2022年4月15日

デトックスとは。デトックススープ、デトックスウォーター…効果あるの?

 体を鍛えている筋トレ民も、細くなりたいダイエット民も、時には食べすぎ、飲みすぎることもあるでしょう。どうやったらリカバリーできるのか。ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・瀧川みなみさんに、よくあるギモンを聞いてみました。

 今回は美容界隈でよく聞く「デトックス」について。デトックスとはなにか、スープやお茶などで毒素を排出することは可能なのか。さまざまなウワサが飛び交うデトックスを管理栄養士の視点から見ていきます。

Q.よく「食べ過ぎたらデトックススープでダイエット」とか「デトックスウォーターで身体の毒素を出す」など聞きますが、なにか効果は期待できるのでしょうか。そもそもデトックスとはどんな意味で使われることが多く、カラダに何かメリットはあるのでしょうか。

A.使用する食材によってはその栄養素がもつ働きを期待できるかもしれませんが、根拠となる論文や検証は見つかっていないのが現状です。

 デトックスには、もともと「解毒」という意味があります。そこから派生していき、現在では「体内にたまった老廃物や有害な物質の解毒・排出をうながすこと」も指すようです。基本的にこれらの物質は、肝臓や腎臓である程度まで処理されたあと、大半は便、尿などから排出されていきます。

 デトックス自体は元来カラダに備わっている機能であり、老廃物など不要物を排出することで、心身の状態を正常に保っています。

 ただ、日頃の食事内容や生活習慣、ストレスの多い生活などが原因でうまく体内の不要物が排出できない状態が続くと、便秘や肌荒れ、肩こりなどのトラブルにつながる場合があります。その状況でデトックスを行うことでカラダ本来の機能を取り戻し、不調が改善されやすくなるというメリットを感じる方もいるでしょう。

老廃物や毒素って溜まるの?

 腸内を例にとると、不要物は「便」にあたります。これが正常なサイクルで体外に排泄されない状態がいわゆる便秘で、便に含まれる老廃物などが体内に溜まっている状態となります。

デトックススープやデトックスウォーターにメリットはある?

 一般にデトックスウォーターとは、水に野菜・フルーツ・ハーブなどを浸して作るフレーバーウォーターのことです。また、デトックススープは明確な定義やレシピなどは見当たりませんでしたが、主に複数の野菜を主原料とし、シンプルな味付けで作られたスープであることが多いようです。

 両者とも、巷では体内の老廃物排出によるダイエット効果、美肌効果、脂肪燃焼などが効果として謳われているのをよく見かけます。

 しかし、実際にどれほどの栄養素が液体に溶け出すかの検証や、一般的に言われている効果の根拠となる論文などは今のところ存在していません。ただ、使用する食材によってはその栄養素がもつ働きを期待できる部分もあるでしょう。

 たとえば、フルーツの浸出液であれば水溶性のビタミンCは抗酸化作用・肌の調子を整える、カリウムはむくみ改善、クエン酸は疲労回復・新陳代謝を助けるなどです。また、野菜を使用すれば食物繊維が摂れることにより腸内環境の改善・便秘の解消などに役立つでしょう。色の濃い野菜に含まれるカロテンには、粘膜をすこやかに保つ・抗酸化作用・免疫力を高めるのを助けるなどの働きがあります。

参考:野菜を食べるメリットとは?野菜不足の症状やデメリット|マッスルデリ管理栄養士が解説

デトックスするとしたらおすすめの方法は?

 基本は、肝臓と腎臓の機能を正常な状態にもどす、または機能低下を防ぐことがポイントとなります。そのために、「栄養バランスの良い食事」「十分な睡眠(休息)」「適度な運動」は大切な要素です。「栄養」「睡眠」「運動」の3要素で思いあたる節がある方は、まずここから整えて土台をつくりましょう。

 そのうえで、特に肝臓や腎臓をいたわるポイントは以下のとおりです。

・水分をこまめに摂り、トイレをガマンしない
・イカ、ホタテ タコなどを意識的に食べる
・アルコールは適量に留める
・塩分、脂質を過剰に摂りすぎない
・運動や入浴などで血流の良い状態をつくる

 水分はしっかりと補給しましょう。水は体内のあらゆる代謝活動において利用されています。また、体内水分量が不足している状態は腎臓への負担がかかりやすい状態となります。普段から水分摂取量が少ないと感じている方は、意識して摂取してみてください。

 イカ、ホタテ、タコなどには「タウリン」という成分が豊富に含まれています。タウリンには、肝臓の機能向上や、高血圧の予防などが期待できます。

 そして過剰な脂質・アルコール摂取は避けましょう。これらは主に肝臓に負担をかけ、塩分のとりすぎは腎臓に負担をかけてしまいます。

 最後のポイントとなる「血流の良い状態をつくる」。各臓器への血流量が上がることにより、必要な酸素や栄養素などがいきわたりやすくなります。結果として臓器の機能もアップしやすくなるでしょう。

 肝臓や腎臓に疾患をお持ちの方には上記が当てはまらない部分もありますので、かかりつけの医師にご相談されることをおすすめします。

[プロフィール]
瀧川みなみ(たきかわ・みなみ)
株式会社Muscle Deli管理栄養士、調理師。青山学院大学文学部卒業後、専門学校で調理師、食生活アドバイザー、栄養教諭を取得。専門学校卒業後は大手外食企業で働きながら管理栄養士を取得。接客、店舗管理、副料理長を務めたのち本社の商品企画・開発部門でデザートメニューの商品開発をおこなう。その後、クラウドレストランを運営するベンチャー企業に転職し、8ブランドの立ち上げを実現。より多くの人に向けて体・健康づくりの手伝いがしたいと思い、Muscle Deliに入社。商品開発、栄養指導、レシピやコラム作成等を担当。プライベートでは料理教室や食事に関するセミナーなどのイベントを主催。

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<Text:編集部>