
なぜ?プロテインで「腸内環境悪化」。便秘治ったという声もあるけど…どっち? (2/2)
- 健康
- 2023年11月2日
便秘が良くなる原因
プロテインが直接作用して便秘が治った・快便になったということは考えにくいです。そのため、便秘が治ったという場合、プロテイン以外の要因が関係している可能性があります。
例えば、
- 食事内容の改善
- 運動習慣の増加
などです。
「タンパク質は便を硬くする作用がある」ってホント?
タンパク質によって、便が硬くなる可能性は考えられます。しかし、「タンパク質そのものが便を硬くする作用がある」というのは間違いだと言えるでしょう。
先述した通り、タンパク質を摂取することで、
- タンパク質が消化する過程で、窒素が発生する
↓ - 窒素は悪玉菌のエサとなるため、悪玉菌の増殖につながる
↓ - 腸内環境のバランスが崩れ、便が固くなる
ということが起こるため、タンパク質の摂取によって便が固くなる可能性は考えられます。
しかし、便が固くなるのは運動不足・食生活が原因のことが多いです。そのため、便秘解消のためには、適度な運動とバランスの良い食事を心がけましょう。
タンパク質摂り過ぎによるデメリット
タンパク質を摂取しすぎると、消化管への負担増加や腸内環境の変化から、
- 吐き気
- 嘔気
- 下痢
- 便秘
などの症状が起こる可能性が考えられます。
稀ですが、重症な場合は高アンモニア血症を起こし、意識障害を引き起こすこともあります。
摂り過ぎのライン
いくつかの論文を整理すると、日常的に摂取するタンパク質の上限としては以下の通り。下の数値内に収めることを意識すると良いでしょう。
摂取量 | 備考 | |
・運動習慣がない人 ・負荷の低い運動習慣がある人 |
〜2.0 g/kg/日 ⇒体重50kgなら~100g/日 |
長期的な摂取のリスクは少ない摂取量だと考えられます。 |
・負荷の高い運動習慣がある人 ・病気により体力を消耗している人 |
〜3.5g/kg/日 ⇒体重50kgなら〜175g/日 |
左記の量の摂取は許容できますが、目的もなく摂取を継続することは推奨できません。 |
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監修者プロフィール
なかざわ腎泌尿器科クリニック
院長 中澤 佑介
金沢医科大学医学部医学科卒業。「患者さんに近い立場で専門的医療を提供したい」という思いで2021年、なかざわ腎泌尿器科クリニックを開設。2023年6月、JR金沢駅前にメンズヘルスクリニック(Gran Clinic)を開院。
▼参考
ビオフェルミン 酸化マグネシウム便秘薬ブランドサイト - ビオフェルミン製薬
<Text:編集部>