懸垂(チンニング)バーの握り方|順手、逆手、広く握る、狭く握る…効果の違いは? (3/3)
左右交互で握りを変える「オルタネイト・グリップ」
「オルタネイト・グリップ」は、片方の手を順手、もう片方の手を逆手に握って行う懸垂です。
オルタネイト・グリップ
左右で違う動きを強いられ、どちらかが弱点をカバーすることもできません。そのため、普段は気がつきにくい弱点を見つかることがあります。
どちらかのペアリングが極端に弱い場合、左右の筋力がアンバランスになっている可能性があります。それを試す意味でも、一度行ってみてはいかがでしょうか。
瞬発力を高める「ハンド・リリース」
「ハンド・リリース」は、鉄棒が顔の前に来たぐらいの位置で、ジャンプするように一瞬両手を鉄棒から離し、また握り直す懸垂です。
瞬発力と握力を要求される動作です。上の左右交互のグリップで始め、握り直すときに左右の手を交代させるやり方で行うとさらに難易度が上がります。
腹筋も同時に鍛える「エル・シット」
懸垂を行うと同時に、両足を伸ばしたままで腰の高さまで上げ、一旦停止します。
上半身に加えて、体幹力アップに効果があります。
体と地面を並行に保つ「フラッグ」
鉄棒を握り、体全体を浮かして地面と平行に保つ荒技「フラッグ」。大変難しい動作で、私もできません。
しかし、ジャングルジムを使って横の棒を両手の向きを合わせるようにして握る(ニュートラル・グリップ)と、ほんの一瞬だけではありますが体を地面から浮かせることができます。
縦の棒を正面に向かって握る(プロネイテッド・グリップ)だと、まったく歯が立ちません。
こちらも握り方を変えることによって、ある動作の負荷がいかに変わるかを示す好例ではないでしょうか。
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[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
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<Text & Photo:角谷剛>