ウェルネスフード
2024年1月26日

PFCバランスとは。計算方法を解説!たんぱく質・脂質・炭水化物の理想量を知りたい人へ (2/2)

  1. 体重と体脂肪率を測定する(体脂肪計などを活用)
  2. 体重から体脂肪分の重りを引き、除脂肪体重を出す
  3. 「除脂肪体重×40kcal」で必要摂取カロリーを出す

体重60kg、体脂肪率15%の場合

  • 60kg×0.15=9kg ⇒ 60kg-9kg=51kg

除脂肪体重は51kgということになります。その場合、以下が1日の摂取カロリー目安です。

  • 51kg×40kcal=2,040kcal

日頃の生活習慣や環境によっても異なりますので、あくまでも目安として活用しましょう。

摂取カロリーが出たら、いよいよPFCバランスの計算方法に入ります。先ほどのモデルケース(体重60kg・体脂肪率15%・除脂肪体重51kg・摂取カロリー目安2040kcal)を使って計算していきます。

手順2.たんぱく質の摂取量を計算する

まず、たんぱく質の摂取量を確保しましょう。たんぱく質は、除脂肪体重の2~3倍(g)を目安に摂取することをオススメします。

  • 51(kg)※除脂肪体重×2~3=102~153g

ということになります。

筋肉をしっかり残しながらダイエットするためには、1日あたり102~153gのたんぱく質量が必要です。これをカロリー計算すると、たんぱく質は1g=4kcalなので、

  • 102~153g×4kcal=408~612kcal

となります。つまり摂取カロリーのうち、408~612kcalはたんぱく質が占める必要があるというわけです。

脂質の摂取量を計算する

次に脂質を計算します。目安は、摂取カロリー全体の15~20%に設定するとよいでしょう。

2040kcalの摂取カロリーのうち、以下となります。

  • 2040kcal×0.15~0.2=306~408kcal

脂肪は1g=9kcalなので、1日当たり34〜45gが脂肪の摂取量目安です。

ダイエット時には、脂質を極力摂らないようにするという人もいるようです。しかし、脂肪の過剰制限はホルモンバランスの乱れ、エネルギー不足や皮膚炎など、体調不調を引き起こすリスクが高まります。

炭水化物の摂取量を計算する

最後に、炭水化物の摂取量を計算しましょう。摂取カロリーからたんぱく質と脂質を引いた数値が、炭水化物の摂取目安となります。

  • 2040kcal−(408~612kcal【たんぱく質】+306~408kcal【脂質】) =1020~1326kcal

炭水化物は1g=4kcalなので、255~332gが摂取目安です。

まずはたんぱく質と脂質の数値を設定し、そこから炭水化物の量で調整するとよいでしょう。

PFCバランスを栄養素視点で見てみる

P=たんぱく質とは

20種類のアミノ酸の組み合わせからなる体の主成分のひとつ。視覚、触覚、味覚などの感覚や、さまざまなカラダの機能を補助します。水分を除くとカラダの約80%を占めています。

たんぱく質が充分に補給されないと、消化・吸収などの内臓機摂ればいい能の低下、代謝の低下、免疫力の低下、筋肉量の減少や肌・髪のトラブルなどにつながる危険性も。

たんぱく質は1日どれくらい摂ればいい?

1日に体重1kgあたり1~1.5g、トレーニングを習慣的に行う方で体重1kgあたり2g(体重60kgなら120g)を目安に摂取しましょう。

実際に試してみると分かりますが、体重×2gのタンパク質を食事だけで摂取することはなかなか大変です。そういうときは、ぜひプロテインを活用してみましょう。

F=脂質(脂肪)とは

脂質は体内のエネルギー源になるだけではありません。皮下脂肪として体のクッションになる、ホルモンや遺伝子の材料、栄養素の吸収や運搬、体温調整、栄養素の合成や貯蔵などさまざまな役割を持ちます。

1gあたり9kcalと、カロリーがもっとも高いという特徴もあります。

摂りすぎると肥満や高血圧など生活習慣病の要因になりますが、制限をしすぎると、ホルモンバランスの乱れ、エネルギー不足や皮膚炎など、体の不調の要因にもなります。

脂質は1日どれくらい摂ればいい?

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、食事のカロリーに対する脂質のエネルギー比は20〜30%にすることが望ましいとしています。

推定エネルギー必要量を参考にすると、1日の脂質目標量は男性で約60〜90g、女性で約45〜65gとなります(※)。

大さじ1杯の油が12g、100gあたりの赤身肉や皮なしの鶏肉で5g程度、脂が多い部位で20g程度です。肉の脂やマーガリンは避け、不飽和脂肪酸であるオリーブオイルやごま油、グレープシードオイル、魚料理やナッツがおすすめです。

(※)参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版) 

【PFCバランス】C=炭水化物とは

炭水化物とは、カラダの重要なエネルギー源です。白米、玄米、麺、芋などの主食や、砂糖といった甘いものに多く含まれています。

簡単に消化吸収されるものが多く、脂質、タンパク質よりも優先的にカラダや脳のエネルギー源として利用されます。

また、水分を多く保持する力があるため、カラダや便の水分コントロールにも関与します。

糖質は1日どれくらい摂ればいい?

必要以上に糖質をとりすぎると、血糖値上昇により脂肪が合成され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されるおそれがあります。

炭水化物の明確な必要量は個人の体格や活動量によって異なるため、政府も設定していません。目安としては、健康的な成人で、1食あたりごはん茶碗1杯ほどが無難と言われています。

関連記事:お米ダイエットのやり方|白米の太る食べ方、痩せる食べ方、カロリー過多を防ぐコツ[栄養士監修]

炭水化物は「糖質+食物繊維」で分けて考えよう

炭水化物は、糖質と食物繊維に分けて考えることができます。おもにエネルギー源として利用されるのが糖質で、人の消化酵素で消化されにくい成分が食物繊維です。

炭水化物は1gあたり4kcalありますが、そのほとんどは糖質のカロリーで、食物繊維にはほとんどカロリーがありません。

食物繊維は消化されにくい特性のため、体内では血中の糖質や脂質の吸収を緩やかにする、腸内の不要なものを絡めとり便として外に排出する、腸内細菌のエサとなり腸の働きを活発にする手助けをしてくれます。

食物繊維は不足することが多いため、海藻やきのこ、こんにゃくなどで積極的に摂取しましょう。

関連記事:食物繊維のメリットとは。摂り過ぎ&不足のデメリットは?マッスルデリ管理栄養士が解説

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PFCバランスを計算するアプリ

PFCバランスの偏りをチェックしてくれる食事管理アプリもあります。計算まではしなくていいけれど、栄養の偏りは防ぎたい人にはおすすめです。

あすけん ダイエット記録・カロリー計算・食事記録・体重管理

食事写真をアップロードするだけで画像解析をし、栄養バランスをチェックしてくれます。その結果に基づいた栄養士のアドバイスや、コラム、レシピなども楽しみのひとつ。

その日に行った運動も登録すると、消費カロリーの計算もしてくれます。ダイエット中の食事と体重・体脂肪記録にまずおすすめしたいアプリです。

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iOS(iPhone)版Android版

カロミル - ダイエット・糖質制限などの栄養管理

一般料理約4000件、外食約15000件のデータに基づき、一日の栄養バランスを詳しくチェックしてくれます。

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著者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
【HP】https://wada0129.wixsite.com/takumiwada

<Text:和田拓巳/Edit:編集部>

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