睡眠の質を上げる方法|オススメ栄養素、食べ物と飲み物、快眠行動を総まとめ (2/2)
就寝時間をいつも揃える
規則正しい生活リズムは、睡眠の質を高めるためにとても重要。毎日だいたい同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが大切です。
これは休日も同様です。
朝は太陽の光を浴び、体内時計をリセットする
また、朝の光を浴びることもおすすめです。
朝の光は体内時計をリセットするといわれています。毎日決まった時間にカーテンを開け、朝の光を浴びるようにしましょう。
適度な運動をする
適度な運動は睡眠の質を向上させるのに役立ちます。
運動は、早足の散歩や軽いランニングなどの有酸素運動がよいでしょう。運動する時間帯は、夕方から夜(就寝の3時間くらい前)が効果的だとされています。
ただし、激しい運動は睡眠を妨げることがあります。自分にとって、負担が少なく長続きするような運動を選ぶことが大切です。[2*]
睡眠環境を整える
睡眠環境は、質の高い睡眠に深く関係しています。睡眠環境を整えるポイントは、大きく3つに分けられます。
1つ目は、寝室を暗くすることです。明るい光は眠りの妨げになるため、カーテンやブラインドなどで外からの光を遮断しましょう。
電子機器の光が気になる場合は、スリープモードにするか、遮光テープの活用、または寝室には置かないことをおすすめします。
2つ目は、静かな環境です。音が気になる場合、耳栓を利用するのもいいでしょう。
最後は、快適な温度を保つことです。適切な温度は人によって違いますが、夏は25℃前後、冬は16~19℃の範囲が適温とされています。感覚的には、やや涼しく感じるくらいがおすすめです。[3*]
快眠におすすめの栄養成分
普段の食事から摂れる栄養成分で、睡眠のサポートに役立つものがあります。以下は、その代表的なものです。
メラトニン
メラトニンは、脳から分泌される神経ホルモンです。「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、睡眠を促す役割があります。
メラトニンは、朝に光を浴びることにより、夜になると分泌が増えます。そのため、睡眠の質をあげるには、日中に十分な光を浴びることが重要です。また、夜には明るい照明を避けることも大切です。
メラトニンそのものを食品から摂ることは難しいですが、その原料であるトリプトファンは食品から摂ることができます。
トリプトファンを多く含む食品:豆腐、納豆、大豆、魚介類、バナナ、玄米、卵、チーズ、牛乳など
これらの食品は、トリプトファンの量を増やし、メラトニンの合成を促す助けとなります。
GABA(ギャバ)
γ‐アミノ酪酸、通称ギャバ(GABA)は、神経伝達物質のひとつです。副交感神経を優位にすることで、睡眠の質をあげる役割があります。
ギャバの摂取目安量は、明確な指標が示されているわけではありませんが、バランスのよい食生活をしていれば、体内のギャバ量は不足しないと言われています。
ギャバが含まれている食品:玄米や発芽玄米、黒豆、納豆、キムチ、トマト、アボカド、ブロッコリー、ほうれん草、小松菜、レタス、バナナ、オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、ワインなど
ギャバ配合の食品やサプリメントも販売されているので、活用してみるのもいいでしょう。
マグネシウム
マグネシウムは、気分をリラックスさせたり、筋肉の緊張を解いたりする作用があり、睡眠の質向上に重要です。さらに、睡眠に大切な「メラトニン」を合成するときにも欠かせない成分です。
マグネシウムは、穀類、豆類、野菜類、調味料・香辛料、魚介類などさまざまな食品に含まれていますが、とくに多いのは以下の食べ物です。
マグネシウム含有量が多い食品:ヒマワリの種子、アーモンド、カシューナッツ、ほうれん草、かぼちゃなど
食べ物から摂る以外に、マグネシウムを含む入浴剤やオイルなどを使って、入浴の際に皮膚から吸収することもできます。
睡眠の質を高める飲み物
飲み物のなかにはリラックス作用の効果があるものも。ゆったりした気分で眠ることで睡眠の質を高める効果が期待できます。
たとえば、カモミールティーは鎮静作用があり、飲むとリラックス効果が期待できます。
温かい牛乳はリラックス効果に加え、トリプトファンを多く含んでいるため、メラトニンの生成を促進するので、眠りやすくなるでしょう。
反対に、カフェインを多く含むものやアルコールは睡眠の質の低下につながるので注意が必要です。
睡眠におすすめのサプリメント
睡眠の質をあげるには、サプリメントの活用もおすすめです。次のような成分の含まれるサプリメントを選んでみましょう。
- メラトニン 体内時計のリズム調整に関与し、睡眠の質をあげる
- GABA ストレスを軽減し、リラックス効果がある
- グリシン 体温調整効果があり、睡眠の質をあげる
- テアニン 緑茶に含まれるアミノ酸で、リラックス効果がある
- バレリアン根 自然な鎮静剤として知られている
- オルニチン ストレスホルモンを抑制する
ただし、サプリメントの効果には個人差があります。使用する際は、医師や薬剤師に相談し、自分に合ったサプリメントを選ぶことが大切です。
睡眠の質に注目して睡眠不足解消へ!
睡眠の質を高めるために、睡眠環境や栄養素、サプリメントの活用など、自分に合った方法を見つけて試してみましょう。
ぐっすり眠ることで、日々の健康とパフォーマンスを向上させることができます。ぜひ今夜から始めてみてくださいね。
参考文献:
[1*] 厚生労働省 労働時間等設定改善法 労働時間等見直し ガイドラインについてhttps://www.mhlw.go.jp/content/000493467.pdf
[2*] 厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
[3*] フランスベッド 快眠のための寝室の温度と最適なエアコン設定とは https://interior.francebed.co.jp/spring/faq/sleep/bedroom-temperature.php
監修者プロフィール
あんしん漢方薬剤師:山形ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど、15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど、精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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<Text:編集部>