバース(仰向け・逆)プランクの効果的なやり方

筋肉への刺激も変化が生まれ、やる気が続きやすくなるうえ、より広範囲の筋肉をまんべんなく鍛えられます。週ごとに回数やキープ時間を少し見直すだけでも、進捗を実感しやすくなるはずです。

サーキットトレーニングとは。脂肪燃焼に効果的なやり方、メニュー例

身体の変化を実感しやすい記録やアプリの活用

プランクを続ける大きなモチベーションは、自分の身体の変化を実感することです。そこで、毎日行った時間や感想を簡単に記録しておくと、徐々に伸びていくキープ時間や筋肉の張り具合がわかりやすいでしょう。

スマートフォンアプリには、プランクを中心としたトレーニングメニューや継続管理ができるものも多く存在します。目標タイムやカレンダー機能を利用して記録を可視化すると、継続率が大きく上がります。

体幹強化で腹筋を鍛え、健康的なボディを目指す

プランクは短時間で効果が出やすい優れた体幹トレーニングです。継続して行うことで、腹筋の引き締めだけでなく健康的な体を作るために大いに役立ちます。

プランクを習慣化して体幹をしっかり鍛えると、姿勢が良くなり腰痛や肩こりの軽減にもつながります。さらには基礎代謝アップの効果も期待でき、ダイエットやボディメイクの面でもメリットがたくさんあります。

また、日常的に良くなった姿勢を維持し、お腹を引き込む意識を持ちながら、歩く、家事をする、座り仕事をするなどを行うことで、見た目も若々しく保ちながら、太りにくくなります。

大切なのはプランク時に正しいフォームを維持しながら自分に合った負荷で行い、無理なく続けることです。今の自分に適したプランクの種類や時間を見つけ、日々の生活にうまく取り入れていけば、引き締まった腹筋と健康的なボディラインを手に入れられるでしょう。

監修者プロフィール

日本コアコンディショニング協会 副会長
石塚 利光

日本コアコンディショニング協会 副会長
全米アスレティックトレーナーズ協会 公認アスレティックトレーナー
(BOC-ATC)
全米ストレングス&コンディショニング協会 公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト (NSCA-CSCS)
ナショナル・アカデミー・オブ・スポーツメディスン パフォーマンス・エンハンスメント・スペシャリスト&コレクティブ・エクササイズ・スペシャリスト(NASM-PES & CES)
コアコンディショニング協会では副会長として運動指導者への指導を現在も行っており、ストレッチポール(R)などの体幹ケアツールの使用方法を監修。また、株式会社LPNの新ツール「アシスティック(R)」は元水泳日本代表トレーナー、現ウエイトリフティング日本代表トレーナーの桑井太陽氏と共同開発。
現在では国内外のプロチーム、ナショナルチームで多数活用されている。
▼体幹ケア施設紹介
https://taikancare.com/trainers

<Text:編集部>