フィットネス
2025年5月23日

「デッドリフト」の効果とやり方|初心者~中級者向けメニューを徹底解説 (4/4)

【必見】デッドリフトで注意すべき7つのポイント

デッドリフトは筋力トレーニングの中でも特に効果的な種目ですが、正しいフォームを守らないと怪我のリスクが高まります。デッドリフトを行う際に注意すべき7つのポイントについて、詳しく解説します。

デッドリフトはトレーニング前半に行う

デッドリフトは、全身の筋肉を使うため非常にエネルギーを消耗します。そのため、筋肉の疲労が少ないトレーニング前半に行った方が、高重量を扱うことができ、多くの筋肉を効率よく鍛えることができるでしょう。

また、高重量を扱うときは集中力も必要なため、疲労が溜まっていない前半の方が正しいフォームや動作を行いやすいといえます。

背中は丸めない

デッドリフトを行う際に、もっとも重要なのが、背中を丸めずに自然なアーチを保つことです。背中が丸まると、腰に過度な負担がかかり、腰痛や怪我の原因となります。

ケガを防ぐためにも動作中は胸を張り、腰を少し反らせたような姿勢を保持して行うことが大切です。これは、軽い負荷で行っている時でも必ず意識しましょう。

できるだけバーの軌道をカラダに近づける

デッドリフトでは、バーの軌道を体に近づけることが大切です。バーが体から離れると、重心がずれ、腰や背中に余計な負担がかかることになります。バーがスネに触れるくらいの距離を保ち、引き上げる際も体に沿わせるように意識しましょう。これにより、効率的に力を伝え、怪我のリスクを減らすことができます。

高重量でしっかり追い込む

デッドリフトは、高重量を扱うことで筋力を飛躍的に向上させることができます。適切な重量設定で、限界まで追い込むことがポイントです。ただし、無理に重い重量を扱うとフォームが崩れる可能性があるため、まずは正しいフォームを習得することを優先しましょう。徐々に重量を増やしながら、筋力を効果的に鍛えていきましょう。

筋トレの重量設定と回数、よくある「間違った決め方」とは

定期的にストレッチを交えて行う

デッドリフトを効果的に行うためには、柔軟性が非常に重要です。柔軟性が不足していると、正しいフォームを保つことが難しくなり、怪我のリスクが高まります。

特に、ハムストリングスや股関節の柔軟性は、バーを持ち上げる際の腰や背中の適切な動きをサポートします。柔軟性があることで、動作範囲が広がり、より多くの筋肉を効果的に刺激することができるでしょう。

柔軟性を向上させるためには、トレーニング前後にストレッチやヨガなどの柔軟運動を取り入れることが有効です。

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デッドリフトに関するよくある質問

デッドリフトを行うにあたって、よくある疑問に回答!事前に疑問を解消して、トレーニングをより効果的に進めましょう。

Q.デッドリフトとスクワットの違いは?

A.どちらも下半身を中心に鍛える主要なエクササイズですが、動作や効果には明確な違いがあります。

<鍛えられる筋肉部位の違い>

大雑把に分類するならば、デッドリフトは体の裏側(背中や臀部)、スクワットは太腿の前面(大腿四頭筋)と腰を鍛えるのに適しています。

デッドリフト:ハムストリングス(太もも裏)、臀部(お尻)、背中

スクワット:大腿四頭筋(太もも前)、臀部(お尻)、ふくらはぎ

<動作と効果の違い>

デッドリフト

動作:床からバーベルを持ち上げる
効果:体幹の安定性を高める

スクワット

動作:しゃがみ込む
効果:下半身の筋力を全体的に強化する

デッドリフトは主に背中やハムストリングス、臀部を鍛えるのに対し、スクワットは大腿四頭筋や臀部、ふくらはぎを重点的に鍛えます。動作の違いとしては、デッドリフトは床からバーベルを持ち上げる動作が中心であるのに対し、スクワットはしゃがみ込む動作がメインです。

また、デッドリフトは体幹の安定性を高める効果があり、スクワットは下半身の筋力を全体的に強化する効果があります。このように、目的や鍛えたい部位によって使い分けることが重要です。

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Q.デッドリフトの重量設定はどう決める?初心者は何キロ?

A.一般的に、初心者は自分の体重の50%からスタートするのが良いとされています。

これにより、フォームを正しく保ちながら安全にトレーニングを続けることができます。

重量設定を行う際には、無理をせず、自分の体力や経験に応じて調整することが大切です。フォームが崩れない範囲で徐々に重量を増やしていくことで、効率的に筋力を向上させることができます。

筋トレの重量設定と回数、よくある「間違った決め方」とは

Q.デッドリフトのRMの目安は?

A.筋力増強を目的とする場合は1〜5RM、筋肥大を目指すなら6〜12RM、筋持久力を高めたい場合は15RM~20RM以上が目安です。

デッドリフトの重量設定を考える際、RM(Repetition Maximum)は非常に役立つ指標です。RMとは、最大で何回持ち上げられるかを示す数値で、筋力レベルに応じた目安を知ることができます。

目的に応じてRMを設定し、効果的なトレーニングを行いましょう。

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Q.握力が持たなくなったらどうすればよい?

A.オルタネイトグリップ方式で持つのがおすすめです。

デッドリフトでは、重量が増すにつれて握力が限界を迎えることがあります。そんな時には、オルタネイトグリップ方式を試してみましょう。

この方法では、片方の手のひらを前に、もう片方を後ろに向けてバーを握ります。これにより、バーが転がることを防ぎ、より重い重量を持ち上げることが可能になります。握力を補助しつつ、安全にトレーニングを続けましょう。

著者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
公式HP公式Facebook

<Text:和田拓巳/Photo:角谷剛>

監修者プロフィール

株式会社ストレージ王
坂上 正洋(さかうえ・まさひろ)

大学時代パワーリフティングで全日本2位。ボディビル全日本出場経験あり。
現在は少年野球の監督を行っている。

サービスサイト:https://www.storageoh.jp/
コーポレートサイト:https://www.storageoh.co.jp/

 

※本記事は2024年に公開された内容に、坂上 正洋氏の監修を追加しました。(2025年5月 追記)

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