2020年2月3日

プロテニスプレーヤー最高の名誉「ゴールデンスラム」とは?/いくつ知ってる!? テニス雑学まとめ〜【スポーツ雑学百科】

 知って得するスポーツとリビアを厳選してお届けする「スポーツ雑学百科」。今回は「テニス」にまつわる2ネタを紹介していきます。

【第1話】プロテニスプレーヤー最高の名誉、ゴールデンスラムとは?

 多くのプロテニスプレーヤーが「夢」と語る大きな目標といえば、4大大会制覇、つまり「グランドスラム」の達成でしょう。四大大会とは、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープンのこと。グランドスラムを達成するというのは、四大大会すべてで優勝することを指します。

 ちなみに、グランドスラムは大きく分けて2つあり、まず一年間に開催される4大大会すべてを制覇することを「年間グランドスラム」といい、選手生活の間に成し遂げることを「キャリアグランドスラム」といいます。どちらも実現させるのは至難の業で、シングル部門においてこれまで年間グランドスラムを達成したのは男子2名、女子名3名と非常にわずかです。

 初めてグランドスラムを達成したのが1938年(ドン・バッジ選手)なので、約80年の間でわずか5名しかいないということになります。さらに年間グランドスラムより達成するのが難しいといわれているのが、「ゴールデンスラム」というタイトル。ゴールデンという言葉が冠されていることから想像に難くないと思いますが、4大大会制覇に加え、オリンピックで金メダルを取ることを指します。

 グランドスラム同様、ゴールデンスラムにも「年間」と「キャリア」の2種類ありますが、いわずと知れてオリンピックは4年に一度の開催なので、どちらを達成するのも非常に難しいといえます。しかし、成し遂げた選手がいない訳ではありません。なんと、ドイツの名プレーヤー、シュテフィ・グラフ選手が1988年に年間ゴールデンスラムを達成しているのです。

▲シュテフィ・グラフ選手

 グラフ選手以降、まだ年間ゴールデンスラムの達成者は出ていませんが、キャリアゴールデンスラムは全部で13名達成しています。ここでひとつ雑学ネタですが、その13名の中には、何とグラフ選手のご主人であるアンドレ・アガシ選手が入っています。つまり、夫婦でゴールデンスラムを達成しているという訳です。テニス界の頂点に立った選手同士が結婚しているなんて本当にすごいことですよね。

【第2話】いくつ知ってる!? テニス雑学まとめ

 昨今では、日本を代表するテニスプレーヤー、錦織圭選手の活躍によって、ニュースなどでテニスの話を見聞きする機会が増えています。そこで以下では、知っているようで説明できないテニスに関する雑学ネタをいくつか紹介します。これさえ覚えれば、あなたも立派なテニス通!?

●ATPツアーファイナルに出るのは難しいの?

 出場する選手全員がVIP待遇で迎えられるというATPツアーファイナル。2016年には、日本を代表するプロテニスプレーヤー錦織選手が出場し話題となりましたが、実はこの大会、出場するだけでも難しいってご存知ですか? ATPツアーファイナルに出場できるのは、過去52週間で出場した大会での獲得ポイント数が高い上位8名のみ。つまり、過去3年連続で出場を果たしている錦織選手はとってもすごいことをやってのけたということです。さて、今年はどうなることやら?

●オリンピックで日本はメダルを獲得したことがある?

 2016年のリオデジャネイロオリンピック、テニスシングルス部門で、錦織選手がみごと銅メダルを獲得したのは記憶に新しいでしょう。実は、日本にとって同競技でのメダル獲得は錦織選手で2回目となります。1920年アントワープ大会で、熊谷一弥選手が銅メダルを獲得して以来ということは、つまり96年振りとなる訳です。東京オリンピックでも、ぜひ日本勢のメダル獲得を期待したいものです。

●プロテニスの変なルールとは?

 2015年のASBクラシックで、犬がボールボーイの代役として登場するという面白いニュースがありましたが、実はルールブックを見ると、プロテニスにはまだまだ変わったルールが沢山あります。

・コート上空を飛んでいる鳥にボールが当たった場合、そのポイントはやり直しとなる。
・ラケットを2本もってプレーすることは許されない。
・ボールが破れた場合、そのポイントはやり直しとなる。

 ラケットや鳥の場合はわかる気がしますが、ボールが破れることがあるでしょうか? もしこれらルールに抵触するプレーを発見できたら幸運でしょう。

<Text:上野慎治郎(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>

《参考文献》
田口貞善 監修「スポーツの百科事典」丸善
「スポーツ年鑑2016」ポプラ社
「スポーツ人名事典」日外アソシエーツ
「テニスルールブック」日本テニス協会