睡眠専門医が教える、今夜からできる「睡眠の質を上げる」5つのコツ (2/2)
Tips2 入眠後3時間はエアコンで室温調整をしよう
快適な睡眠のためには室温調整がとても大切で、16~26℃が睡眠に適切な室温と言われています。
寝室の温度が28℃を超えると、夜間熱中症のリスクが高まります。そのため、一晩中エアコンを使用して一定の室温を保つのが理想的。
とはいえ電気代や乾燥が気になる方もいるでしょう。その場合は、加湿器などを併用しつつ3時間のタイマーを設定するのがおすすめです。
最初の3時間の睡眠の質を上げ、効率的な回復を目指しましょう。
Tips3 寝る前の考え事は「その日起きたいいこと3つ」を書き出す
寝る前に考え事をしてしまい、なかなか寝付けない。そんな人には、ストレス解消方法として心療内科や精神科などでも実践されている「Three good things」を試してみましょう。
その日に起きた良いことを寝る前に3つ書き出すというストレス解消法で、習慣化することで幸福度を上げる効果があるともいわれています。
Tips4 寝る前に起きたい時間を念じて「自己覚醒能力」を鍛える!
アラームなどで起きると、たっぷり寝ているのにも関わらず疲労感が残ってしまうことがあります。
実は、人は自然と起きたい時刻に目覚める「自己覚醒」という能力が携わっており、これを鍛えることで、休日のように自然と目覚めることができるようになります。
練習は簡単。翌日起きたい時間を寝る前に強く念じるだけ!
そうすることで、心地よく起きるのに必要な「副腎皮質刺激ホルモン」の分泌が時刻に合わせて緩やかに上昇し、心地よく目覚めることが実験によっても証明されています。
Tips5 寝る2時間前までは交感神経を活性化させよう
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、副交感神経が優位にならないと人は眠ることができません。
寝る時間に副交感神経を優位にする、つまり心身ともにリラックスした状態にするために寝る直前の工夫も大切ですが、逆にとらえると2~3時間前までは活動的に過ごして交感神経を優位にしておくのもアリ。
勉強をしたり、適度な運動や入浴をして体温を上げておくのがおすすめです。
解説者プロフィール
坪田 聡 (All About 医師 / 睡眠ガイド)
日本睡眠学会所属医師、医学博士。雨晴クリニック(富山県)院長
睡眠専門医として、20年以上現場に立ち続ける。日本医師会に所属。日本を睡眠先進国にするため、正しい快眠習慣の普及に努める。『快眠★目覚めスッキリの習慣』(KADOKAWA)、『朝5時起きが習慣になる「5時間快眠法」』(ダイヤモンド社)、『専門医が教える毎日ぐっすり眠れる5つの習慣』(三笠書房)など著書多数。
<Edit:編集部>