
専門家が教える、美脚を作る立ち方・歩き方・簡単エクササイズ【完全版】
- 健康
- 2020年7月22日
女性なら誰しもが持っている「美しい脚になりたい!」という願い。生活の中のちょっとした意識や心がけで、その願いを叶えることができます。
歩く姿勢や歩き方は、美脚にとても大きな影響を与えます。気づかないうちに身についてしまった悪い癖を修正し、正しいウォーキング方法をマスターすることで、体のバランスと合った「自分らしい美脚」を手に入れましょう。
細いだけじゃ美脚じゃない。美脚の条件とは
女性のみなさんは「美脚といえば細い脚」と思ってはいませんか? 美脚の条件は、細からず太からず、適度に筋肉と脂肪がついていてメリハリがあること、またその人の全身のバランスと合っていること、そしてO脚・X脚でなくまっすぐなこと。ただ細いだけでは美脚とはいえません。
美脚の具体的な条件は、両脚をそろえたときに両方の太もも・ひざ・ふくらはぎ・かかとがついていて、その間に隙間があることです。
自然に立ったときに隙間がしっかりとあれば、メリハリがあってまっすぐな脚と言えます。定期的に隙間の確認をしていきましょう。
まずは身体のバランスを確認しよう
日々の生活習慣で身体が歪んだり、立ち方に癖が出たりすることが原因で、脚のラインはどんどん崩れていってしまいます。自分の身体を把握し矯正を行なっていくために、まずは鏡の前に立ち、身体のバランスをセルフチェックしていきましょう。
全身の歪みのセルフチェック
□ 耳の高さが左右同じか
□ 肩の高さが左右同じか
□ ウエストのくびれが左右同じか
□ ひざの高さが左右同じか
□ ひざの大きさが左右同じか
立ち方のセルフチェック(壁に背中をつけてチェックする)
□ 後頭部が壁につくか
□ 両肩が壁につくか
□ 腰と壁の間が手のひらの厚さほどになっているか
□ かかとが壁につくか
チェック項目に当てはまらないものがあった場合、その部分に歪みが生じている証拠です。
骨格に歪みかないか確認しよう
次に、骨格に歪みかないか確認します。骨格の歪みは身体の代謝を悪くし、冷え性やむくみ、生理痛などの原因になり、結果的に美脚の妨げへとつながります。定期的にチェックして、歪み具合を把握しておくとよいでしょう。
足踏みチェック法
目を閉じて、両膝を交互に高く上げ、20回足踏みをします。足を止め、目を開けて足の位置を確認しましょう。足踏みをする前と足の位置がずれている人は、骨格が歪んでいる可能性があります。
長座チェック法
両足をまっすぐ前に伸ばして座りましょう。力の入っていない状態で両膝の裏の「浮き」を確認して下さい。
膝が床から浮いてしまっている場合は、浮いている方の膝に歪みがあります。
正面から見たときに、つま先の開きが60度ぐらいで綺麗な逆三角形であれば骨格の歪みはありません。片側が大きく開いている場合は、開きが大きいほうに身体が歪んでいます。
美脚には「正しい立ち方」が大事である
次は、美脚に近づく正しい立ち方の紹介です。全身のバランスを保つために重要なのが、立っているときの姿勢。普段から正しい立ち方を意識しているだけで、歪んでいる部分が矯正され、筋肉のつき方が整い、美脚効果が生まれるのです。正しい立ち方ができているか、壁を使って自分でチェックしてみましょう。
1.両足をそろえ壁を背にして両手を上げ、まっすぐ立ちます。後頭部・肩・おしり・かかとの4点を壁につけ、両手をゆっくり左右に開き、両腕を下ろします。
2.そのままの状態で、壁と腰の部分の隙間に手を入れてみましょう。手のひらの厚みぴったりぐらいの隙間がベスト。手のひらの厚みよりも大きくあいている場合は反り腰になっている状態で、腰にかなり負担がかかっています。
隙間が大きく空いている場合は、腹筋を使って腰を壁に寄せ、骨盤を立たせる意識をします。隙間が手のひらの厚み程度になり、姿勢が整ったら、壁から一歩離れて立ってみましょう。この姿勢が、理想の美しい立ち方です。普段からこの姿勢が維持できるよう心がけましょう。
正しい歩き方も習得しよう
正しい歩き方は、前述の「正しい立ち方」が基本になります。
前に出した足は膝の裏を伸ばすようにしてかかとから着地します。出した足に体重をかけたら、反対の足の膝裏をしっかりと伸ばし、かかとを上げます。着地した足をつま先で蹴り出すと同時に、反対の足を前に出し、かかとで着地します。この歩き方を左右繰り返して進んでいきます。
歩幅は自分の肩幅より少し大きくとります。一直線上ではなく、線をはさんで歩くイメージで足を運びます。顎を引き、目線は10メートル先辺りを見るようにしましょう。胸を張り、堂々と歩くイメージで行なってください。
正しい姿勢を意識することで普段使わない筋肉を使うため、少しキツイと感じるかもしれません。しかし身体が慣れてくると、正しい姿勢でいることが一番ラクと思えるようになるはずです。無理せず自分のペースで、徐々に身体に定着させていきましょう。
O脚とX脚の特徴と矯正エクササイズ
普段の姿勢や歩き方のクセなどが影響して、気付かないうちに関節が歪み、O脚やX脚になっている人が多く見られます。アルファベットのOの字に見える脚がO脚。両膝と太ももの間にすき間があき、両つま先とかかとがつく形です。
床に座る習慣のある日本では約8割がO脚ともいわれています。アルファベットのXの字に見える脚はX脚、いわゆる内股。O脚と逆で、両膝と太ももがくっつき、両つま先とかかとが付かない形です。X脚が悪化すると、膝同士がぶつかり合って痛みを感じるようになることもあります。
O脚・X脚を改善するエクササイズ
脚の内側の筋肉を鍛えることで膝の歪みを取り、本来の脚を取り戻しましょう。
ローリングツイストウォーキング
O脚・X脚それぞれの改善が期待できるウォーキング法です。
次に左脚を右脚とクロスさせるように前に出すと同時に、上半身を左に大きくひねります。この動きを交互に繰り返します。上半身が正面を向くタイミングで、後ろ側にある脚の膝裏を充分に伸ばしましょう。
バレリーナスクワット
◆O脚の場合
◆X脚の場合
背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、両足のかかとをつけたままつま先を約60度に開きます。両膝をつけたまま腰を落とせるところまで落とします。腰を落とした状態で両膝を外側になるべく大きく開いていきます。両膝を開いたまま元のまっすぐな姿勢に戻ります。これを10回繰り返します。
▲腰を落とした時に、背中からお尻が一直線になるように気をつけましょう。お尻を突き出すのはNGです。
足首・ふくらはぎを引き締めるトレーニング
O脚・X脚の改善に加えて、足首とふくらはぎを引き締めることにより、さらに脚全体のラインが美しくなります。
つま先ペンギン歩き
手を後ろで組んで背筋を伸ばし、つま先立ちをします。右脚を前に出して組んだ手を後ろに大きく振り上げ、つま先から着地しながら組んだ手でお尻をポンとたたき、同時に今度は左脚を前に出します。右脚と左脚を交互にテンポよく5回繰り返します。
つま先ペンギン歩きは、足首、ふくらはぎの引き締めだけでなく、肩甲骨のコリや猫背の解消にも効果があります。また、後ろに組んだ手でお尻をたたくことでおしりがキュッと引き締まり、ヒップアップにも効果的です。
足指ウォーキング
足の指を使って、前に進んでいきます。地味な動きですが、かなりふくらはぎの筋肉を使います。部屋の隅から真ん中まで、というように目標を決めて行ないましょう。
真の美脚とは、筋肉と脂肪が適度についている脚のこと
本当の美脚とは、ただ華奢な脚ということではなく、筋肉と脂肪がつくべきところに適度についている脚を指します。両太ももの間の隙間が大幅に開いていたり、脂肪が少なく骨々しい膝周りでは美脚と呼べないのです。かといって、脂肪だらけのブヨブヨした太ももはもちろんNG。筋肉の大半を占める太ももとヒップがしっかりと引き締まっているかどうかで、脚の見た目がだいぶ変わります。
必要な筋肉と脂肪がバランスよくついた美しい脚に近づけるために、太ももとヒップを引き締めることができるエクササイズを行なってみましょう。
太もも全体の筋肉を動かすエクササイズ
太ももに脂肪が付きやすい原因は、太ももの筋肉を十分に使えていないことや、冷え、むくみ、老廃物が溜まりセルライトが付くなどさまざまです。太もも全体の筋肉を動かすエクササイズで、これらの問題をいっきに解消しましょう。
もも上げ行進
顔は前を向き、目線を落とさずに背筋を伸ばして立ちます。右太ももをできるだけ高く上げて、左腕を床と垂直になるよう伸ばします。左腕を下ろしながら、右脚のかかとで着地します。左太ももをできるだけ高く上げて、右腕は床と垂直になるように伸ばします。右腕を下ろしながら、左脚のかかとで着地します。これを左右交互に繰り返します。
「もも上げ行進」は、大きく脚を振り上げることで太ももの前側、後ろ側の筋肉を強化でき、下に垂れがちなボディラインを引き締める効果があります。
空中散歩
椅子に浅く座り、背筋を伸ばして座ります。両脚を揃えたまま太ももを上げ床から少し浮かせます。片足ずつ交互にできるだけ高くふり上げます。これを10回繰り返します。キツい場合、慣れるまで椅子を掴みながら行なっても大丈夫です。
「空中散歩」では、太ももの筋肉、腹筋を鍛えることができます。腹筋が弱い人は、上半身が後ろに反ってしまいがち。しっかりとふんばれるように鍛えていきましょう。
お尻の位置を高くして脚を長く見せるエクササイズ
ヒップの位置が高いと、脚が長く見えて全身のバランスが整い、スタイルがよく見えます。ヒップアップとは、「お尻に筋肉をつければヒップが上向きになる」と勘違いされがちですが、実はそうではありません。お尻に筋肉をつけすぎると当然お尻が大きくなり、バランスの悪いスタイルになってしまう可能性もあります。ヒップアップのためには、骨盤のゆがみやこりをほぐし、お尻を引き締めるエクササイズをすることが効果的です。
ナンバ歩き
背筋を伸ばして立ち、視線を落とさないように真っ直ぐ前を見ます。右手と右脚を同時に大きく一歩出し、かかとから着地します。右脚に体重をかけたら、左脚のひざ裏をしっかり伸ばします。
左手と左脚を同時に大きく一歩出し、かかとから着地します。左脚に体重をかけたら、右脚のひざ裏をしっかり伸ばします。これを2~5回繰り返しながら前に進みます。その後、同様の動きで後ろ歩きをするとなお効果的です。
お尻歩き
背筋を伸ばして長座をし、目線はまっすぐに向き足首を上向きに立てます。両腕を曲げ脇を締めます。お尻も引き締めるように力を入れます。上半身をサイドにひねるようにしながら、右脚と右腕を同時に前に出し、その後左脚と左腕を同時に前に出します。お尻で歩くイメージです。
この動きで10歩前に進み、10歩後ろに戻ります。この時、両膝が離れないように気をつけましょう。
これらのエクササイズを繰り返し行なうことで、美脚に必要な筋肉がついてきます。すぐに効果が出ないからと諦めず、自分のペースで気長に続けることが、美脚になるための近道です。
<美脚を手に入れるウォーキングエクササイズ>
・きれいな脚になる準備。まずは全身の歪みをセルフチェック┃特集:美脚を手に入れる、ウォーキングエクササイズ #1
・美脚に近づくレッスン。正しい立ち方、歩き方を体得する┃特集:美脚を手に入れる、ウォーキングエクササイズ #2
・O脚・X脚の矯正&足首・ふくらはぎのエクササイズで美脚ラインをゲット┃特集:美脚を手に入れる、ウォーキングエクササイズ #3
・これで完璧!太ももとヒップを引き締めて脚全体のバランスを整えよう┃特集:美脚を手に入れる、ウォーキングエクササイズ #4
[監修者プロフィール]
斉藤美恵子(さいとう・みえこ)
ボディスポット ぺルヴィシャス代表。レッグコンシャリスト、身体均整師、ウォーキングスタイリスト。30年間にわたり、2万人以上の女性の骨格や脚の悩みを解決。その実績から、テレビや雑誌の美脚・ダイエット企画、企業セミナー、商品開発なども手掛ける。著書多数
【公式HP】https://pelvicious.jp/
<Text:こいけおとふみ(オフィス・サウス)+アート・サプライ/Photo:下林彩子>