
オートミールとは。種類と栄養素、効果的な食べ方、おすすめアレンジレシピ[管理栄養士監修] (3/4)
- 健康
- 2023年2月1日
<このページの内容>
オートミールはダイエット向きの食材なの?
カロリーは白米や玄米と比べると少々高いのですが、糖質の量は少なめで、血糖値の上がりやすさを示す「GI値」が低く、太りにくいとされます。ヘルシーな印象はここから来ているのかもしれませんね。
主な食品のGI値
食品名 | GI値 |
食パン | 95 |
白米 | 88 |
うどん | 85 |
玄米 | 55 |
オートミール | 55 |
そば | 54 |
パスタ(全粒粉) | 50 |
一方、食物アレルギーの原因となるたんぱく質の「グルテン」はごく少量のため、グルテンフリー食材としても注目されています。
また、オートミールのダイエット効果をとことん探る! 欠点やNGなやり方、おすすめレシピ&商品比較【栄養士監修】にて、管理栄養士の佐藤樹里さんが以下のように語っています。
精白せずに外皮を残したまま加工されるオートミールは食物繊維やミネラルが豊富で、100gあたりで比較すると食物繊維は玄米(水稲穀粒)の約3倍、精白米(水稲穀粒)の約19倍も含み、たんぱく質は玄米(水稲穀粒)・精白米(水稲穀粒)の約2倍も含みます。
しかもオートミールに含まれる食物繊維には水溶性食物繊維のβ-グルカンもあり、糖の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑える効果があります。
オートミールと玄米(水稲めし)、精白米(水稲めし)を1食あたり(玄米・精白米150g、オートミール30g)のカロリーで比較すると、玄米が228kcal、精白米が234kcalなのに対し、オートミールは半分以下の105kcal。さらに糖質も少なめで、血糖値の上がりやすさを示す「GI値」が低く太りにくいとされます。
つまり、低糖質で低カロリー、高たんぱくなオートミールはズバリ、ダイエット向きの食品といえます。また、ダイエット中の人に不足しがちなマグネシウムや鉄分などのミネラルも多く含まれています。これはもう、オートミールは“ダイエット向き”というより、“おすすめ”の食品といえるでしょう。
オートミールのダイエット効果をとことん探る! 欠点やNGなやり方、おすすめレシピ&商品比較【栄養士監修】より
また、ヘルシーで糖質に配慮した食事を届けてくれる宅配弁当サービス「nosh(ナッシュ)」の管理栄養士も以下のように解説しています。
低GI食品のため、ダイエットに向いている食材と言えます。低GI食品は糖質の吸収を遅くし、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。また、ゆっくりと消化するため腹持ちがよく、ダイエット中に不足しがちなたんぱく質やカルシウム、鉄分、ビタミンB1なども多く含まれているとても魅力的な食品です!
お米をオートミールに変えると痩せるの?管理栄養士が回答 より
オートミールのみで食事を終わるのは栄養バランスが不足しやすいのでNG
いくら栄養素が豊富なオートミールとはいえ、「ばっかり食べ」ではバランスがくずれてしまいます。オートミールだけではたんぱく質のほか、ビタミン類も不足してしまいます。
「腸の調子をみながら1食30~40gを目安に1日3食の食事のうち、お米やパンなどの主食を1~2回程度オートミールに置き換えます。カロリーが精白米の約半分、食物繊維が豊富なオートミールは1食置き換えるだけでもダイエットに役立つでしょう」(佐藤さん)
お米をオートミールに変えるだけでも痩せる?
オートミール1食分と白米1杯分のカロリーと糖質を比較してみます。1食あたりオートミールは約30g、白米はお茶碗一杯分の約150g目安に比較します。
- オートミール(約30g/1食分)
エネルギー105kcal、糖質17.9g
- 白米(約150g/茶碗1杯分)
エネルギー234kcal、糖質53.4g
1食分をオートミールに置き換えると白飯よりもカロリーを半分に抑えることができますし、ダイエット中の糖質摂取量は1食あたり20∼40gのため、糖質の制限もできます。
関連記事:お米をオートミールに変えると痩せるの?管理栄養士が回答
どれくらい続けると効果的?
継続期間の目安としては、少なくとも1ヶ月は続けて調子を見るのが良いそう。オートミールは食べ過ぎるとお腹が張ったり、お腹がゆるくなって下痢になったり、逆に便秘になったりといった食物繊維の摂り過ぎによる症状がでる場合もあります。
まずは1ヵ月程度、主食への置き換えを継続してみて、腸の調子をみながら自分に合った量をみつけていくことがオートミールダイエットを続けるコツとのことです。
玄米や発芽玄米、雑穀米よりオートミールのほうがいい?
栄養面で比較すると、エネルギーや糖質、食物繊維が多く含まれているのはオートミールです。また、オートミールは雑炊やリゾット、ヨーグルトにかけるなど調理バリエーションも豊富な食材です。
ダイエットに効果的なのはオートミールと言えそうですが、玄米や発芽玄米も栄養価が高い食品として注目されています。
運動やトレーニングをする人こそ、ぜひ食べたい
オートミールはトレーニングをしている人にもおすすめの食品です。タンパク質が100gあたり13.7gと豊富であり、筋肉をつけたい人はうれしいはず。
さらに、ミネラルが豊富なので、運動していると不足しがちな鉄・亜鉛・マグネシウムなどを手軽に補えます。
食物繊維のなかでも、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれているところがポイント。トレーニングをしている人はたんぱく質をかなり多く摂取したり、食物繊維の摂取量の低下で便秘になる人が多いのですが、オートミールは食物繊維が豊富に含まれているため、便秘を改善できます。
オートミールは簡単に作れるので、時間がない朝食にピッタリです。1食あたり約30~50gを摂取していきましょう。昼や夜のご飯の量を調整すれば、オートミールの量を多くしても構いません。
ただし、健康によいとはいえ、オートミールだけを摂っていれば栄養バランスが満点というわけではありません。オートミールはビタミン類が少なめなので、合わせて摂ることが必要です。フルーツやナッツなどをトッピングするといいでしょう。また、プロテインも補うとよりバランスよくなります。
血糖値が上がりづらいオートミールはダイエットにももちろん最適ですが、砂糖やシロップをたっぷりかけては逆効果なのでご注意!
次は、トレーニング前に食べたい、筋肉増強アレンジレシピを紹介します。