インタビュー
2018年11月15日

部員ゼロからチームを作り上げた。足立佳奈さん、チームスポーツや部活で大切なことってなんですか?(前編) (1/3)

 「LINE×SONY MUSICオーディション」で12万5094人の中からグランプリを獲得した19歳のシンガーソングライター、足立佳奈さん。10代の中高生から大きな人気を集め、TBSドラマ「チア☆ダン」にダンス部員役として出演し話題になりました。

 そんな足立さん、小学校のころから野球を習っていた根っからのスポーツ少女なんです。しかも中学時代には同級生ゼロからソフトボール部の部員を集め、練習に来ない部員には家まで行って説得するなど、チームのために奔走する日々を送りました。なぜそこまでチームために努力できるの? 足立さんが部活で学んだ「チームスポーツをするうえで大切なこと」を聞きました。

同学年部員ゼロから11人を集めるけれど野球経験ゼロ

――お兄さんの影響で野球を始めたそうですね。

はい、お兄ちゃんも野球をやっていたので、私もやりたいなと思って、小学校3年生から少年野球チームに入りました。読売巨人軍が好きで、もう引退されましたが高橋由伸選手に憧れていましたね。

――どんな選手でしたか?

自分で言うのもなんですが(笑)、俊足のレギュラーメンバーでした。ポジションはセカンドで、打順は6番。右投げなのですが、打つ方は左右両方の打席で打てるスイッチヒッターだったんです。

――打者が女の子なんて相手チームのピッチャーは驚きそうですね。

実は、女の子だと思われていなくて、完全に男の子だと思われていました。髪の毛が短くて真っ黒だったので(笑)。

▲野球をしていた頃の足立さんは周囲から男の子だと思われていたそう

――中学ではソフトボール部に入部しましたが、なぜ野球部に入らなかったんですか?

最初、野球部(硬式)に行ったのですが、「練習には参加できるけど、公式の試合には出場できないよ」と言われ、野球部は諦めました。今は、女子硬式野球部のある学校もあるそうなんですが……。それで、(女子部員が多く試合にも出場できる)ソフトボール部に入りました。ただ、先輩は20人ほどいたのですが、私の学年でソフトボール部に入部したのは私1人。「これじゃあチームが作れない!」と思って、同級生の女の子たちのところに行って、「足立佳奈です。ソフトボール部に入ってください」と声を掛けて回りました。それで11人が入部してくれて、12人でチームをスタートさせることができました。

――どんなメンバーが集まったんですか?

2人だけサッカーをやっていた子がいたのですが、あとはみんな、スポーツをやったことがない子たちでした。キャッチボールもできない状態で、「ボールを触るのも怖い」という子もいたんです。

――それは大変そうですね。集まったメンバーの反応をみてどう感じましたか?

ヤバいな、と思いました(笑)。「こんなのやるんじゃなかった」とも。公式戦に出場できなくてもいいから野球部に入ればよかった……とちょっぴり後悔も。

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