
ジョギングのダイエット効果と、痩せる走り方【徹底解説】 (4/4)
正しいジョギングのやり方
効果を出すためには、正しい方法でジョギングを行うことが大切。ここでは正しい走り方や適した速度について解説します。
基本の走り方
まずは基本の走り方について。初心者が意識すべき3つのポイントを、MELOSの記事と動画からまとめていきます。
背中を伸ばす
基本の姿勢として、前かがみにならず、背中を伸ばすことが重要です。
腕は前後にまっすぐ振る
腕をしっかり振ることで、肩甲骨まわりも動き、上半身の運動になります。
足は真下に落とす
足は前に蹴り出すのではなく、真下に落とします。
マラソン大会向けにタイム短縮、疲れにくく走るなどいろいろな手法がありますが、運動初心者はまず「元にあった場所(地面)に戻す」イメージで走ると良いでしょう。
なお、ジョギング前にはウォーミングアップとして動的ストレッチを、ジョギング後には筋肉をほぐす静的ストレッチを行いましょう。ケガや故障の予防になります。
下記動画でも走る前後のストレッチを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
どのくらいのペース、速度で走ればいい?
どれくらいのペースで走ればいいかは、心拍数を目安に決めると効率的です。心拍数は心臓が一分間に何回動いたかという指標で、今の運動が自分にとってどれくらいの強さなのかを表します。
また、どれくらいの速度で走ればいいかは、個人の体力によって違います。
たとえば、時速7kmの速度で走ったとしても、今日からジョギングを始めた人にとっては速すぎる速度かもしれませんし、すでにフルマラソンを何回も走っている人にとっては遅すぎる速度かもしれません。
ですから適した速度は人によって違います。
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走る速さは「心拍数」を目安にする
そこで自分に合った速度・ペースを出すために便利なのが心拍数です。
激しい運動をすると心臓は激しくすばやく動き、座っている状態ではゆっくりと動きます。歩きでは座っているよりはすばやく動きますが、走るほど激しくは動きません。心拍数もそれに連動します。
この心拍数を利用して走るペースを決めるのがおすすめです。
心拍数の目安
自分に適した心拍数の目安を計算するためには、最大心拍数を計算します。
最大心拍数は、心臓が1分間に動く回数の限界と考えられている心拍数のことです。最大心拍数に対して、走る速度での心拍数は何パーセントくらいなのか知ることで、適切な速度が計算できます。
最大心拍数を計算するもっとも簡単な式は以下の通り。
最大心拍数 = 220 - 年齢
この式で最大心拍数を推定することができます。たとえば30歳であれば220 – 30 = 190となり、1分間に190拍が最大心拍数となります。
もちろん個人差は大きいですが、細かな計算をせずにサクッと計算できるのが大きなメリットです。
普段運動をしておらず、これからジョギングを始めようと考えている人に適した心拍数は、最大心拍数の55〜65%程度(※5)です。たとえば30歳の最大心拍数は190拍/分。これの55〜65%を計算すると、以下の通りです。
190拍/分 x 0.55 ≒ 105拍/分
190拍/分 x 0.65 ≒ 124拍/分
これくらいの心拍数からジョギングを始め、徐々に強度を上げていくのがおすすめです。
心拍数の測り方
心拍数は、手首で脈をチェックするのがもっとも簡単な方法です。手首の脈は不整脈がなければ心拍数と同じになります。そのため、手首の脈拍数を心拍数として数えることができます。
手首の脈拍がもっとも感じられる部分は、手のひら側の手首の端(キワ)にあります。この部分に指の腹3本乗せると脈拍を感じられるでしょう。
脈拍を感じたら10秒間の脈拍数を数えます。その回数に6をかけると、1分間の脈拍数を算出することができます。走りながら行うと測定が難しくなるので、一定時間ごとに止まって脈拍数を測定すると良いでしょう。
スマートウォッチは心拍数を測定する機能も
測定が面倒であればスマートウォッチなどを利用する手段があります。最新のスマートウォッチは心拍数を測定する機能が標準装備されており、装着していればリアルタイムで心拍数を測定してくれます。いちいち止まって測定をしなくても済むため、常に自分に適した運動強度で運動をすることができます。
これからジョギングを継続して行おうと考えている方は、ぜひ購入を検討してみて下さい。
ジョギングの頻度と時間はどのくらい?
ここからは、気になるジョギングの疑問について。1回につき何分走れば良いのか、また週に何回走れば効果的なのでしょうか。
1回のジョギング時間はどれくらいがいいのか
ある程度の効果を期待するのであれば、30分程度継続すると良いでしょう。
厚生労働省が出している成人を対象にした運動プログラムでは、1回30分程度の有酸素運動を行うことが推奨されており(※6)、その程度で十分に運動効果は出てくると考えられます。
30分間でもつらいという方は、走る速度や時間にこだわらず、楽しく気持ちよく行える程度の速度と時間で行うようにしましょう。
もっとも大切なのは、運動を楽しみ、継続すること。景色や風を感じながら気持ちよさを感じたり、徐々に体力が上がることを実感するなど、楽しみを見つければ継続できます。
無理をせず楽しめる範囲で運動を行いましょう。
どれくらいの期間続ければ変化を感じられる?
2週間続けると、少しだけ体の変化を感じると思います。それを6週間や12週間積み重ねると大きな変化を感じるでしょう。
実際、三か月くらい続けると体が変わると言われており、有酸素運動の効果を調査した研究でも一か月以上の調査がほとんどです。
まずは1回だけでもOK
ちなみに、運動を1回行うだけでも、体はほんのちょっとだけ変わります。この変化を2週間ほど積み重ねると、「体力が上がってきた」「ちょっと体が引き締まってきた」と、わずかな変化を感じられるようになると思います。
そしてそれを積み重ねることで「なんか変わってきた」「前よりも走れるようになった」と、違いが出てくるようになるのです。
ですから、まずは1回30分程度のジョギングを週2回、それを2週間ほど続けてみましょう。そしてその変化を積み重ねていきましょう。
スキマ時間に短時間でも効果はある?
効果はやや落ちますが、スキマ時間に短時間の有酸素運動でも効果は期待できます。
心肺機能にしっかりと負荷をかけるためには、ある程度、長時間の有酸素運動を継続したほうが「効率的」です。しかし、短時間でも、日常生活動作より少し強めの運動を毎日行うことで、心肺機能に負荷を入れて強化をすることは可能です。
毎日の運動量が多いほうが体力は向上し、生活習慣病になる可能性なども低くなりますから、毎日の小さな積み重ねは健康的な体を作るために効果的であると考えられます。
※6 成人を対象にした運動プログラム(厚生労働省e-ヘルスネットの詳細リーフレットより)
ジョギングは筋肉を分解するってホント?
よくある誤解ですが、ジョギングなどの有酸素運動は筋トレ効果を減少させることはありますが、筋肉を分解し、減らすことはありません。
とくに体力がない人において筋肉量を減少させることはほとんどないどころか、増やすこともあり得ます。実際に、体力がない人が有酸素運動を継続して行った場合の筋肉量の変化を見てみましょう。
肥満で普段の運動量の少ない45〜62歳の男女52名をカロリー制限のみグループ、有酸素運動のみ行うグループ、両方行うグループの3グループに分け、16週間調査を行いました。
その結果、カロリー制限のみのグループは筋肉量が減少し、両方行ったグループは微減でした。しかし、有酸素運動のみを行ったグループには筋肉量の減少はありませんでした(※7)。
また、25〜40歳女性の肥満女性45名を10週間、軽度の有酸素運動・中度の有酸素運動・なにもしないグループと3グループに分けて体重や筋肉量などを調査した研究では有酸素運動をしたグループの筋肉量は増加し、何もしなかったグループは変わらなかったという結果になりました(※8)。
さきほど紹介した、週5回、45分/回の有酸素運動を行った研究においても筋肉量の減少は観察されませんでした。筋肉量が落ちた調査もありますが、それは体重の減少に伴うものの可能性が高いと考えられます(体重が減少すれば基本的に筋肉量も落ちます)。
有酸素運動と筋トレを並行して進めると筋トレ効果を落とすことはあります。しかし、体力がない人においては、有酸素運動が筋肉量を落とすことはないと考えられています。心配せずに行うと良いでしょう。
※7 Effects of Weight Loss on Lean Mass, Strength, Bone, and Aerobic Capacity
※8 Effects of Intensity of Aerobics on Body Composition and Blood Lipid Profile in Obese/Overweight Females
運動初心者がジョギングを行うときの注意点
ジョギングは下半身に対する負担が大きな運動です。ですから、足や膝などに違和感があるときは行わないようにしましょう。
ジョギングでは、1歩走るごとに体重の3倍以上の衝撃がかかります(※9)。そのため走りすぎたり、関節に痛みがあるときに行うとさらに痛みを増加させてしまう可能性があります。痛みがあるときは無理をせず、整形外科で診察をを受けて、しっかりと治療しましょう。
※9 長距離走における走速度増大に伴う着地衝撃と走動作の関係
ジョギングに適した服装・ウェア
運動用ではない、普段履いているスニーカーで走ってもいい?
運動用ではないスニーカーで走ることは避けたほうがいいでしょう。下半身にかかる負荷を軽減することができず、怪我をする可能性が高まるからです。
運動用でないスニーカーは走るために設計されておらず、衝撃吸収性が低くなっています。
ジョギングは一般的にコンクリートの上を走ることがほとんどですから、シューズの衝撃吸収性が低い普通のスニーカーで走ると、着地の衝撃をシューズが緩和することができず、下半身に大きなダメージを受けてしまいます。
ジョギングをするには専用のジョギングシューズを購入しましょう。
普通のTシャツ、短パン、ズボンなどで走ってもいい?
こちらもオススメできません。熱をため込んで、熱中症になる可能性が高まるからです。
体温が下がらず、体の中に熱をこもらせることで熱中症の危険性が高まります。体温を下げるためには汗をかき「蒸発させる」必要があります。逆に言えば、汗をかいても蒸発しなければ体温は下がらないということです。
綿100%のシャツは着心地がとても良いですが、汗をしっかりと吸い込んで、乾きにくい性質があります。そのため、体温が下がりにくく熱中症になる可能性は高まります。
これは普通の短パンでも同じ。ランニングをするときは運動用の速乾性が高いシャツ・パンツを使うようにしましょう。
スポーツウェアと専用シューズのメリット
スポーツウェアと専用シューズを使うメリットは、安全で快適に運動を行えるようになることです。
先述の通り、スポーツウェアを使用することで、汗がとても乾きやすくなり熱中症の危険性を下げることができます。また、専用シューズを利用することでジョギング時における下半身への負担を大きく軽減させることができ、ケガの確率を下げることができます。
なにより、これらを着用することで気持ちよくジョギングを行えるようになります。快適性は運動を継続し、効果を出すためにはとても大事な要素です。
ジョギングで体力を上げてダイエットをしていく場合は、必ず運動用のウェアとシューズを着用しましょう。
室内のランニングマシンを活用するポイント
ウォーキング・ランニングマシンと外ジョギング、ダイエット効果は同じ?
どれもダイエット効果という視点では変わりません。好きなものを選ぶと良いでしょう。
マシントレーニングのメリット・デメリット
マシンで行うメリットは室内で行えること。夜間や悪天候時でも外に出ることなく安全に走れますし、テレビなどを見ながら行うこともできます。デ
メリットは騒音・振動が発生してまうこと。アパートやマンション、家族がいる中では難しいかもしれません。フィットネスクラブで行う場合はそこまで気にする必要はありませんが、フィットネスクラブまで出かける必要があることはデメリットです。
外ジョギングのメリット・デメリット
外ジョギングのメリットは、コースを気分によって変えることができて飽きにくい点です。マシンを使ったジョギングの場合は景色が一切変わらず、ひたすら走るだけになって飽きやすいでしょう。
デメリットは外に行かなければならないこと。夜間に一人で走るのは怖いという人もいるかと思いますし、天気の影響も受けます。
メリットとデメリットを天秤にかけて、自分に合った方を選びましょう。
マシン設定のポイント(傾斜や速度など)
初心者はいきなりジョギングすることはせず、ウォーキングから行いましょう。
マシンは、回転するベルトの上を真上に跳びはねることで走ります。実際に走るのと比べるとバランスのとり方が少し違うので、いきなり普通に走るのと同じ感覚で走り始めると、体勢を崩して倒れてしまう可能性があります。
そのため、まずはマシンに慣れるため、ゆっくりとウォーキング程度の速度から始めましょう。時速4〜6kmの設定がおすすめです。慣れてきたら時速7km程度からジョギングを始めましょう。
マシンは傾斜をつける機能もありますが、最初はとくに傾斜をつける必要はありません。そのままの状態で利用しましょう。
ジョギングは正しく行うことで健康的にダイエットを進める強い味方になってくれます。楽しく行い、引き締まった動ける体を作りましょう。
著者プロフィール
藤本千晶(ふじもと・ちあき)
女性の体型改善専門パーソナルトレーナー、オンラインダイエットコーチ。保有資格CSCS*D、スポーツ科学修士。仙台大学大学院修士課程修了後、アスリートのトレーニングコーチなどを務める。2018年からフリーランスとなり、栃木県宇都宮市で女性の体型改善専門パーソナルトレーナーとして活動。クライアントの年齢による体型の変化と、健康の悩みに日々向き合いながらも、ブログやSNS、メディアでの情報発信、オンラインビデオコースの作成を通じて、多くの女性に貢献している。NSCAジャパン北関東アシスタントエリアディレクターとしても活動。地域のパーソナルトレーナーにスキルアップの機会を作る企画・運営も務める。
オフィシャルHP:http://scoprire.jp
Instagram:https://www.instagram.com/chiakifujimoto/
<Text:藤本千晶/Edit:編集部>