
なわとびのカロリー消費はランニング以上。ダイエット効果を高めるやり方とトレーニングメニュー (1/5)
- トレーニング
- 2022年2月25日
子ども時代に体育で練習した「縄跳び(なわとび)」。近年、ダイエット効果が高い有酸素運動として、大人やアスリートからも人気のフィットネスです。
全身運動であるなわとびは消費カロリーが高く、体脂肪を落とす、脂肪燃焼をはじめとして筋肉を鍛える、体力をつける、健康維持など多くのメリットが期待できます。運動不足の人なら筋肉痛になるほど、ランニング並みに負荷の高いエクササイズなのです。最近ではマンションや室内でも簡単にできるよう、ロープがない「エアなわとび」用商品も登場しています。
なわとびはどこの筋肉を鍛え、どんな効果をもたらすのでしょうか。トレーニング用ロープの長さや基本のやり方をはじめ、1日の回数や跳ぶペース、痩せたい人向けのトレーニングメニューも解説します。
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なわとびの効果と鍛えられる部位
体幹を鍛え、特に太もも&腰の強化につながる
なわとびは体の47種類ほどの筋肉を使う全身運動であり、上半身をまっすぐに保って跳ぶことで、下半身と体幹を鍛える体幹トレーニングとして活用することができます。
また、跳躍の動作と着地時の姿勢により酷使される、大腿四頭筋(太ももの表側の筋肉)や腰の上部が鍛えられます。つま先で跳び続けるため、ふくらはぎの引き締めにも効果が期待できます。
脂肪燃焼、持久力強化、心肺機能の向上につながる
もちろん有酸素運動であることから、脂肪燃焼、持久力アップ、心肺機能の向上にもつながります。
なわとびのメッツ(運動強度)はランニングより高い
なわとびのメッツ(運動強度)は、8.0~12.0程度とされています。メッツとは身体活動の強さを、安静時を1.0としてその何倍に相当するかで表す単位です。
走る速さで異なりますが、時速8キロでのランニングのメッツが8.3程度。なわとびは、ゆっくり(毎分100ステップ未満)跳んで8.8、速く(毎分120~160ステップ)跳んで12.3程度に相当します(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 2012年「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」を参照)。
つまり、ただ跳ぶだけで安静時の8~12倍と、ウォーキングやランニング以上のカロリー消費が期待できるのです。
・座位:書く、デスクワーク、タイピング 1.3 METs
・食事をする:座位 1.5 METs
・入浴:座位 1.5 METs
・シャワーを浴びる:タオルで拭く、立位 2.0 METs
・ストレッチ:ゆったり 2.3 METs
・子どもの世話:幼児、全般 2.5 METs
・水中歩行:楽な労力、ゆっくり 2.5 METs
・ベッドメイク:リネンを交換する 3.3 METs
・掃除:カーペットやフロアの掃き掃除、全般 3.3 METs
・階段を降りる 3.5 METs
・散歩 3.5 METs
・体操:全般 3.8 METs
・階段を上る:ゆっくり 4.0 METs
・部屋の片づけ 4.8 METs
・レジスタンス(ウェイト)トレーニング:スクワット、ゆっくりあるいは瞬発的な努力で 5.0 METs
・ジョギングと歩行の組み合わせ(ジョギングは10分未満) 6.0 METs
・ランニング:マラソン 13.3 METs
身体活動基準「METs(メッツ)」&「Ex(エクササイズ)」とは。メタボ予防に効果的な運動量も解説 より
メッツが高い運動はケガの危険性も高まる
ただ、メッツが高い運動ほど、体に強く負荷がかかって怪我の危険性が高まるので注意が必要となります。なわとびにおいて多いのは、膝や腰を痛める怪我です。よほどアクロバティックな跳び方をしない限りそれほど心配はありませんが、無理なく足腰の負担とならない、適度な高さのジャンプを心がけましょう。
あまりに高いジャンプを試みたり、二重とびを続けたりすると、足腰のバネを多用しすぎてその部位に大きな負担がかかってしまいます。
ジムやジョギング前のウォーミングアップに最適
ジャンプが競技の重要な要素となるフィギュアスケーターをはじめ、さまざまなスポーツ界のプロアスリート選手たちが、ウォーミングアップになわとびを活用していることが知られています。
ウォーミングアップには、じんわり汗をかいて体があたたまるくらいの運動が必要です。運動に取り組む前に全身をあたためてほぐし、体をうまくコントロールできるようにならなくてはいけません。
その点、なわとびは全身の筋肉運動、かつ有酸素運動であり、場所も時間も取らないので効率よくウォーミングアップできます。単独の運動としてだけでなく、運動前の動的ストレッチにも取り入れてみましょう。
\市民アスリートMIHOが動画で解説/
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