朝のストレッチで寝起きは良くなる?朝ストレッチの効果とは (2/2)
朝におすすめのストレッチメニュー
からだへの負担が軽いものを選ぶ
起きたばかりのタイミングでは、からだへの負担が少ないメニューがおすすめです。ゆっくり体を動かして、深い呼吸を心がけてください。限界まで伸ばすのではなく、気持ちイイと思える範囲で体を伸ばしてください。
朝ストレッチをするときのポイント
目覚めがスッキリするほかにも、たくさんの効果が期待できる朝ストレッチですが、十分な効果を出すためにはいくつかポイントがあります。
無理をせず、ゆっくり時間をかけて行う
朝にストレッチをする際は、無理は避けましょう。起床直後に急にからだを動かすことで、筋肉や関節を傷めてしまう恐れがあります。
反動をつけないようにして、自然に呼吸できる範囲で筋肉を伸ばしましょう。からだに負担がかからない小さな動きから始め、徐々に大きな動きへ移ってください。
なお、骨折や怪我をしている場合は、症状が悪化する恐れがあります。治るまでは控えましょう。
深い呼吸を意識する
朝にストレッチを行う際は、深く息を吸いましょう。深い呼吸を繰り返すことで交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、筋肉を伸ばしやすくなります。
また、多くの酸素を取り込めば、酸素不足による頭痛は症状の改善が望めます。朝起きて頭が痛い方は、呼吸を意識してストレッチをしましょう。
毎朝できるように習慣化する
朝のストレッチは、継続的に行うことが大切です。気が向いたときだけではなく、毎朝行うように習慣化しましょう。
習慣化するためには「布団から出てすぐ行う」や「朝食を食べる前に行う」のように、朝のストレッチを行うタイミングを決めることが重要です。
自分に適したタイミングで朝のストレッチを行いましょう。
昼のストレッチや夜のストレッチの効果
朝のストレッチだけではなく、昼や夜のストレッチもよい効果をもたらしてくれます。それぞれどのような違いがあるのかを紹介します。
肩こり・頭痛などに効果的な昼のストレッチ
昼のストレッチは、午前の仕事や家事で固まった筋肉をほぐす効果が期待できます。血流がよくなるため、肩こりや頭痛も解消されるでしょう。
また、デスクワークをしている方の場合、ふくらはぎのむくみを解消する効果も期待できます。
食後は消化器官が安定しないため、ストレッチを避けた方がよいといわれています。昼にストレッチを行う場合、昼食の直後は避けましょう。
安眠効果が望める夜のストレッチ
寝る前にストレッチをすれば自律神経が整い、安眠効果も期待できます。
また、夜のお風呂上りにストレッチを行うと、筋肉が温まっているため、からだが硬い方でも楽にストレッチができるといわれています。
お風呂あがりにストレッチを行う場合、のぼせた状態だとバランスを崩して怪我をする恐れがあります。40度以下のぬるめのお湯に入りましょう。
朝ストレッチの効果を高める2つの方法
朝ストレッチを効果を高める方法を、2つ紹介します。両方ともストレッチを始める前に行いましょう。
カーテンを開けて、太陽の光を浴びる
布団から出て朝のストレッチをする場合は、カーテンを開けてから行いましょう。
太陽光には体内時計をリセットする働きがあるため、朝のストレッチ前に太陽光を浴びると、脳やからだが目覚めてストレッチの効果が高まります。
さらに、太陽光はセロトニンというホルモンの分泌を促します。セロトニンは分泌されてから約14時間後には、眠気をもたらすメラトニンというホルモンに変化します。
朝のストレッチを行う際に太陽光を浴びてセロトニンの分泌を促すことで、寝起きだけではなく寝つきもよくなるでしょう。
白湯を飲むなどして、からだを温める
寝起き直後は、体温が低く筋肉も温まっていない状態です。そのままストレッチをすると怪我をするリスクがあるため、からだを温めてから行ってください。
たとえば白湯を飲んでからだを温め、血流をよくしてから朝のストレッチを行えば、筋肉がスムーズに動き、朝ストレッチの効果も高まるでしょう。
白湯を飲むとからだが温まり血行が促進されるだけではなく、就寝中に不足した水分を補ったり、胃腸を動かして排泄を促進したりする効果も期待できます。
朝ストレッチ以外で、寝起きを改善する方法は?
朝にストレッチをすれば、体温や基礎代謝が上がり、寝起きでもスッキリするでしょう。
一方、朝はどうしてもストレッチをする時間がとれなかったり、怪我や骨折といった事情によって、ストレッチができない方もいますよね。
そんな方におすすめの、朝のストレッチ以外で寝起きを改善する、4つの方法を紹介します。
入浴のタイミングを調整して、就寝前に深部体温を下げる
就寝前に深部体温を下げることで寝つきがよくなり、朝の目覚めがよくなるといわれています。
まずは入浴して、いったん深部体温を上げましょう。38度前後のぬるめのお湯に浸かることで、深部体温が上がります。タイミングは、就寝の1~2時間前にしてください。
その後、就寝時間には深部体温が下がった状態になり、ぐっすり眠れるようになるはずです。
食事や運動、入浴で自律神経を整える
自律神経を整えれば交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、寝つきも寝起きもよくなります。
自律神経を整えるためには、ストレッチだけではなく3食しっかり食べることも重要。食事によって生活リズムを整えることで、自律神経が整うでしょう。
その他にも、ウォーキングや軽いジョギングといった有酸素運動や、ぬるめのお湯への入浴も、自律神経を整えるために効果的です。普段から生活リズムが崩れないように意識して、自律神経を整えましょう。
寝る前のブルーライトを避ける
ブルーライトとは、波長380~500nmの青色を含む光です。ブルーライトは人間の角膜や水晶体で吸収されず、目の奥にある網膜まで届く強いエネルギーを持ちます。
寝る前にブルーライトを浴びると寝つきが悪くなり、朝の目覚めにも悪影響を及ぼすでしょう。
ぐっすり眠るためには、就寝時間の1~2時間前にはパソコンやスマートフォンから離れてください。それにより体内時計が整い、生活リズムも整えやすくなります。
夕食の内容とタイミングに気をつける
睡眠の質を高めて寝起きをよくするためには、夕食の内容とタイミングも重要です。
食事の直後は胃や腸が活発に動いているため、寝つきが悪くなります。また、胃に食べ物が残っている状態だと胃腸に負担がかかり、眠りが浅くなるといわれています。
食べ物を消化するためには2~3時間かかるので、ぐっすり眠るためには就寝の3時間前までに夕食をすませましょう。
消化の負担が少ないものを献立に取り入れたり、グリシンという深部体温を下げる働きを持つ栄養素を摂ったりすることも重要です。
グリシンはゼラチンや鶏肉、大豆製品に多く含まれています。
朝のストレッチでスッキリ目覚めよう!
寝起きが悪い方だけではなく、寝起きの頭痛や肩こりに悩んでいる方や、基礎代謝を向上させて痩せたい方にも朝のストレッチはおすすめです。
筋肉や関節を傷めない範囲で無理せず行い、スッキリとした目覚めを手に入れましょう。
監修者プロフィール
ヨガインストラクター
碇 純子(いかり すみこ)
2022年RYT500(全米ヨガアライアンス認定)修了。漢方とヨガを組み合わせたプログラムを開発。
隙間時間にできる「チェアヨガ」を広めるなどの活動を行っている。
スマホで相談できるオンラインAI漢方「あんしん漢方」を通じて、症状緩和と根本改善をサポート。薬剤師兼ヨガインストラクターとして、健康情報を心身両面からのアプローチで発信中。
<Edit:編集部>