2023年10月18日

「子どもの習い事、結果が出なければ意味がない」と考える親に伝えたいこと (1/2)

子どもにスポーツをさせたいと思っている、もしくはスポーツをさせているお父さんお母さんは多いでしょう。そして「やるからにはそれなりになって欲しい」と考えるのは、親として当然といえます。

しかし体力的な問題や、まわりの子との成長の個人差、スポーツとの相性などにより、うまく活躍できないことも少なくありません。そのとき、親としてどのように考え、接してあげられるでしょうか。

一番苦しんでいるのは本人かもしれないのに、「結果が出ていないのは努力が足りないから」と語ったり、結果が出ていないと「ダメな子」と言ってしまったり。親の考え方や接し方で、子どもの将来は大きく変わります。

どのように考え、接してあげたらいいのか。親が実践したい心の教育について、教育現場でスポーツ指導の実績を持つ筆者が紹介します。

結果が出なければスポーツをやった意味はないのか?

具体的な例として、「サッカーが上手ではなく、試合に出ることができない」としましょう。

それでも、たとえば次のような成長が見られるのであれば、どうでしょうか。サッカーの練習をしてきた価値があるのではないでしょうか。

  • サッカーが好きで楽しんで練習を行っている
  • もとは嫌いだったが真剣に取り組むようになった
  • 自分なりに工夫している
  • うまくいかなくても、相手に負けてもイライラせずに、次に向けて気持ちを整理できる
  • まわりの人にアドバイスを聞きながら練習できる
  • コーチの話をしっかり聞き、感謝の気持ちを持てる

練習を積み重ねてきたからこそ、これらの力が身についたり、成長が見られるようになっていきます。

たとえ他人より下手でも、あるいは試合に出られなくても、上記のような「非認知能力」が身についたり、その方向に向かったりしているのであれば、今後の人生において大きな財産を得たと言えるでしょう。

重視されているのは「非認知能力」

新学習指導要領により、平成30年度から教育が変わりました。とくに、幼児教育において「非認知能力」を育てていきたいという内容になっています。

非認知能力とは、学力のように数字にできない力を指しています。

「粘り強さ」「協調性」「やり抜く力」「自制心」「感謝する力」などを指し、それらは以下の3つに分類されるとしています。

  1. 目標に向かってやり抜こうとする力
  2. 感情をコントロールする力
  3. 人と上手にコミュニケーションを取る力

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