インタビュー
2018年9月29日

NGT48・長谷川玲奈「私と友だちがきっかけで、地元の野球少女が増えたんです」(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#15 (2/3)

ユニフォームを真っ黒にしながら練習した

――普段はどんな練習をしていたんですか?

体力づくりがメインで、夏休みには毎日3キロ走った後に、アメリカンノックという守備練習をやったり。とにかく休む時間がなかったです。練習場になっていた球場のグラウンドが黒土だったので、いつもユニフォームを真っ黒にしながら練習してました。

――男子顔負けに練習していたんですね。

個人的に泥遊びは好きだったので、グラウンドに飛び込むのは楽しかったんですけど、黒土は光を吸収してすごく熱くなるんです。太陽の光とグラウンドの熱が合わさって、暑さがつらかったのが印象に残ってます。

――新潟県の豪雪地帯ですが、冬でも野球はできたんですか?

保護者の中に除雪車を持ってる方がいて、グラウンドを雪かきしてくれるんです。だから、冬でも構わずノック練習とかしてましたね。

――練習が厳しいと嫌になることもあると思います。野球をやめて友だちと遊びに行きたいと思うことはなかったんですか?

全然なかったですね。練習が楽しかったので。今まで守備で取れなかった打球に手が届くようになったり、チームメイトから「ナイスプレー!」って褒められたりするのもうれしかったですし。お互いにアドバイスをして上達していくのが楽しかったです。監督とチームメイトには「絶対に女の子扱いしないで!」と言ってたので、男の子同士みたいに接してました。

――それだけ練習しても試合に出られないのは悔しいですね。

そうですね。でも、引退するときに監督から呼ばれて感謝されたんです。それは、すごくうれしかったですね。というのも、当時、市内で野球を習ってる女子って私と友だちのふたりしかいなかったらしいんですよ。でも、私たちの姿を見て野球を始める女の子がいて、最終的には私たちのチームだけで女子が6人まで増えて、さらに他の地域でも増えたらしいんです。それで監督から「ありがとう」って。

――それは嬉しいですね。

今NGT48で一緒に活動している小熊倫実(おぐま・つぐみ)ちゃんは、ソフトボールの経験者なんですけど、実は彼女が競技を始めたのは、私がきっかけだったらしいんですよ。

――というと?

彼女のお兄ちゃんも野球をやっていて、中学生のときに私のチームと対戦したことがあるんです。そのときに彼女のお母さんが試合を見ていて、「男子に混ざって野球をやってる女の子がいた」という話を聞いたことで、部活をソフトボールに決めたって聞きました。それで今は一緒のグループにいるなんて、すごい偶然ですよね(笑)。

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