ヘルス&メンタル
2023年6月5日

吹き出物(ニキビ)の場所で「体の不調」がわかる?

「体調がすぐれないときは吹き出物が出やすい」「吹き出物が治っても繰り返し出てしまう」

このようなお悩みがある方はいませんか?今回ご紹介する内容は、吹き出物と不調の関係です。対策もあわせてお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

吹き出物ができる場所は体調によって変わる?

実は、体の不調によって吹き出物が現れる場所が変わります。吹き出物の現れる場所は、不調の原因を伝えるサインであるとも言えるのです。ここでは、その具体例を紹介します。

胃腸の不調

胃腸が弱っているときにできやすいのが、「口まわり」の吹き出物です。胃腸と口はつながっているため、胃腸の不調が吹き出物として現れやすいと言われています。

胃の不調には、胃もたれや消化不良などがあり、腸の不調には便秘などがあります。食べ物による影響のほか、胃に負担をかける薬やストレスなどが原因として考えられるでしょう。

ホルモンバランスの乱れ

生理前後や更年期などでホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌が過剰になって吹き出物が出やすくなります。とくにホルモンバランスが影響しやすいのは、皮脂腺が多くある「アゴの周辺」や「おでこ」です。

ホルモンバランスは、疲労やストレス・睡眠不足などでも乱れやすくなります。

新陳代謝の低下

肌の新陳代謝によって吹き出物が現れやすいのはフェイスラインです。フェイスラインとは「顔の下半分」や「ほほ・口まわり」「アゴ」などを指します。

新陳代謝とは、肌を古い細胞から新しい細胞に入れ替える仕組みです。肌の新陳代謝が低下すると、厚くなった角質層がうまくはがれずに毛穴を詰まらせてしまうため、吹き出物の原因となってしまうのです。

不規則な生活や無理なダイエット、喫煙や運動不足などが原因で新陳代謝が乱れ、吹き出物が出やすくなります。

不調別に見る吹き出物対策

それでは、現れてしまった吹き出物にどのように対策したらよいか、不調別にお伝えします。

胃腸の不調には「食生活の見直し」

和食

食べすぎ、胃もたれ、便秘などが原因となり、吹き出物を作っていることが多くあります。暴飲暴食が続いていないか、栄養バランスの悪い食事になっていないかなど、食生活をもう一度見直してみましょう。

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ホルモンバランスの乱れには「心身のリラックス」

お風呂に入る女性

ホルモンバランスを整えるためには、リラックスすることが大切です。お風呂にゆっくり入る、マッサージをするなど、1日のなかで少しでもリラックスできる時間を作りましょう。

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新陳代謝の低下には「肌の保湿」

新陳代謝が低下した肌は、古い角質層がたまった状態で乾燥しやすくなっています。

まずは、生活習慣を整えることが基本ですが、肌にうるおいを与え、保つことも新陳代謝を促進するうえで大切です。

洗顔後の清潔な肌に化粧水で水分を与え、乳液やクリームなどの油分でうるおいが逃げないようにしっかりふたをしましょう。

肌トラブルには漢方薬でのアプローチも効果的

どんなに対策をしても繰り返しできてしまう吹き出物には、皮膚科の治療でも使われている漢方薬がおすすめです。漢方薬は、自然由来の成分で体に優しく働き、体が本来もつ自然治癒力を高めるサポートをします。

吹き出物などの肌トラブルの原因には、肌の新陳代謝の低下によって皮脂が毛穴に詰まり、炎症がおこることが考えられています。また、過剰な皮脂分泌、ホルモンバランスの乱れなども原因になります。

肌トラブルの改善には、「肌の新陳代謝をよくして毒素を出す」「過剰な皮脂分泌を調節する」「肌の炎症を鎮める」「ホルモンバランスの乱れを整える」などの働きがある生薬を含む漢方薬を選びましょう。

漢方薬は、肌トラブルの原因を根本から改善するため、うるおいのある健康的な肌を手に入れられます。

肌トラブルにおすすめの漢方薬

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

炎症や腫れを冷まし、血流をよくして膿を排出することでかゆみの強い湿疹やニキビを改善します。鼻詰まりや扁桃炎にも使われます。

桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)

「桂枝茯苓丸」に、肌荒れなどでよく使われる薏苡仁(ハトムギ)を加えた漢方薬です。桃仁(とうにん)や牡丹皮(ぼたんぴ)が血流をよくして、肌に栄養がいきわたるようにします。さらに薏苡仁が肌に作用して、シミやニキビなどの肌トラブルに用いられます。生理前後や更年期に現れやすい症状にも効果的です。

温清飲(うんせいいん)

血流をよくして体を温めます。熱や炎症をおさえて水分を保持するため、肌の乾燥による湿疹や皮膚炎に使用します。のぼせや手足のほてりを取る作用やホルモンバランスを整える働きが期待できるので、月経周期や更年期に伴ってイライラする傾向の方によく使われます。

このほかにも、吹き出物の原因やその人の体質によって胃腸を整える漢方薬や、体全体の新陳代謝を高めるような漢方薬を使うことがあります。体の内側へアプローチすることで、不調の根本から改善するのです。

たくさんある漢方薬の中から、どれが自分の体質や症状に合っているのかを見極めるためにも、専門家のアドバイスに従いましょう。きちんと合ったものでないと効果が感じられないばかりか、副反応が生じることもあるためです。

最近ではAIを利用して漢方の専門家が適切な漢方薬を選んでくれるサービスもあります。スマホがあればお手頃価格ではじめられるのでぜひ試してみてください。自宅に配送もしてくれます。

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体の不調を知って吹き出物を根本から改善しよう

なかなか治らない吹き出物の原因は、体の内側にあるかもしれません。肌は、目に見えない体のなかの状態をうつす鏡なのです。

適切な肌ケアに加え、日々の生活習慣や食生活を見直すことが大切です。体の外側体内側からも磨いて、ピカピカ肌を目指しましょう!

竹田由子<この記事を書いた人>
竹田由子(たけだ・よしこ)
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」でも情報発信をしている。

<Edit:編集部>