ビタミンの効果を台無しにする“もったいない食べ方”とは (1/2)
ビタミンはたんぱく質とともに、筋肉や臓器などカラダの材料となります。体調を整えたり、疲労回復、免疫力を高めるためにも必要量の摂取が必要であり、運動の種類や目的によって不足しがちな種類も異なります。
「ビタミンの種類と働き。水溶性・脂溶性の違い、おすすめの食べ物&食事メニュー」と「ビタミンの効果的な摂取方法とは」の記事から、改めてビタミンの種類ととり方をリコメンド!
ビタミンには「脂溶性」と「水溶性」がある
ビタミンは、脂溶性(読み方:ゆようせい)と水溶性の2つに分けられます。
脂溶性ビタミン
ビタミンA
働き:皮膚や粘膜、目の働きを正常に保つ。免疫力を高める
多く含まれる食べ物:豚レバー、鳥レバー、卵黄、ウナギの蒲焼、ニンジン
ビタミンD
働き:カルシウムとリンの吸収を促進し、骨や歯をつくる
多く含まれる食べ物:アンコウ肝、鮭、サンマ、鶏卵、白キクラゲ
ビタミンE
働き:脂質の酸化抑制、細胞の老化防止、血液の流れを活発化、ホルモン分泌の円滑化
多く含まれる食べ物:ウナギ、ひまわり油、カボチャ、アーモンド、アボカド
ビタミンK
働き:血液を凝固して止血、骨や歯をつくる助けをする
多く含まれる食べ物:納豆、アシタバ、豆苗、ホウレンソウ
水溶性ビタミン
ビタミンB1
働き:糖質の燃焼を助ける、神経機能を正常に保つ
多く含まれる食べ物:豚肉、ウナギの蒲焼、大豆、玄米
ビタミンB2
働き:脂質の代謝に欠かせない、老化を進行させる過酸化脂質を分解、細胞再生を促進
多く含まれる食べ物:豚レバー、牛レバー、鶏レバー、ウナギ、牛乳、納豆
ナイアシン
働き:皮膚・粘膜の健康維持、3大栄養素の代謝に必要
多く含まれる食べ物:タラコ、カツオ、マグロ赤身、サバ、豚レバー、落花生
ビタミンB6
働き:たんぱく質の代謝に必要、ホルモンや神経を正常に保つ
多く含まれる食べ物:牛レバー、カツオ、マグロ、鮭、バナナ、サツマイモ
葉酸
働き:たんぱく質をつくる、細胞や赤血球の生成に必要、認知症予防
多く含まれる食べ物:牛レバー、菜の花、ホウレンソウ、枝豆、ブロッコリー
ビタミンB12
働き:赤血球の生成に必要、神経の機能を正常に保ってカラダのリズムを調整する
多く含まれる食べ物:牛レバー、鶏レバー、牡蠣、サンマ、アサリ、シジミ
ビオチン
働き:皮膚・目・髪の健康を保つ、3大栄養素の代謝に関与
多く含まれる食べ物:魚、肉、卵、豆類、野菜など幅広く含まれている
パントテン酸
働き:3大栄養素の代謝に役立つ
多く含まれる食べ物:鶏レバー、豚レバー、子持ちガレイ、タラコ、納豆
ビタミンC
働き:メラニン色素の生成を抑える、皮膚や血管などをつくるコラーゲンやエネルギー産生に関わるカルニチンの生成、抗がん作用、抗ストレス
多く含まれる食べ物:菜の花、赤ピーマン、ブロッコリー、柿、キウイ
脂溶性ビタミンはアブラと一緒に摂る
脂溶性ビタミンは油脂に溶けるのが特徴のため、食事では油脂と一緒に摂ると吸収効率が良くなります。また、熱に強いので、加熱しても大丈夫。安心して調理しましょう。
ただ、摂りすぎると体内に溜まって過剰症を起こすことがあります。
脂溶性ビタミンは油で炒めたりすることで効率よく摂取できます。脂溶性のビタミンAの豊富なニンジンは野菜炒めに、水溶性のビタミンCが豊富なパプリカなどは生で食べるなど、ビタミンの特徴を考慮しながら調理すればより効率的に摂取できるはずです。
水溶性ビタミンは水と熱に弱い
一方、水溶性ビタミンは水に溶けやすいのが特徴。調理の際に水で洗ったり、水に浸けるだけで流れ出ていってしまいます。
摂りすぎても尿と一緒に排泄され、たとえば、ビタミンCの体内滞在時間は1~2時間、ビタミンB群は3時間です。
そのため、多めに摂っても、脂溶性ビタミンのように過剰症を必要以上に心配することはありません。しかし、熱に弱く加熱すると壊れてしまうので、不足がちになりやすいのが欠点です。
水溶性ビタミンは水に出てしまうため、野菜は茹でるより生で食べると量を摂取しやすくなります。または野菜スープなどにすれば、溶出した水溶性ビタミンも美味しくいただくことができます。