「煙草を吸うと体力が落ちる」ってホント?喫煙と運動パフォーマンスの関係性 (2/2)
「プロなんだから当たり前だろう!」と思う人もいるかもしれませんが、実際はそうではありません。喫煙しているプロのアスリートも大勢いるのです。
パフォーマンスが低下してしまう可能性があるのを理解していても、タバコの依存性によって吸わないと集中できない。そんなアスリートも少なくないでしょう。
プロチームでは、監督の意向により喫煙の禁止を義務づけるというチームもあるでしょう。しかし実際のところ、残念ながらまだまだ少数派のようです。
保護者・指導者の協力が不可欠
プロのアスリートが禁煙できない理由のひとつに、「監督やコーチも喫煙しているから」ということが挙げられます。
プロアスリートであっても、人間付き合いは大切です。チームスポーツともなれば、さまざまなチームメイトや指導陣とのコミュニケーションができないと、チームとしての団結力が高まりません。
また、喫煙者同士、リラックスしたタイミングでの指導やアドバイスなどは、選手にとっても貴重な機会なのかもしれません。そのため、選手に禁煙させたいのであれば、選手の周囲にいる指導者自身も喫煙することを控える必要があります。
また、大人相手ではなく中学・高校などの部活動を指導している先生や監督・コーチは、特に喫煙に対して敏感になる必要があるでしょう。保護者も同じです。
自宅であっても選手の前で喫煙することがないように気をつけることは、当然のことと言えるでしょう。
選手生命を伸ばしたい場合、喫煙は控えたほうがよい
喫煙したからといって、すぐにカラダに影響を与える訳ではありません。そのため、若い選手にとっては「喫煙したって何も影響はない」と考えがちです。
しかし、選手生命を長く過ごしたいのであれば喫煙は禁物。選手自身に対し、周囲の指導者が喫煙の影響を徹底して指導していく必要があるでしょう。
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[筆者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
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<Text:和田拓巳>